現在、海外から日本に帰国した場合には、帰国後14日間は自主隔離(検疫所長が指定する自宅、社宅、親戚・友人の家、マンスリーマンション、自身で予約したホテルなどの場合)として、帰国時に届出した場所で過ごすことが必要となるが(感染拡大している国からの帰国については、定められた3日間・6日間・10日間の空港周辺での強制でのホテル待機を経ての帰国後14日間の自主隔離の場合もある)、今、日本人が海外へ渡航することは条件付きで可能となっている。

ハワイは陰性証明書取得などの条件で到着後すぐに行動可能

 その中でも障壁が最も少ないのが、ハワイ・ホノルルである。本来のハワイ入国におけるルールでは、日本からハワイに到着後、10日間は宿泊するホテルなどでの自己隔離が必要となるが、日本を出発する72時間以内にハワイ州が指定する日本国内の医療機関でPCR検査を実施し、所定のフォームに基づく陰性証明書を取得し、健康状態や渡航情報の登録など定められたルールに則って手続きを済ませることで、ホノルル空港到着後に隔離なしで行動ができる。

 つまりコロナ前同様、到着後すぐにレストランに行ったり、ビーチで泳いだりすることが可能となっている。日本出発前の準備に少し手間がかかるが、ハワイ滞在中には行動制限を受けることなく、旅行できるということだ(5歳以上がPCR検査の対象となる)。

ホテルにチェックイン後、すぐにビーチに直行できる(6月28日撮影、以下全て筆者撮影)
ホテルにチェックイン後、すぐにビーチに直行できる(6月28日撮影、以下全て筆者撮影)

ハワイ到着後はすぐに行動可能。今のハワイは屋外でのマスク着用は不要で(屋内はマスク着用が必要)、実際に3人に1人くらいがマスクが着用していた(カラカウア通りにて6月28日撮影)
ハワイ到着後はすぐに行動可能。今のハワイは屋外でのマスク着用は不要で(屋内はマスク着用が必要)、実際に3人に1人くらいがマスクが着用していた(カラカウア通りにて6月28日撮影)

筆者が実際に経験したハワイへ出発する前の日本国内での手続き

 筆者は6月28日の夜に羽田空港からANA便でハワイのホノルルへ向けて出発することになった。ハワイ州では筆者の出発時点で6割弱のワクチン摂取率(最新の7月9日現在では58.1%)で、ワイキキ周辺がアメリカ人観光客で賑わっているなか、ハワイ観光の現状と今後の展望についての現地調査、加えて休暇も兼ねてハワイへ向かうことを決めた。

 通常通りに航空券を予約し、ホテルを手配し、その後アメリカ渡航に必要なESTAを申請した(多くの人はコロナ禍で2年間の有効期限が切れていることから、忘れずに取得する必要がある)。ここまでは従来と同じ手順であり、新型コロナウイルスの感染拡大前までであれば、手続きはこれで全て終了となるが、今ハワイへ渡航する場合においては、ここからいくつかの手続きが必要となる。

ハワイ州の専用サイトに渡航に関する情報を登録することからはじまる

 まずはハワイ州の「Safe Travels Program(セーフトラベルズプログラム)」に個人情報・渡航情報などを登録するところから始まる。基本的には全て日本語での登録が可能であることから、それほど難しくない。ハワイ州観光局のホームページでもわかりやすく説明されている。渡航情報などの登録は予定が確定した段階で、いつでも入力することが可能となっている。

ハワイ州の「Safe Travels Program(セーフトラベルズプログラム)」のログイン後の画面
ハワイ州の「Safe Travels Program(セーフトラベルズプログラム)」のログイン後の画面

個人情報や渡航情報などの入力から始まる
個人情報や渡航情報などの入力から始まる

次にPCR検査の予約。指定の病院での検査証明書に限るので注意

 次に必要な手続きが、PCR検査の予約である。日本の空港を出発する予定の時刻から72時間以内にハワイ州保健局が指定する日本国内の医療機関でPCR検査を受ける必要がある。ここで気をつけなければならないのが、ハワイ州が指定する専用のフォーマットでの陰性証明書でないと認められないということだ。ハワイ州観光局のホームページに対象となる医療機関の一覧が掲載されており、その中から選ぶことになる。料金は医療機関によっても異なるが3万5000円~4万円が相場となっている。ただ一部の医療機関で2万円以下で取得できるケースもある。

 陰性と判断されると、ハワイ州指定の陰性証明書が発行される。この陰性証明書を「セーフトラベルズプログラム」にログインした状態でPDFファイルでのアップロードが必要となる。アップロードができない場合や情報が確認できない場合は、ホノルル到着後に再チェックとなり手間がかかることになるので、事前のアップロードを強くおすすめする。

