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病気と闘う子どもたち、ANAの大型旅客機A380を間近で見学し、京成スカイライナーや成田空港を満喫

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
病気と闘う子ども達が参加し、ANAの「エアバスA380」と記念撮影(筆者撮影)

 病気と闘う子ども達が、成田空港でANAの総2階建て飛行機エアバスA380型機「FLYING HONU」を至近距離から記念撮影し、更には京成上野駅から成田空港駅までスカイライナーの車内でゲームなどを楽しむ日帰り旅行「スプリングチャリティーライナー」が4月23日(土)に開催された。

京成スカイライナー乗車+成田空港制限エリア内見学+ANAのA380型機前での記念撮影。12家族34名が参加

 今回の「スプリングチャリティーライナー」は4回目の開催で、病気と闘う子どもとその家族のための滞在施設である「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の利用経験のある家族の中から12家族34名が参加した。今回は公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン、京成電鉄、成田空港交通に加えて、ANAホールディングスも加わり、初めて成田空港の制限区域内に子ども達を案内。空港内の消防署見学、更に「空飛ぶウミガメ」の愛称で親しまれている520人乗りの巨大な飛行機「FLYING HONU」3機の前で記念撮影が行われた。

 集合は京成上野駅。まずは9時18分発のスカイライナーで成田空港へ向かった。今回、参加者向けに2両を貸し切りにして、この2両は「春爛漫」をモチーフに車内を装飾が施された。車内では京成電鉄のスタッフによる絵合わせゲーム大会(スカイライナー、飛行機、バスの絵を使ったゲーム)が行われ、最後まで残ったお子様にスカイライナーグッズがプレゼントされた。約45分の乗車時間で成田空港駅に到着した。

日帰りのショートトリップは京成上野駅からスタートした(4月27日撮影、筆者撮影以下同じ)
日帰りのショートトリップは京成上野駅からスタートした(4月27日撮影、筆者撮影以下同じ)

京成上野駅に停車中の京成スカイライナー
京成上野駅に停車中の京成スカイライナー

スカイライナーの車内で絵合わせゲーム大会が行われた
スカイライナーの車内で絵合わせゲーム大会が行われた

ゲーム大会で優勝した子どもに京成電鉄のオリジナルグッズがプレゼントされた
ゲーム大会で優勝した子どもに京成電鉄のオリジナルグッズがプレゼントされた

スカイライナーの車内はオリジナルの装飾で子ども達も大喜びしていた
スカイライナーの車内はオリジナルの装飾で子ども達も大喜びしていた

成田空港ではANAの「FLYING HONU」と京成のマスコットがお出迎え

 成田空港駅では、ANAのエアバスA380「FLYING HONU」のマスコット「ラニ」と京成電鉄のマスコット「京成パンダ」がお出迎えし、ここでもマスコットと記念撮影がする姿が見られた。

京成成田空港駅のホームには、ANAのエアバスA380「FLYING HONU」のマスコット「ラニ」と京成電鉄のマスコット「京成パンダ」がお出迎えした
京成成田空港駅のホームには、ANAのエアバスA380「FLYING HONU」のマスコット「ラニ」と京成電鉄のマスコット「京成パンダ」がお出迎えした

 その後、成田空港第1ターミナルからバス2台に分けて、普段は一般の人が立ち入ることができない成田空港内の制限エリア内に。飛行機が一望できる長さ4000メートルあるA滑走路の横をバスは走行し、A滑走路のターミナル反対側にある空港内の消防署へ。ここでは化学消防車の実演(放水作業)が行われ、放水作業に見入っているお子様の姿が見られた。

成田空港内にある化学消防車の実演も行われた
成田空港内にある化学消防車の実演も行われた

総2階建て飛行機で520人が乗れるANAのエアバスA380型機「FLYING HONU」が3機並んだ

 更にバスはA滑走路の先端まで進み、しばらくバスは走行を続け、滑走路から少し離れた場所に駐機しているANAのエアバスA380型機「FLYING HONU」へ向かった。現在、ANAでは成田~ホノルル線専用機として導入したA380型機を3機保有しており、新型コロナウイルスの影響で現在はハワイ便としては飛ばしておらず、日本国内の遊覧飛行や機内食レストラン、更には機内結婚式などで使われている。

 この日は、飛行機撮影には最高の天気で、特に機体に到着する直前の道路からの「FLYING HONU」3機は圧巻の光景であった。この機体が定期便に再投入されることになると、日中の時間帯に3機が揃うことは原則なくなり、3機並んでいること自体がコロナ禍であることを実感させられてしまうが、ブルー、グリーン、オレンジの3機の機体が一度に観れることは子ども達にとっても貴重な機会であり、バスが機体に到着後、様々なポーズをして大きな機体の前で記念撮影している光景が見られた。

飛行機へ向かうバス車内からANAのエアバスA80型機「FLYING HONU」が3機並んだ姿を見ることができた。
飛行機へ向かうバス車内からANAのエアバスA80型機「FLYING HONU」が3機並んだ姿を見ることができた。

3機の「FLYING HONU」のカメも間近で見ることができた。
3機の「FLYING HONU」のカメも間近で見ることができた。

サンセットオレンジの3号機をバックに記念撮影する子ども達の姿が見られた
サンセットオレンジの3号機をバックに記念撮影する子ども達の姿が見られた

ターミナルに戻り、ランチをしてから再びスカイライナーで上野へ。参加者は大きな飛行機の前で沢山写真が撮れて満足

 またテンションが上がり、はしゃいでいる子どもの姿もあるなど、目の前にある大きな飛行機の前で夢のような時間を過ごしている姿を筆者も目の当たりにした。約2時間の空港内での楽しい時間を過ごし、成田空港第1ターミナルへ。その後は空港内のレストランでランチをして、再び成田空港駅からスカイライナーで京成上野駅へ戻った。

成田空港の制限区域内での楽しい時間が終わり、第一ターミナルに戻ってきた参加者
成田空港の制限区域内での楽しい時間が終わり、第一ターミナルに戻ってきた参加者

帰りのスカイライナー乗車時にもANAスタッフがお見送りした
帰りのスカイライナー乗車時にもANAスタッフがお見送りした

 参加した小学校6年生の女子に感想を聞いたところ、「カメの飛行機が楽しかった。テレビでしか見たことのなかった大きな飛行機の前で写真も沢山撮れてよかった」と話す。保護者にも話を聞いたところ、「コロナ禍で普通の家庭以上に外出ができない状況が続いたこともあり、親子共々リフレッシュすることができた。このような機会を用意してくれて感謝です」とお出かけの機会を作ってくれた今回のイベント主催者に感謝していた。子どもにとっては一生の思い出になる1日となった。

ドナルド・マクドナルド・ハウスとは?

 日本国内の「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが運営しており、子どもが入院する場合においては大学病院など設備の整った専用病院での治療が多いが、付き添う家族の宿泊は基本的に認められておらず、ホテルへの宿泊もしくはアパートを借りたりするなどの経済的・精神的な負担が強いられているなか、病院の敷地内もしくは至近距離の場所に家族が長期滞在できる建物を建て、安価で宿泊できる場所を提供している。

 基本的には企業などからの協賛も含めて運営されており、ハンバーガーチェーンのマクドナルド社もその1社となっている。世界45の国と地域に378カ所(2022年3月末現在)を開設し、日本国内では11カ所があり、延べ7万5256家族(2021年12月末現在)が利用しているとのことだ。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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