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台風7号 東海3県に直撃すると思って備えて

冨永幸気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
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お盆休みに大きく影響しそうな台風7号。東海3県に直撃すると思って備えてください。

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12土曜日午前9時現在、台風7号は非常に強い勢力で、父島の北約170kmの海上にあり、ゆっくりと北西に進んでいます。

この先も海面水温の高い領域を進むため、ある程度勢力を維持して15日火曜日に紀伊半島周辺に上陸する見込みです。

16日水曜日には日本海側へ抜けますが、比較的遅いスピードで抜けていくため、台風の進路次第で東海3県はほぼ一日暴風域に入っている可能性があります。

進路はここ数日で西よりになってきました。その要因はいくつかありますが、うちの一つは「台風が発達したことで台風付近の上昇気流が強まる→その周辺で下降気流が強まる→太平洋高気圧が西への張り出しを強める→台風はより西へ流される」があると考えます。

この予報円をみると、台風は東海3県にほぼ直撃か、少し西よりのコースとなります。少しでも遠い西よりコースだったとしても、東海3県は台風の進行方向右側にあたり、台風の自身の風に移動する成分が足される「危険半円」にあたるため油断は全くできません。もう上陸が3日後に迫っていますので、台風が直撃すると思って備えた方がよいでしょう。

今回、東海3県は雨・風・波・高潮すべてに警戒が必要です。

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名古屋地方気象台、午前6時ごろ発表の量的予報は以下の通りです。(一部抜粋)

・雨

14日午前6時~15日午前6時(多い所)

愛知県 50~100mm

岐阜県 50~100mm

三重県 200~300mm

・風

14日の予想最大風速(最大瞬間風速)

愛知県海上 15~19m(20~30m)

三重県陸上 10~14m(20~25m)

三重県海上 20~24m(25~35m)

・波

12日の予想波高

愛知外海・三重外海 4mうねりを伴う

愛知内海・三重伊勢志摩内海 2mうねりを伴う

三重内海 1.5mうねりを伴う

13日の予想波高

愛知外海・三重外海 6mうねりを伴う

愛知内海・三重伊勢志摩内海 3mうねりを伴う

三重内海 2.5mうねりを伴う

14日の予想波高

愛知外海・三重外海 6~8mうねりを伴う

愛知内海・三重伊勢志摩内海 4~5mうねりを伴う

三重内海 2.5~3mうねりを伴う

※大潮の時期にあたるため高潮警報が発表される可能性もあります。

これらの中でも暴風は広い範囲で生活に大きな影響を与えます。

・新幹線や鉄道の運休や遅延

・高速道路の通行止めや速度規制

・飛行機やフェリーの欠航など

屋外は危険な状況になります。

・屋根瓦などが飛ぶ

・走行中のトラックが横転する

・細い木の幹が折れる

・道路標識が傾く

空中を舞うものでけがをしたり、電線が切れて停電したりする恐れもあります。

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最悪を想定して備えておきましょう。

・飛ばされやすいものは家の中へ

・停電の備え(懐中電灯は使用できるか、調理しなくてよい食事が数日分あるか、ガソリンは満タンにしておく、モバイルバッテリーは充電しておくなど)

・エアコンが使えない想定の暑さ対策(クーラーBOXや保冷剤、冷却グッズ、停電すると断水する可能性があるマンションなどは飲み物の確保など)

・窓ガラスが割れても飛び散らないようにするため、養生テープを用意する

・屋根瓦が飛ぶと雨漏りする可能性があるのでブルーシートを用意する

あとは家の中で楽しめるボードゲームなどがあってもいいかもしれません。最新情報はこまめにチェックし、最悪の事態に備えておきましょう。

気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

奈良県出身。学生時代に最先端の科学授業を受講したことで、地球温暖化などの環境問題を入口に気象に興味を持つようになる。一度就職したものの「やはり気象の仕事がしたい」と思うようになり、2016年3月に気象予報士を取得。2017年からは宮城県、2019年からは愛知県で気象キャスターを務める。現在は名古屋テレビ放送の「ドデスカ+」と「ドデスカ!」で東海3県の天気予報を伝えている。テレビでは伝えきれない天気や季節の話を発信していきます。

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