 ハワイ渡航者向けのPCR検査は基本的に事前予約制であり、検査を受けて陰性証明書がもらえるまでの時間・日数も考慮しながら、早めに検査予約をしておくといいだろう。羽田空港第3ターミナルや成田空港にあるクリニックでは出発当日午前中にPCR検査をしても、夜の出発便までに間に合うが、PDFファイルでアップロードすることを考えると前日までに済ませておくのがいいだろう(スキャナがない場合、コンビニエンスストアのスキャナサービスなどを使う必要がある。写真や画面のスクリーンショットなどは不可)。

ハワイ州指定のフォームで発行された日本国内の医療機関で受けたPCR検査の陰性証明書
ハワイ州指定のフォームで発行された日本国内の医療機関で受けたPCR検査の陰性証明書

PDFにした陰性証明書をインターネット上でアップロードする
PDFにした陰性証明書をインターネット上でアップロードする

日本出発24時間を切った段階で健康状態をオンラインで申告

 そして、飛行機が出発する予定時刻の24時間前(出発前夜)になると、健康状態申告フォームへの入力が可能となり、自分の健康状態について回答をオンライン上で行う。飛行機のチェックイン手続きまでに登録しておけば問題ない。

健康状態申告フォームは出発時刻の24時間前から回答可能。迷ったのが「ハワイ州規定の10日間自己隔離について同意、署名しましたか?」という項目。署名はしていないので「いいえ」で回答し、問題はなかった。
健康状態申告フォームは出発時刻の24時間前から回答可能。迷ったのが「ハワイ州規定の10日間自己隔離について同意、署名しましたか?」という項目。署名はしていないので「いいえ」で回答し、問題はなかった。

 入力が完了すると、QRコードがメールで送られてくる。スマートフォンでメールが受信できる場合には、空港でのチェックイン時などで求められたときにすぐにQRコードを表示できるようにしておけば問題ないが、不安がある場合はQRコードをプリントアウトしておくとよいだろう。これで空港へ向かう前の手続きは完了となる。

健康状態の確認を終えたのち、QRコードが発行される。飛行機のチェックイン時に必要となる(一部加工しております)
健康状態の確認を終えたのち、QRコードが発行される。飛行機のチェックイン時に必要となる(一部加工しております)

出発当日、便出発2時間半前くらいには空港へ

 ハワイ出発する当日、パスポートや航空券などに加え、陰性証明書の原本とアメリカのCDC(疾病対策予防センター)の誓約書(事前にホームページ上でダウンロード可能)を印刷してサインしたものが羽田空港や成田空港などでチェックインする際に必要となる。

アメリカのCDC(疾病対策予防センター)の誓約書へのサインも必要。ハワイ州観光局や航空会社のホームページからダウンロードできる。
アメリカのCDC(疾病対策予防センター)の誓約書へのサインも必要。ハワイ州観光局や航空会社のホームページからダウンロードできる。

 日本からハワイへ向かう航空会社のほとんどで「プリクリアランス」と呼ばれる事前審査がチェックイン時に行われ、航空会社社員がタブレットを使ってハワイ州の「Safe Travels Program」においてメールで送られてきたQRコードを読み取り、陰性証明書の原本のチェック、誓約書の提出などを確認したのち、「Safe Travels Program」の画面では10日間の隔離が免除されることを示す「Screened:YES」及び「10日間自己隔離中:No」という表示が出れば、ハワイでの隔離免除が確定し、飛行機の搭乗券にシールが貼られる(ANAの場合は青いシール)。

ANAのホノルル線専用の「プリクリアランス」専用カウンター。ここでグランドスタッフが持つタブレットにQRコードを読み込み、陰性証明書の確認や誓約書の提出などの手続きが行われる(6月28日、羽田空港第3ターミナルで撮影)
ANAのホノルル線専用の「プリクリアランス」専用カウンター。ここでグランドスタッフが持つタブレットにQRコードを読み込み、陰性証明書の確認や誓約書の提出などの手続きが行われる(6月28日、羽田空港第3ターミナルで撮影)

プリクリアランスの手続きが終わると、到着後に隔離なしの表示「Screened:Yes」と「10日間自己隔離中:No」に切り替わる(一部加工しております)
プリクリアランスの手続きが終わると、到着後に隔離なしの表示「Screened:Yes」と「10日間自己隔離中:No」に切り替わる(一部加工しております)

 このシールが貼られていれば、ホノルル到着時の隔離有無に関するチェックが不要となる。これらの作業が必要なことでチェックインにいつも以上に時間を要することから、便出発の2時間半前ぐらいには出発空港に到着するように向かうのが良いだろう。

