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紅白で盛り上がったアーティストは誰だったか.またはGReeeeNのeの数は何個か問題について

鳥海不二夫東京大学大学院工学系研究科教授
(提供:Kinusara/イメージマート)

年末の恒例といえば紅白歌合戦ですよね.

毎年様々なアーティストが出場して盛り上がりますが,今年はどのアーティストが一番盛り上がったのでしょうか?

アーティスト別ツイート数

というわけで,ツイッター上で盛り上がったアーティストを調べてみました.紅白放送時間+前後を入れた12月31日19時~24時までの各アーティスト名がツイートされた回数を集計してみました.ちなみに,アーティスト名は紅白公式サイトにある正式名と,よく使われそうな愛称(「乃木坂46」なら,「乃木坂」)も含めて集計しています.また,リツイートは除いて集計しています.

その結果がこちら.

アーティスト別ツイート数(著者作成)
アーティスト別ツイート数(著者作成)

嵐が圧倒的で,2位がGReeeeNでした.とはいえ嵐はネットでコンサートをやっていたというのもあるため,紅白でのツイートとは限らない点に注意が必要です.

一分単位のツイート数

つぎに,一分単位で時間別のツイート数を見てみましょう.

アーティスト別分間ツイート数
アーティスト別分間ツイート数

これを見ると,やはり各アーティストが登場した時間にピークがでてきました.

特にピークが高いのはGReeeeNと嵐のようです.そして,嵐は紅白に出た瞬間にピークがあるとはいえ,それ以外にもずっとツイートが続いていたことが分かります.

ピークのツイート量の比較

というわけで,次にピーク値から各アーティストの話題性の大きさを見てみましょう.一分間の瞬間ツイートを見てみましょう.

アーティスト別分間ピーク数(著者作成)
アーティスト別分間ピーク数(著者作成)

この結果,瞬間ツイート数が最も多かったのは嵐でしたが,第2位にGreeeeNが入りました.「初めての顔出し!?」からの「CGかよ!」という流れで話題性はばっちりだったようです.

そのあとは,YOASOBI,LiSA,三山ひろしと続きました.

ん?三山ひろし?

実は,三山ひろしさんの場合はけん玉世界記録の件があったため,「三山ひろし,けん玉,けんだま,ギネス」で集計しています.やはりけん玉世界記録の効果は絶大ですね.三山さん,けん玉世界記録達成+瞬間ツイート数第5位獲得おめでとうございます

紅白でのツイート数伸び率

しかし,ツイート数やピークを見ると基本的には人気のあるアーティストが上位に来てしまいます.そこで,紅白ならではのピークを見るために,12月26日から12月31日19時までのツイート数からの増加率を見てみましょう.これで,普段からツイートが多い人気アーティストの影響を消してみます.ただし,名寄せ問題でGReeNを含んでいたGReeeeNについては,英語の「green」が事前にかなり入っていたため,「GReeN」を除いた数で算出しています.

その結果がこちら.

ツイート数の紅白放送時の伸び率(著者作成)
ツイート数の紅白放送時の伸び率(著者作成)

これを見ると,GReeeeNが7.8倍増加ということで,かなり紅白での伸び率が高かったといえます.

第2位は水森かおりさんが事前の7.7倍のツイート数でした.さらに,東京事変が7.6倍,氷川きよしさんが7.4倍となりました.GReeeeNを除くと,ファン層がツイッターユーザ層と被らなそうなアーティストが上位に来たようです.その意味では,普段は接することのないアーティストを見る機会があるというのは紅白の良いところといえるかもしれません.

しかし,水森かおりさんが2位になったのはやはりあの衣装のインパクトでしょうね.そうみると,衣装や演出のインパクトの強かったアーティストが上位に来ているようです.

GReeeeNのeの数問題

ところで,名寄せ問題で一番困るのが,GReeeeNなわけです.eの数がいくつが正解なのか知っている人ってファン以外では結構少ないんじゃないでしょうか.結構皆適当に書いている気がします.

そこで,皆GReeeeNをどう書いているのか調べてみました.その結果がこちら.

GReeeeNのeの数問題(著者作成)
GReeeeNのeの数問題(著者作成)

正しいGReeeeNがちゃんと第1位に入りました.とはいえ,eの数を正しく把握していない人も少なくなかったようです.やはりGReeeeNのeの数は鬼門.今回は頑張っていろんなパターンの/GRe+N/を集めましたが,こういう名寄せ問題が発生するデータを集めるのは結構大変なんです.ぜひこの機会にeの数が4であると覚えて,正しくGReeeeNって書いていただけると幸いです.ちなみにこの記事を書くためにGReeeeNの名寄せ問題で4回くらい分析しなおしています.

ところで,greenを除く正しいGReNからGReeeeeeeeeeeeeeeeeeeN,およびグリーンからグリーーーンまでの中で,GReeeeNと書いた人の割合を紅白放送前と紅白放送中,紅白放送後で比較してみたところ,以下のようになりました.

GReeeeNと正しく書いた割合(著者作成)
GReeeeNと正しく書いた割合(著者作成)

放送前はGReeeeNと書いた人は半分以下だったのに対して,放送中は90%以上,放送後は68%がGReeeeNと書くようになったので,さすが紅白,GReeeeNのeの数を伝えるのにも効果的だったようです.

ちなみに,とりあえずeがたくさんあるくらいのうろ覚えで書いているひとは多いようですが,一番たくさん書いた人はeが14個でした.いや,さすがにそれは書きすぎだろ.

2020/01/02 16:32追記

なぜかYOASOBIがデータに入っていなかったので,追加しました.

東京大学大学院工学系研究科教授

2004年東京工業大学大学院理工学研究科機械制御システム工学専攻博士課程修了(博士(工学)),2012年より東京大学大学院工学系研究科准教授,2021年より現職.計算社会科学,人工知能技術の社会応用などの研究に従事.計算社会科学会副会長,情報法制研究所理事,人工知能学会編集委員長.人工知能学会,電子情報通信学会,情報処理学会,日本社会情報学会,AAAI各会員.「科学技術への顕著な貢献2018(ナイスステップな研究者)」

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