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人から"若く見られる人"が、日頃から気を使っている7つのポイント

斉藤徹超高齢未来観測所
若く見られるために日々の努力は必要(写真:イメージマート)

一般に、私たちは、“若さ”を価値と考える傾向があります。もし、“若さ”と、“成熟”という2つの言葉のどっちが好きと尋ねると、おそらく多くの人は、“成熟”ではなく”若さ”と答えるのではないでしょうか。

「あなたは、いつまでも若々しいねえ」という言葉は、究極の褒め言葉の一つでしょう。

かくして、若々しくあり続けるために努力を重ねる日本人は多いのですが、「人から若々しい」と言われる人たちは、日頃どのようなことに気を使っているのでしょうか。

アンケートシステム「ミルトーク」を使い、「若々しく見られる人」19〜89歳の男女712人に、若々しくあるために日頃から気を使っていることについて回答してもらいました。下図1、2は頂いた自由回答をテキストマイニングツール「KH―Coder」を使い、抽出された単語をマップ化したものです。この図を参考にしつつ、結果を7つのポイントにまとめて紹介していきたいと思います。

図1 若く見られるためのポイント(女性)

筆者作成
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図2. 若く見られるためのポイント(男性)

筆者作成
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若く見られるためのポイント.1

<素肌を見せるファッションを実行する>

ひとつめは、ファッションです。若く見られるためのファッションには一定の共通点があります。それは例えば、素足、素肌を意識したファッション・スタイルであるということです。

ノースリーブや肩を出す服を着る」(30歳・女性)、「夏はノースリーブ・素足ミュール。肘・膝・踵の手入れも怠らない」(50歳・女性)、「ノースリーブを着る」(60歳・女性)、「夏はサンダルに素足」(30歳・女性)など、女性にとってノースリーブや素足でいられることは、若さの主張となっています。

この若さの象徴ファッション、男性の場合では、「短パンをはくこと」(40歳・男性)、「ショートパンツをはくこと。Tシャツが似合うこと」(40歳・男性)、「スキニーとスニーカーを履く、シャツもピチピチにならない程度にフィットするものをチョイスする」(40歳・男性)、「Tシャツを着る」(60歳・男性)と、短パン・Tシャツ姿が若さの象徴ファッションとなります。

若く見られるためのポイント.2

<肌を美しく保つ努力を怠らない>

素肌を見せるということは、すなわち肌をきれいに保つということでもあります。従って、肌のツヤハリを保つ努力を行うことも、若いと見られるための重要な要素です。

肌に張りがあり、髪にもつやがあること」(30歳・女性)、「スキンケアをしっかりする」(40歳・女性)ことが、若い頃は重要であり、年齢が上がると、「あまり肌は露出せず、膝下のスカートやパンツに足首までのハイカットスニーカーやサマーブーツを合わせる」(50歳・女性)、「肌にシミを作らないことです」(60歳・女性)などの日焼け、シミ対策が重要となります。

若く見られるためのポイント.3

<メイク、ファッションに気を使う>

素肌を見せる、肌を美しく保つ努力が重要だからといって、メイクやファッションに手を抜いていいというわけではありません。

「清潔感のある服装、若作りしすぎない程度に少しだけ流行のファッションを取り入れる」(30歳・女性)、「身だしなみに気を付ける」(60歳・男性)、「ファッションは特にないが、挑戦する気持ちがまだあること」(50歳・女性)など、最先端でなくとも、少しだけ流行を取り入れたファッションを意識することは大切なポイントです。

またメイクは、「古くならないように気をつける」(59歳・女性)と同時に、「新しいメイクや髪型を試してみる」(40歳・女性)ことも大切かもしれません。

若く見られるためのポイント.4

<体型を維持するための運動習慣を持つ>

素肌を見せるファッションは、すなわち体型を見せるファッションでもあり、若々しい体型を維持することが重要なポイントになります。

そのために、

ウォーキング、ストレッチをしている」(30歳・女性)、「基本は自転車移動」(30歳・女性)、「筋トレをしているのでお腹のたるみがない」(40歳・女性)、「エレベーターを使わず階段をなるべく使うようにする」(40歳・女性)、「毎日、10キロ以上のランニングや筋トレをして代謝を上げている」(50歳・女性)

