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【ジャズ生】シニフィアン・シニフィエがすり抜けていった先にはなにが見えるのだろうか?

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、現代音楽のなかから“現代”をあぶり出す異能派集団“シニフィアン・シニフィエ”。

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そういえば、シニフィアン・シニフィエを聴いていて、なぜ現代音楽とフリー・ジャズは異なる文節で語られるのだろうと思ったことがあった。

シニフィアン・シニフィエはフリーすぎる現代音楽なのだけれど、フリー・ジャズからも現代音楽からも距離をおいている。

それは、2つのカテゴリーのカウンター・アプローチを撚ってひと筋の軌跡を描くことを意味している。

カウンターを究めようとすることは、すなわち正攻法を超えた先にあるものを見ようとすることーー。

ジャズから離れられなかったフリー・ジャズとクラシックから離れられなかった現代音楽のあいだをスルリと抜けて、そんな見たこともない世界へ誘ってくれるのが、シニフィアン・シニフィエ。

では、行ってきます!

●公演概要

12月20日(日) 開場13:30/開演14:00

会場:公園通りクラシックス(東京・渋谷)

出演:shezoo(ピアノ)、壷井彰久(ヴァイオリン)、土井徳浩(クラリネット)、加藤里志(サックス)、大石俊太郎(サックス、フルート)、水谷浩章(ベース)、ユカポン(パーカッション)

♪Musica Ricercata7/Ligeti シニフィアン・シニフィエ〜現代音楽をカバーするバンド〜

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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