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今月のテック8月:山火事対策に「ギガ不足」で炎上したVerizonと、5G、ネット中立性について

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
史上最大規模となったメンドチーノの山火事と、携帯通信(写真:ロイター/アフロ)

日本では、菅官房長官から「ケータイ料金が4割下げる余地がある」との政治的な圧力がかかり、議論を呼んでいます。

電波という有限な資源で大きな利益を上げている携帯電話会社に対しての消費者の風当たりは強いものの、より一層のデフレ圧力につながる経済への弊害の指摘や、そもそも株式公開をしている企業のビジネスに対して株主を無視して政治家が介入をすることも不適切と言えます。

なにより、既に低価格で通信サービスを展開しているMVNO、いわゆる格安SIMのビジネスを阻害することになります。

ちなみに、私は2011年から2013年まで、米国最大手のVerizonを使ってきました。家族2人で月額140ドルもの料金にも関わらず、たった2GBの通信量しか利用できませんでした。

そこでiPhone 6登場を機に、2014年にVerizonからT-Mobileに乗り換えました。ちょうどクリスマスシーズンのセールだったこともあり、家族2人で100ドルで、通話、SMS、4G LTE通信が無制限(Unlimited)と、大幅に条件が良くなりました。

現在では他社も同程度の価格でのUnlimitedプランを提供しています。しかしVerizonは、3つの「go」「beyond」「above」というUnlimitedプランを用意しました。

既に分かりにくいのですが、goプランではビデオはDVD画質止まりで頻繁に速度低下が起きます。beyondプランは毎月22GBまでは速度低下せずに利用でき、720pのHD画質でのビデオが楽しめ、aboveプランは毎月75GBまで高速通信が楽しめますが、ビデオ画質は720p止まり。

そもそも、こうしたプランの提供ができた背景には、インターネットサービスに関する大きな方針変更がありました。

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ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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