など、運動習慣を身につけたり、日常生活のちょっとした運動を心がけたりする人が多いと言えます。

男性は、この傾向がさらに顕著となり、「片道20kmぐらいの場所へ自転車で行くのが当たり前」(40歳・男性)、「マンションなどでエレベーターがあっても、5階ぐらいまでなら階段を使ったり、その際ダッシュで昇る」(40歳・男性)、「毎日、腹筋を800回して、体型維持に努めている」(50歳・男性)、「毎日腕立て伏せを100回」(50歳・男性)などのエクストリーム・スポーツユーザーが多いことも特徴と言えます。

若く見られるためのポイント.5

<毎日歩く、そして早く歩く>

ポイント4のような、ややハードな運動習慣を持たなくとも、毎日歩くことで若さを保つという方法を実践している方も多くいます。

毎日一万歩歩く お腹がでないよう気を付けている」(40歳・女性)、「歩くスピードが速い」(50歳・女性)、「16年間続けている毎朝4kmのウォーキング」(70歳・男性)など、毎日歩くことを習慣化している人は数多くいらっしゃいました。歩くスピードの速い遅いは、体力年齢に比例するという研究結果もあるようで、早足で歩きつづけることが、まさに若さの証明なのかもしれません。

若く見られるためのポイント.6

<常に姿勢を気にして、立ち姿を美しく保つ>

若々しさを保つために姿勢に気を付けることは、多くの30代以上女性が行っていました。

姿勢に気を付けています」(40歳・女性)、「姿勢よくできるだけ機敏に動く」(50歳・女性)、「中学生時代と体重が変わらない見た目の維持。姿勢良いと褒められるので気をつけています」(50歳・女性)、「「若く見えるか否か」は、顔の造作、肌質、姿勢、動作で差が出ると思っています。顔面はともかく、姿勢と動作の機敏さは自信があります」(70歳・女性)など、日頃から姿勢に気を付けることが、若く見られるポイントとなります。姿勢を気にする方は、特に女性に顕著な傾向でした。

若く見られるためのポイント.7

<笑顔でいる、童顔でいる>

いつも笑顔でいる事です」(40歳・女性)、「自分は幸せだなぁといつも思っている事。自然に笑顔になれる」(60歳・女性)など、笑顔でいることが、若さの秘訣と答える方もいらっしゃいました。

そして、意外と女性に多かったのが、童顔アピール。

「若く見えなくてもいいけど童顔なので勝手に若く見える」(30歳・女性)、「背が小さかったり童顔だったり物理的に元々大人っぽく見られなかったので、そう生きてきた慣習のたまものだと思います」(40歳・女性)など、ある意味で努力を重ねなくとも、年齢よりも若く見られる方も多いようです。

一方で、「童顔なので、15歳くらい下に見られることもあって、苦労しています」(60歳・女性)など、逆に苦労される方もいらっしゃるようです。

年代別に見た、若く見られるために気を使うポイント

以上が若く見られるための主なポイントとなります。

では、そうした若くあるため気を使うポイントは年代によってどのように変化するかを見たものが、図3(女性の場合)となります。

図3 年代からみた対応分析(女性)

筆者作成
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この図中に出ている20、30などの赤い数値は、年代(20代、30代など)を示すもので、それぞれの年代の位置と近い場所にプロットされている単語が、その年代の人たちの回答で頻出した単語になります。

例えば、20の近くにある、「スキンケア」、「足」、「出す」、「たくさん」、「食べる」などの単語は20代女性の頻出語彙ということを示します。

これを年代別に辿っていくと、20代では「スキンケア」や「肌」に気を使っているのに対し、30代では、「体型」などが気になるようになり、「運動」や「筋トレ」を習慣する人が増えてくることがわかります。そして40代から50代にかけては、「お腹」に関心が移り、「歩く」「ウォーキング」などで若さを維持する比率が増えてくるようになります。そして更に70代では、「白髪」が出ないこと、80代では、「話」をする、(新しい)「情報」に関心を持つことが、若さを保つ秘訣と考える人が多いことがわかります。

若々しくあるために日頃から気を使っている主なポイントは以上になります。

皆さんも「若いわね」と言われるために、すでにこうした努力を実行している人たちの内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。

超高齢未来観測所

超高齢社会と未来研究をテーマに執筆、講演、リサーチなどの活動を行なう。元電通シニアプロジェクト代表、電通未来予測支援ラボファウンダー。国際長寿センター客員研究員、早稲田Life Redesign College(LRC)講師、宣伝会議講師。社会福祉士。著書に『超高齢社会の「困った」を減らす課題解決ビジネスの作り方』(翔泳社)『ショッピングモールの社会史』(彩流社)『超高齢社会マーケティング』(ダイヤモンド社)『団塊マーケティング』(電通)など多数。

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