プリクリアランスの手続き後、搭乗券の右に青いシールが貼られる。搭乗券はホノルル到着時にすぐに出せるようにしておく必要がある
プリクリアランスの手続き後、搭乗券の右に青いシールが貼られる。搭乗券はホノルル到着時にすぐに出せるようにしておく必要がある

ハワイへの渡航者は増加傾向。ANA便は100人以上の搭乗者

 羽田空港の国際線が発着する第3ターミナルは、まだまだ人が少ない状況であるが、以前に比べると利用客の姿が少し見られるようになった。ただ、出国審査後の免税店のほとんどが一時休業状態になっている。筆者は6月28日の22時前にホノルルへ向けてANA便で出発した。

 6月以降、ホノルル便の利用者は増加傾向にあり、ANAでは羽田~ホノルル線を週2往復のみ運航しているが、各便100人以上の搭乗者数となっており、多い日には150人以上利用する便もあるそうだ。筆者が搭乗した便でも約120名の搭乗者でハワイへ向けて出発した。ハワイ在住の日本人の移動が主であるが、日本からの旅行者も日を追うごとに増えているそうだ。

羽田空港第3ターミナルの免税店の多くが一時休業となっている(6月28日撮影)
羽田空港第3ターミナルの免税店の多くが一時休業となっている(6月28日撮影)

筆者が搭乗した6月28日のANAホノルル行きは120名近い搭乗者だった
筆者が搭乗した6月28日のANAホノルル行きは120名近い搭乗者だった

ホノルル到着後、飛行機を降りて15分で到着ロビーに出られた

 羽田空港から約7時間のフライトでホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(以下ホノルル空港)に到着した。アメリカ本土からの便は多く到着しているが、国際線の到着便はわずかで、アメリカの入国審査もこれまでにないほど全く行列もなくスムーズに行われていた。

ハワイに到着したANA機。同じタイミングで国際線の到着便はなく、スムーズに手続きが進んだ(6月28日、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港にて撮影)
ハワイに到着したANA機。同じタイミングで国際線の到着便はなく、スムーズに手続きが進んだ(6月28日、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港にて撮影)

ホノルル空港、入国審査へ向かう通路(6月28日撮影)
ホノルル空港、入国審査へ向かう通路(6月28日撮影)

 現在は、顔写真などを自動で撮影する機械(KIOSK)は使わずに、全て対面式での入国審査になっており、従来通りに入国目的や滞在日数、滞在先、更には所持している金額などの質問を受けて入国のスタンプが押された。以前必要だったアメリカの税関申告書の記入も不要となり、入国審査時に税関に関する質問もあった。

 入国審査後に預けていたスーツケースをターンテーブルで引き取って税関へ進むことになるが、現在はホノルル空港の個人用・団体用の到着出口はともに閉鎖されており、個人用の出口の更に先にある専用出口へ向かうことになる。その途中に税関のチェック、更に隔離有無のチェックがあるが、隔離有無のチェックポイント手前で搭乗券を見せ、羽田空港で事前に「プリクリアランス」をしたことを証明するシールを確認できた人はそのまま到着口に出られる流れだった。

 混雑もないことから筆者の場合は、飛行機を降りてからわずか15分で到着口に出ることができた。感想としては、従来よりも混雑もなくスムーズに入国できたという印象で、日本出発前の手間は必要であるが、到着時は驚くほど簡単に入国手続きが終わった。

ホノルル空港の国際線到着エリア。人影は少ない(6月28日撮影)
ホノルル空港の国際線到着エリア。人影は少ない(6月28日撮影)

ホテルチェックイン時にも隔離なしを証明するQRコードの提示が必要

 筆者は、ホノルル空港から宿泊先のシェラトン・ワイキキへ向かったが、ホテルのチェックイン時にも「Safe Travels Program」のQRコードが入った画面の提示が必要となる。隔離有無の情報画面をチェックインの際にホテルスタッフが確認しないと、隔離なしで行動可能できるホテルのキーを渡すことができないそうだ(提示がない場合は10日間の隔離という扱いになるとのこと)。

 このような流れでホテルにチェックイン後は、今までのハワイ旅行同様に自由に行動することができた。帰国の際にはハワイ出発前に日本入国時に必須となるPCR検査の陰性証明書の取得が必要となり、帰国時には唾液による抗原検査で陰性が確認された後、14日間の自主隔離が必要となるが、この14日間の自主隔離を、リタイアされた方やテレワークなどで日常生活への影響が最小限で過ごせるのであれば、今でもハワイへ行くことが可能である。

