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WBC優勝国のプロ野球開幕!上原浩治が大注目する"非侍ジャパン組"の2人の選手

上原浩治元メジャーリーガー
WBCを制覇した日本のプロ野球がいよいよ開幕する(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の興奮冷めやまぬ中で、プロ野球が3月30日(日本ハム、楽天以外は31日)から開幕する。セ・パ両リーグでオリックス、ヤクルトの3連覇が懸かるシーズンは、国際舞台を経験したWBC組、国内で調整した選手、さらには新戦力がどんなパフォーマンスを発揮するか。もちろん全ての選手の活躍が楽しみではあるが、あえて名前を挙げたい選手は、パの投手では平良海馬(西武)、佐々木朗希(ロッテ)の両投手、野手は清宮幸太郎選手(日本ハム)、セの投手ではヤクルトの高橋奎二投手、中日の高橋宏斗投手、野手は村上宗隆選手(ヤクルト)だ。

 まず、パの投手では、今季から志願して先発に転向する西武の平良投手だ。これまでは救援専門で新人王を獲得し、昨季は最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得。今季からの先発転向に際し、WBCも辞退の意向を表明して勝負をかけた。150キロを超える直球に変化球も多彩。オープン戦は17イニングを投げて無失点と結果を残した。先発と中継ぎでは登板間の調整が違ってくる。シーズンを通してのスタミナをどう培ってきているか。ローテーションを守ることができれば数字は後からついてくるだろう。

 ロッテの佐々木投手はWBCでも準決勝を任されるなど、日本球界の「顔」になりつつある。完全試合を達成するなど、9勝(4敗)をマークして飛躍した昨季も規定投球回数には届かなかった。プロ4年目。ロッテが高卒1年目から将来を見据えた育成プランでしっかりと育ててきた逸材の右腕が中6日でローテーション通りに回ることができれば、他の先発陣の登板機会も安定できるプラス効果がある。WBCの疲労があるかもしれないが、WBCで投手コーチを務めた吉井理人氏が監督を務めているだけに、うまく見極めもできるのではないだろうか。

 野手では、日本ハムの清宮幸太郎選手が「大砲」として本領を発揮できるかに注目している。日本ハムの新本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」はサイズ的に札幌ドームよりも狭くなり、長距離打者には有利な球場といえる。昨季、キャリアハイの18本塁打を放った清宮選手はオープン戦も好調で、12球団トップの5本塁打。新球場を味方に殻を完全に破るシーズンになれば、チームの成績にも好影響を与えそうだ。

 セ・リーグはヤクルトと中日の両高橋投手の調整に目を向けたい。2人ともWBC日本代表に入ったが、大会期間中は中継ぎに回り、登板機会もわずかだった。チームに戻れば、先発陣の一角を担うだけに、オープン戦の時期に実戦で投げるイニング数が少ないことが、どう影響するか。

 野手はヤクルトの村上宗隆選手だ。WBCでは終盤に本来の実力を発揮し、気持ちよくシーズンを迎えることができるだろう。一方で、昨季の三冠王に対する各球団のマークはこれまで以上に厳しくなる。ストライクゾーンで勝負されないケースも増えるだろう。主砲の宿命として、こうした状況を打破することができれば、さらに手ごわい選手になっていくだろう。

元メジャーリーガー

1975年4月3日生まれ。大阪府出身。98年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目に20勝4敗で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠、新人王と沢村賞も受賞。06年にはWBC日本代表に選ばれ初代王者に貢献。08年にボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦。ボストン・レッドソックス時代の13年にはクローザーとしてワールドシリーズ制覇、リーグチャンピオンシップMVP。18年、10年ぶりに日本球界に復帰するも翌19年5月に現役引退。YouTube「上原浩治の雑談魂」https://www.youtube.com/channel/UCGynN2H7DcNjpN7Qng4dZmg

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