「オセロ中島はマインドコントロールではない」に反論!:芸能ニュースではなく社会問題として

オセロ中島さんに関する週刊誌報道

「オセロ」中島知子さんのマインドコントロール問題について、記事を書いてきました。

オセロの中島知子さんのケースから考えるマインドコントロールの解き方

(マインドコントロールの仕組み解き方の基本)

オセロ中島マインドコントロールされていない?:"激白"を読み解く

(2年ぶりにテレビ出演した中島知子さんの発言と周囲の反応・まだマインドコントロールされている中島さん)

今回は、中島さんはマインドコントロールされていないとする意見に反論します。

■マインドコントロールに懐疑的な意見

  • デーブ・スペクター さん

「きわめて普通にしゃべっている。だから、マインドコントロールは誤報ではないか。」(テレビ朝日『ワイドスクランブル』)

  • 苫米地英人 さん

彼女は元々「洗脳」されてはいないと判断しています。私が彼女にコーチングをしていたという話は、周囲から報道されていましたが、前にも言いましたが、「脱洗脳」といわれるような作業をしていたわけではありません。(ご自身のブログでの発言)

  • ある芸能関係者 さん

「中島は自身が語っているように、洗脳されてはいなかったようです。だが、精神的な問題を抱えており、それが異常な言動につながっている。」(「サイゾー」)

  • 江原啓之 さん

「この占い師はタチの悪い人です。そしてニセモノです」(と批判しながらも、)「騒動の本質は洗脳ではなく依存心。巨大なカルト組織と個人という構図ではない。人には信じる権利がある。中島は自分で選んだのだから被害者ではない。依存と依存による「共依存」ではないか。二人は同罪」(『週刊現代』)

  • ある占い師

「こちら(占い師)としては望んでないのに、相談者のほうからなし崩し的に依存してきて、結果的に今回の中島さんのような状態になってしまうケースは多いんです。」(占い・開運・スピサイト「ハピズム」)

■これらのご意見に対する反論

○デーブ・スペクターさんのご発言に対して

マインドコントロールされているからといって、見るからに「異常」というわけではありません。知的でユーモラスな会話もできます。(ただ、今回のデーブ・スペクターさんの発言は、本心なのか、番組の独占取材に応じてくれた中島さんへの配慮なのかは、わかりません。

○苫米地さんのご発言に対して

苫米地さんは有名人ですが、洗脳とマインドコントロールを分けて表現はなさらないのでしょうか。そうだとしたら、専門家としては、ちょっと珍しいかと思います。(洗脳は暴力的手法を使い、マインドコントロールは使わないと専門家は区別する人が多いと思います。苫米地さんに関しては、ネット上でも様々な情報が流れていますね)。今回の報道によれば、最初からマインドコントロール(洗脳)されていなかったとお考えだったように解釈できますが、一方で、以前次のような報道もされています。

中島の“洗脳”苫米地氏「既に峠超えた」  オセロ・中島の“脱洗脳”を担当していると一部で報じられた脳科学者の苫米地英人氏(52)が6日、自身のブログで、中島の洗脳のレベルについて「既に峠を越えている」と見解を示した。

出典:デイリースポーツオンライン

○ある芸能関係者さんのご発言に対して

「何らかの精神的な問題」、それが何かが問題です。

○江原啓之さんのご発言に対して

破壊的カルトによるマインドコントロールは、巨大組織だけが行うものではありません。今回のような個人カルト(少数カルト)で苦しんでいる人もたくさんいます。「自分で選んだ」と感じさせるのが、マインドコントロールです。「人には信じる権利がある」というのは、その通りです。でも、信じさせ方には、ルールが必要だと思います。欺瞞に満ちた方法は許されません。

*江原さんのこの発言に関しては、『メンズサイゾー』で、峰尾耕平さんが「単なる自己防衛!? 江原啓之「オセロ・中島」について語る」と題し、これらの発言には「彼の自己保身が見え隠れする」と論評しています。

○「ある占い師」さんのご発言に対して

占いにおいて、もしもこういうことが多くあるなら、大問題だと思います。向こうから望むのだからこちらは悪くないというのは、プロとしてはまずいのではないでしょうか。医療、教育、福祉、心理。相手から依存されやすい職業は、いろいろありますが、こんなことにならないように、プロは注意しているはずです。

