『ロンドンハーツ』『アメトーーク』の作り方(1)~プロデューサー加地倫三の流儀~

2月19日放送の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)では「未来の狩野&村上を探せドッキリ芸人オーディション」と題して、「ど天然なナルシスト」狩野英孝や「ピュアで卑屈なキャラ」フルーツポンチ村上に変わるドッキリスターを見つけようという企画が行われた。

その候補に挙げられたのが磁石の永沢、ジューシーズの児玉、とろサーモンの久保田、第2PKのひろみの4名。お笑いファンはともかく一般視聴者からすれば、ほとんど見たことのない芸人たちだった。

プロデューサーの加地倫三は1月20日早朝に放送された『はい!テレビ朝日です』「作り手たちが語るテレビの“いまと未来”」に出演し、視聴者たちからの意見や質問に答えている。

その中のひとつに「同じような芸人さんばかりが出てる」というものがあった。これに対し加地は「それは僕もちょっと思います」と同意した上で次のように続けた。

「やっぱりいろんな芸人さんのいいところを出して、いろんな芸人さんを知ってほしい ですし、出てない芸人さんでもほんとに面白い芸人さんは山ほどいて、なかなか今のテレビが彼らにチャンスを与えてない ので少しでも多くの芸人さんにチャンスを与えていろんな芸人さんを知って貰いたいなと思います」

まさに今回の「ドッキリ芸人オーディション」はこの考えに基づくものだろう。

この他にも加地は自分が担当する『ロンドンハーツ』や『アメトーーク!』、さらには自分の仕事の流儀を語っている。

「『ロンドンハーツ』って元々、15年前に始まった時からドッキリをメインにやってきたので、『ロンドンハーツ』はドッキリが個性というか武器 だと思っているので。やっぱりそこが番組の生命線」

「ドッキリは本当?」という質問には「ガチです!」と間髪をいれず即答した。

「ガチじゃないと面白く無いんですよ。やっぱり番組を作ってる側が面白く無いと面白い番組って提供できない と思うんです。リアルにドッキリかけてるからこそ楽しくて、現場がほんとに楽しいんですよ。その楽しさを忘れてしまったら良くないと思うんで。『気付いてるんじゃないか』っていう(視聴者の)意見もありましたけど、気付きそうな人には僕、ドッキリかけない んですよ。僕らもある芸人さんだったらその人の人間性も知ってるし、どういうタイプかっていうのもわかってるのでその芸人さんのタイプ、人間性を読んで、この子だったらこういうドッキリを仕掛けようとか、そういうことを考えてすごく計算してやってるので」

しかし、ターゲットの芸人に気づかれなくても、視聴者から「うそ臭い」と思われたら番組としては失敗である。

「これが一番難しい所でだからこそ視聴者の人にも『これはさすがにリアルだよね、ガチだよね』って思わせるくらい大きな仕掛けを今はやるようにしています。『ロンドンハーツ』で家を一軒建ててみたり。そこまでやればさすがにリアルだろうなって視聴者の方が思ってもらえるんじゃないかって大きな仕掛けを考える。両方の戦いがある んですね、対視聴者 っていうのと対ターゲット っていう」

ドッキリとともに『ロンドンハーツ』の柱になっているのが「格付け」企画のようなスタジオトーク。

「(司会の台本は)進行程度しか書いてないです。ゲスト側に関しては台本はまったくないんです。一枚だけ形式上、なんか台本がない番組だと思われるとちゃんとしてない番組だと思われるんで(笑)、一応台本っぽく書いてあるんですけど、『みなさんこんにちは』くらいしか書いてない。『ロンドンハーツ』は芸人さん、台本は読んでないですね」

そんな状態で司会進行を一手に引き受けているのがロンドンブーツ1号2号の淳だ。

「僕らの組立だったり狙いみたいなことを全部淳に預けてる 。おそらくこういう暴露をしたらこういうリアクションが返ってくるんじゃないか、こういうリアクションが返ってきたら、こう返そうかっていう、あくまでも想定で組み立てておいて、あとは現場の判断。だから暴露ネタ、ぶっちゃけネタっていうのはやっぱり、ドッキリもそうですけど、ドッキリと解っていて『ドッキリでした』って言った時の顔と、ホントにドッキリだと思わなくて『ドッキリ』って知らされた時の顔って違うじゃないですか。その表情が一番大事 なので、ドッキリもぶっちゃけトークも基本的には台本を作らない。ガチンコでやっていく」

そんな加地にはひとつどうしても譲れないこだわりがあった。(つづく)

<関連>

『ロンドンハーツ』『アメトーーク』の作り方(2)~カメラマン辻稔の流儀~

『ロンドンハーツ』『アメトーーク』の作り方(3)~仕上げの流儀~