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あすから3月 春は「乾燥・強風・寒暖差・花粉・黄砂」の“5K”に注意

冨永幸気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
筆者作成

あすから春

 気象庁は3月~5月を春と定めていますが、現実として急に何かが変わるわけではありません。2月はすでに春のような陽気になった日もありました。少しずつ移ろっていくものですよね。

 それでも寒い冬からようやく春を迎えるわけですし、日差しの暖かい、穏やかな天気が続くと思いたいところ。でも、そうはいきません。春ならではの注意事項が待ち構えています。

“春は5Kに注意”

 春の注意事項をまとめて“春の5K”といいます。「乾燥・強風・寒暖差・花粉・黄砂」のことで、すべての頭文字がKであり春の注意事項です。

 先日、関東地方で山火事が発生しましたが、冬に続き春も空気は乾燥します。東海3県の主な観測地点(名古屋・岐阜・高山・津・尾鷲)で、これまでで最も低い相対湿度を観測しているのはすべて「春」です。引き続き火の始末などには十分な注意が必要です。

 さて、「三寒四温」という言葉があるように、冬から春は“寒・暖”を繰り返します。これは冬のまだ冷たい空気が残っている日本付近に、時々南から春本番の暖かい空気が北上するためです。この二つの空気が混ざり合うときには低気圧が発生しやすく、その温度差が大きければ大きいほど発達しやすくなります。発達した低気圧が日本付近を通過するときには「春の嵐」となり、全国的に強風が吹き荒れます。

 その低気圧が接近する前は暖かい空気に、通過したあとは冷たい空気に入れ替わるため、寒暖差も激しくなるということです。

今週も気温の変化に注意

 3月2日火曜日は低気圧が発達しながら日本海を通過します。

 この日の東海3県は全般に天気が崩れ、風が強まり、寒冷前線が通過したあとは寒さが戻ります。名古屋では2日、昼前から夕方にかけての気温変化がとても激しくなりそうです。ご注意ください。

 この先も度々このような変化が予想され、春は体調の崩しやすい季節と言えます。天気予報を見るときは、気温の変化や風にも注目して体調管理に役立ててください。

 また、すでに本格シーズンとなっている花粉や、春と秋に飛来することが多い黄砂にも注意が必要です。

 寒さが緩んで花がほころんでも、体調管理にはまだまだ気が抜けませんね。

気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

奈良県出身。学生時代に最先端の科学授業を受講したことで、地球温暖化などの環境問題を入口に気象に興味を持つようになる。一度就職したものの「やはり気象の仕事がしたい」と思うようになり、2016年3月に気象予報士を取得。2017年からは宮城県、2019年からは愛知県で気象キャスターを務める。現在は名古屋テレビ放送の「ドデスカ+」と「ドデスカ!」で東海3県の天気予報を伝えている。テレビでは伝えきれない天気や季節の話を発信していきます。

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