(私は個人的には占いに否定的ですが、しかし依頼者の利益のために良心的に仕事されている占い師さんもたくさんいらっしゃいます。)

■中島知子さんの様子を見て

前の記事にも書きましたが、一見元気そうに見える中島さん。でも、どこか人間として不自然です。心配をかけ、迷惑をかけた人々への思いが伝わってきません。妙に冷静で、自分の意見を通します。これは、マインドコントロールされている人に良く見られる態度です。

精神科医の香山リカさんは、「非常に不自然な印象を受けました。彼女はマインコントロールされている自分に気づいていません」とコメントしています(週刊『女性自身』)。

山王病院の奥仲哲弥医師は「(中島が同居していた占い師とされる女性の)支配下にあることは事実」とし、マインドコントロールと外見には関係がないと指摘しています。(スポニチアネックス

参議院議員の有田芳生先生も次のようにツイートしています。

中島さんが「普通だった」のは当然。マインドコントロールは人格破壊ではない。「占い師」との関係など、テレビでは事実を語っていない。ご家族にはメールがある。

出典:@aritayoshifu

■マインドコントロールの恐ろしさ

ご両親や、身近な人たちは、以前の中島さんではないと感じています。マインドコントロール問題に関わってきた人たちも、中島さんの様子に不自然さを感じ、私も他のマインドコントロールされている人と同じにおいを感じます。さらに、これまでの経緯をみると、中島さんが言うように、自称霊能者の女性は悪くない、私は被害者ではないというのは、信じにくいことです。

この女性にだまされたと証言する人もいます。千主 ひかるさんは、手記を発表しています。

『自称霊能者に支配された561日:中島知子さんもかかった罠』 (廣済堂出版)

アマゾンのレビューの中には、一般の人がこの自称霊能者Iの女性と会うことなどないというご批判もあります。たしかにその通りですが、このようなカルト・マインドコントロールにあう可能性は、誰にでもあります。巨大カルト、少数カルトに苦しんでいる人は、たくさんいます。

他のレビューにあるとおりです。

「読んでみて、とても勇気ある情報開示だと思いました。そして社会的にもとても有益なレポートだと思います。個人や小規模集団によるマインドコントロールの手法が詳しく書かれています。」

自称霊能者Iにだまされた人は、他にもいるようです。

福岡県に住む元漫画家のAさんは、2年間一緒に暮らし、2千万円もつぎ込み、精神に異常をきたしたと報道されています(週刊『女性セブン』)。

■マインドコントロールなのか

中島さんが受けた被害は、マインドコントロールなのでしょうか。マインドコントロールに関わっている専門家らは、そう見ている人が多いようです。ただし、マインドコントロールは、法的、医学的に確立した概念ではありません。心理学の中でも、様々な意見があるでしょう。一般の人も、いろいろな意味で、マインドコントロールという言葉を使うでしょう。

カルト団体の霊感商法問題に関わっている弁護士さんから以前お聞きしました。

商売においては、さまざまな言葉や方法を使う。道義的、法的に許されるものなら良い。しかし、ある限度を超えれば、法的に詐欺と呼ばれる。マインドコントロールも、許されない勧誘方法、商法として、法的にも定義していきたい。

マインドコントロール自体を法的に裁けるようになるのは、時間がかかるかもしれません。この自称霊能者Iも、意図的にマインドコントロールを使っていたのではないでしょう。ただ、巧みに人の心を操る術をもっている人たちがいます。このような人たちは、身近な人の心を支配します。周囲から見れば、逃げればよいのにと思っても、逃げられません。

オウム真理教事件のあと、日本心理学会の年次大会に呼ばれた江川紹子さんがおっしゃっていました。「みなさんが(実践家ではなく)研究者だということはわかる。しかし、目の前でおぼれている人がいれば手を差し伸べてほしい」と。マインドコントロール問題に関わっている知り合いの心理学者が言っていました。「少人数で関わっていると、攻撃されることもある。みんなで関わりたい」。

法律、心理学、精神医学、宗教、マスメディア、社会全体の力で、被害者を守りたいと思います。カルトとマインドコントロールの問題は、芸能ニュースではなく、あなたにも身近な社会問題です。

オセロの中島知子さんのケースが、成功事例となることを願いつつ。

→報道は続いています。報道を受けて、新しいページをアップしました。

オセロ中島知子さん解雇! マインドコントロール被害者の心理と脱会の難しさ」 20130407

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東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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