シェラトン・ワイキキのフロント。1組ごとに消毒してから次のお客様のチェックイン手続きを行っていた。ここでQRコードの提示が求められ、隔離の有無をチェックされる(6月28日撮影)
シェラトン・ワイキキのフロント。1組ごとに消毒してから次のお客様のチェックイン手続きを行っていた。ここでQRコードの提示が求められ、隔離の有無をチェックされる(6月28日撮影)

7月のワイキキのホテルの稼働は9割超えており、ほとんどの部屋に電気が付いていた(写真は正面がシェラトン・ワイキキ、右はロイヤルハワイアン。6月30日撮影)
7月のワイキキのホテルの稼働は9割超えており、ほとんどの部屋に電気が付いていた(写真は正面がシェラトン・ワイキキ、右はロイヤルハワイアン。6月30日撮影)

日本国内でワクチン接種2回を終えた人のハワイ渡航の動きも

 特に7月に入り、65歳以上の高齢者が日本国内で2回目のワクチン接種を終えて2週間経過した人が増えたことで、今まで毎年のようにハワイを訪れていた人(特にコンドミニアムやタイムシェアなどの物件を持っている人)などのハワイ渡航も少しずつ増えているほか、ワイキキビーチのホテルに宿泊する日本人も若干ではあるが回復傾向にある。

まだワイキキビーチには日本人が少ないが、今後、日本国内でのワクチン接種が進むことで、少しずつ回復傾向に進む可能性が高い(6月30日撮影)
まだワイキキビーチには日本人が少ないが、今後、日本国内でのワクチン接種が進むことで、少しずつ回復傾向に進む可能性が高い(6月30日撮影)

ANAはお盆期間、520人が乗れるウミガメ塗装のエアバスA380「FLYING HONU」を1年5ヶ月ぶりに投入

 緩やかではあるが回復傾向になりつつある状況のなか、ANA(全日本空輸)は現在、羽田~ホノルル線を週2往復で運航しているが、1年5ヶ月ぶりに1機で520人の乗客を運ぶことができる総2階建て飛行機エアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」を8月9日(月)・13日(金)の2日間限定で成田~ホノルル線に再投入(ホノルル発は10日・14日)することを発表した。ANAによると、記事執筆時点ではまだ残席はあるとのことだ。エコノミークラスやプレミアムエコノミーはマイルを使った特典航空券での予約もできる。

2019年5月のホノルル空港。ANAのエアバスA380型機「FLYING HONU」は昨年3月以来、1年5ヶ月ぶりに8月9日にホノルルに飛ぶことが決まった。
2019年5月のホノルル空港。ANAのエアバスA380型機「FLYING HONU」は昨年3月以来、1年5ヶ月ぶりに8月9日にホノルルに飛ぶことが決まった。

 また、JAL(日本航空)が設立したLCCであるZIPAIRも7月21日(水)から成田~ホノルル線を週1往復で再開する。現在、毎日運航している航空会社はないが、JAL、ハワイアン航空も一部の曜日で運航しているなど、ハワイへの提供座席数は増加傾向にある。

JALが設立したLCCの「ZIPAIR」も約半年ぶりに7月21日から週1往復で成田~ホノルル線を運航再開する(2020年12月19日、成田~ホノルル線就航時に撮影)
JALが設立したLCCの「ZIPAIR」も約半年ぶりに7月21日から週1往復で成田~ホノルル線を運航再開する(2020年12月19日、成田~ホノルル線就航時に撮影)

課題は帰国後14日間の自主隔離。それでも緊急事態宣言発令の東京を離れてハワイで過ごす選択肢もある

 東京都では7月12日より緊急事態宣言が発令され、今回は8月22日までと40日を超える期間となる。ワクチンの2回接種を終えた人で、このタイミングでハワイに長期滞在することを検討する人も出そうな動きもある。現在、日本人のハワイでの平均滞在日数は、帰国後の14日間の自主待機があることから、2週間と長くなっているが、2週間~1ヶ月程度ハワイでゆっくり過ごし、帰国して2週間は自宅で過ごす(テレワークに専念するなど)というスタイルでハワイ旅行をする人が、少なからず出てくることになりそうだ。

独立記念日直前の7月3日は更にワイキキビーチに多くの海水浴をする人で賑わっていた
独立記念日直前の7月3日は更にワイキキビーチに多くの海水浴をする人で賑わっていた

 本格的なハワイ旅行の復活は日本帰国後14日間の自主待機が緩和されてからになるが、自主待機の問題がクリアできる環境であれば、今年の夏にハワイへ行くことは可能であることが実際にハワイへ渡航してみてわかった。