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【寒波】この冬一番強い寒気!名古屋でも積雪か

冨永幸気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
ウェザーマップ

今週はこの冬一番の強い寒気が流れ込み、東海3県も大きな影響を受けそうだ。

上空1500m付近でマイナス9度以下というと、平地でも大雪の目安となる強い寒気。23日~25日にかけて東海3県の太平洋側まで流れ込み、平地でも降れば雪。広く積もる恐れもある。

どこでどのくらいの大雪になるかは、近年たびたび天気予報で解説するJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が今回も「カギ」になる。

冨永 作画
冨永 作画

中国大陸からの強い寒気は、相対的に暖かい日本海で水蒸気を得て雨雲・雪雲となる。寒気は冷たく重いため、北朝鮮にある白頭山という標高3000m弱の山を超えられない。左右に分かれ、山を回り込んでから日本海上で合流する。この時、風が収束するため雪雲は発達する。

発達した雪雲は風下(日本側)に向かって帯状に延びる。これがJPCZである。この行きつく先がたいてい大雪になる。始点は同じでも少しの風向きで終点は新潟県だったり、鳥取県だったり動くのが常だが、時々同じ地域に流れ込み続けることがある。災害が発生するような大雪のパターンである。

今回は長時間石川県~福井県周辺を指向する予想だ。被災地に大雪が予想され心配は増すばかりだが、さらに風下側になる東海3県もしっかり注意・警戒しておく必要がある。

ちょうど一年ほど前、新名神で車両が立ち往生する災害が起きている。去年は名阪国道が早めに通行止めになり、新名神の交通量が増えたことなども影響したといわれている。今回も23日夜以降、高速に通行止めを含む規制がかかる恐れがあり、立ち往生が懸念される。さらに山沿いの大雪以外にも25日の朝は街中で広く凍結する恐れがあり、通勤途中のスリップ事故なども心配だ。

雪の予想は以下の通り。

23日

風向きが西よりのため雪は岐阜県山間部がほとんど。

夜には雪の降り方が強まる所が出てきて、一気に積雪が増えだしそう。

24日

風向きが北西に変わり平野部にも雪雲が流れ込む。

22日時点の予想では岐阜山間部に加え、夕方までは主に岐阜県美濃地方と愛知県三河山間部、夕方以降は名古屋を含めた尾張平野と知多半島、渥美半島・三重県北中部周辺にも流れ込む見込み。

帰りの時間に雪が積もってくる可能性があるため、24日のノーマルタイヤでの通勤は避けた方がよさそうだ。

25日

岐阜県山間部は西側を中心に雪だが、降り方は次第に落ち着く。

平野部の雪は三重北中部から知多半島、渥美半島が中心で、朝は広く雪景色になるかも。

積もっていなくても24日に一時的でも雪が降った場所は路面がぬれていてブラックアイスバーンになる恐れがある。雪が降っていなくても油断できない。

気象台発表の予想される降る雪の量は以下の通り。

24時間予想降雪量 ※いずれも多い所で

23日18時~24日18時

岐阜県 山地 飛騨 60~80センチ

       美濃 50~70センチ

    平地 飛騨・美濃 20~40センチ

愛知県 山地 5~10センチ

    平地 1~5センチ

三重県 北中部 10~20センチ

    南部 1~5センチ

24日18時~25日18時

岐阜県 山地 飛騨 40~60センチ

       美濃 30~50センチ

    平地 飛騨・美濃 10~20センチ

愛知県 山地・平地 1~5センチ

三重県 北中部 5~10センチ

23日~25日に近畿方面へ行く場合は、高速が通行できない可能性もある。万が一を想定しておこう。車両にはチェーン、スコップ、毛布、カイロ、携帯トイレ、食料、水くらいは用意しておいた方が安心だ。

とにかく、無理しないようにすることと、かなり寒いのでしっかり防寒することが大切だ。

気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

奈良県出身。学生時代に最先端の科学授業を受講したことで、地球温暖化などの環境問題を入口に気象に興味を持つようになる。一度就職したものの「やはり気象の仕事がしたい」と思うようになり、2016年3月に気象予報士を取得。2017年からは宮城県、2019年からは愛知県で気象キャスターを務める。現在は名古屋テレビ放送の「ドデスカ+」と「ドデスカ!」で東海3県の天気予報を伝えている。テレビでは伝えきれない天気や季節の話を発信していきます。

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