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福原愛さんの報道から考える、見逃してはいけない”結婚前の違和感”

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:Motoo Naka/アフロ)

福原愛さんの今回の騒動から見た嫁姑問題

■結婚生活は姑・小姑に左右される「毒姑」ガチャ

元卓球女子の五輪メダリストである福原愛さんのスキャンダルが日本と台湾をまたにかけて大騒ぎになっています。

彼女は卓球少女“泣き虫 愛ちゃん”というイメージがありますが、すでに32歳で、結婚出産して2児の母。いったいどんなことに巻き込まれてしまったのでしょうか?

福原さんは台湾のイケメン卓球選手・江 宏傑さんと結婚。キス写真をSNSにアップするなどのアツアツぶりが記憶に新しいでしょう。台湾では夫婦でテレビ出演を重ね、オシドリ夫婦としてのブランディングに成功。江一家としては10億以上を稼ぐ“運命共同体”となっていたのだそうです。しかし、現時点で出てきているニュースによると、その裏では妊娠中に夫からモラハラ言動があった、姉が福原さんの写った家族写真をSNSにバラまいた、そしてそれを操っているのが姑だった……など聞くにもつらい報道がされています。そして、耐えかねた福原さんが、日本で不倫デートをしていた……というニュースまで……。いずれも当人や所属事務所は否定しており、真偽のほどはわからない状況です。

ニュースを受けて改めて思うのが、結婚生活というのは、相手男性をどんなに好きでも、姑・小姑によって大きく左右される――ということ。毒親ならぬ「毒姑」に当たってしまえば、イケメンで大金持ちと結婚できてもこんな顛末になってしまうという現実なのです。

結婚はいまだに「嫁ぐ」という言葉で表現されますが、「男は仕事、女は家事育児」という価値観も変わってきている昨今。嫁姑問題が付きまとう旦那側の両親との同居は必須ではないどころか、少数派になってきています。家業があるならまだしも、サラリーマン家庭が増えて核家族化が進んでいますから、妻が夫側の家族に入っていくのではなく、夫婦で新しい家庭を築いていくのが現代の考え方。義両親側はそれを尊重しなければいけないはず。

■女性に収入がなければ、「不倫か我慢の二択」が現状

福原さんの場合いのように、国際結婚でお相手の国、お相手の家族の中にたったひとりで入っていくって、とっても勇気がいることですし、そこで子育てをしていくのは並大抵の努力でできることではありません。ましてやオシドリ夫婦として顔が知られていれば、愚痴をこぼしたり相談したりする相手もなかなか見つかりません。まずは今までよく頑張ったとエールを送りたい気持ちでいっぱいです。

報道にあるように、モラハラや孤立が事実だった場合は女性が十分に稼げていれば気づいた時点で即離婚できますが、夫が大黒柱となっている場合、子供を抱えて離婚するわけにはいきません。そうなると、不倫して別の人に頼るか、我慢し続けるかの二択に陥ってしまうのが現実です。

福原さんの不倫云々に関してはまだご本人も否定している段階ですし、不倫を肯定するつもりはありません。しかし、一般的な見解として、家庭の外に信頼できる相手を求めた状況を無慈悲には責められないということです。

もし福原愛さんにアドバイスするならば、モラハラで怖い思いをしていると委縮し、意見を言えないこともあるでしょうなどせめて自身のご両親を同席させる、もしくは代理人を立てるなどして、ご自身ひとりだけで立ち向かって意図しない方向に説得されないように気を付けてほしいところです。

夫側に腹を割った意見を伝えた上で、結婚生活を再構築するなり、離婚するなり話し合いを進めていけると良いですね。

■「今思えば、違和感があった」を防ぐ水際作戦

結婚後、とくに出産後にこういった事態に陥ってしまうのは大変つらく、負担も大きいもの。“水際作戦”として、婚約中に相手の本質と相手の家族を見極めるほかありません。筆者が婚活現場で指導している家族や本人のモラハラ度やマザコン気質がないかの見分け方をお伝えします。

1.「料理の味」を母親と比べる男はNG

母親が食事を作ってくれている時期は、せいぜい20歳くらいまでのもの。その後は自分で稼いで、自分なりの衣食住の好みをアップデートしていくもの。妻の手料理と比べるのはもちろんNGですが、外食でも「おふくろの味はこうじゃない」などと発言する男性は、価値観をアップデートできていない、する気もないという証拠。

2.「父が言っていたから」と家族の発言を引用

自分の言葉ではなく、親の発言をそのまま伝えてくるのは自立できていないからこそ。ぜひとも「どうしてあなたはそう思うの? 私はこう思った」と自分の意見を伝えてみてください。相手も自分の言葉で話すのか、ただの受け売りをぶつけてくるのか見極められるはず。

3.「我が家ではこうだった」と実家のルールを強要

夫婦になったら自分の家庭を自分たちで作っていくものです。「家で教わったルール」を持ち込もうとする姿勢は考えもの。良い所を取り入れたいというだけであれば良いですが、一方的に強要したり、有無を言わさず従わせようとするのであれば危険信号です。

4. 両親と対面して

お住まいの場所によっては、婚約時点では結婚報告やご挨拶のみでしか義両親に会っていないことも多いでしょう。相手のおうちに行ったり数回食事の機会をもったりして、夫と両親がどんな会話をしているのか、自分の目でチェックしましょう。その後、夫にも母親があなたのことをどう言っているか、もっといえば「因縁をつけていないか」までヒアリングできると良いでしょう。

モラハラや相手家族との関係が原因で破談になった方にお話を聞くと、やっぱり「今思えば、結婚前から違和感があった」と話すことが多いもの。結婚したいという想いから、つい目を瞑りたくなることもありますが、野生の勘が働いた時には、ぜひ一度立ち止まって、結婚前の水際作戦、実践してみてください。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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