Google HomeとGatebox - スマートホームで目指すべきは、機能か、存在か?

キャラクターを部屋に浮かび上がらせるデバイス(画像はプレスリリースより)

先日出張してきたニューヨークで、SOHOにあるGoogleポップアップストアを訪れた際、Google Homeのデモスペースを見ることができました。

キッチンを模したスペースにちょこんと置かれた太め、背が低めのデバイス。これが、家の中に人工知能を機能として追加するきっかけを作ってくれそうです。

・Google Home

これに話しかけると、わりと何でも的確に答えてくれます。キッチンということで、オンスとグラムの換算や、ティースプーンという単位の重量などを質問すれば答えてくれます。濡れた手でデバイスを操作しなくても「ジャズを聴きたい」と言えば仰せのままに。

料理をしていて、失敗しちゃってレストランを予約するだとか、下ごしらえしているときに駅まで迎えに行く時間を計るために渋滞状況を聞くだとか、わりといくらでもシチュエーションがあります。

Google Homeは家に人工知能の機能を追加するデバイス。
Google Homeは家に人工知能の機能を追加するデバイス。

Google Homeで感心したのは、音が大きくてクリアなこと。

確かにステレオスピーカーが配置できなくても、音楽が欲しい場所はいくらでもあるわけで、音楽ストリーミングサービスとの連携があれば、Googleアシスタントが使われなくても存在価値が保てるというものです。

GoogleのポップアップストアはPixelスマートフォンが中心となっていて、Google Homeとは「Googleアシスタント」という共有する体験があります。

スマホで文字ベースのアシスタント利用を通じて勘所がつかめたら、声で利用するフェイズにも行きやすいんじゃないか、とも思いました。

Gatebox:アシスタントは「嫁」であるべき

私は長野県にあるプログラミング必修の通信制高校「コードアカデミー高等学校」の副校長をしています。

コミュニケーションや授業はGoogle ClassroomやGoogle+の上で展開されておりますが、ホームルームのコミュニティで、生徒が、自分が開発に携わっている「Gatebox」を紹介していました。

・Gatebox

チューブ型のデバイスの中に、キャラクターがそこに居るような感覚で表示される仕組みで、キャラクターとのコミュニケーションを行うことができる「存在」としてのアシスタントです。

米国でも話題になっており、アシスタントと言うよりは、「嫁」(Wife)という言葉もちらほら見られている点で、日本の文脈と同じような受け入れられ方をしていることが分かります。

コンセプトムービーでは、出がけに天気予報を表示したり、外出先でチャットとして登場したり、家に帰ってくるタイミングで照明や空調をONにしたりと、やっていることはAmazon EchoやGoogle Home、Siriを介したスマートホームのコントロールと同じです。

赤外線コントロールがある分、Gateboxの方が汎用性が高そうですが。

GateboxとGoogle Homeを並べてみると、Gateboxは298,000円で予約を受け付けており2017年12月発送、Google Homeは129ドルで既に購入できます。

Gateboxが、テクノロジーとして一歩踏み込んでいると感じる理由

Google Homeが今手に入れられる未来、ということになるのですが、Gateboxは機能ではなく「存在」であり、これは居住する環境を構成する上で、重要なテクノロジーの可能性を感じることができるのではないか、と思いました。

別にキャラクターと住みたいとか、そういうわけではないのですが、家って機能を足していくよりは、できるだけ変化させない、あるいはマイナスしていく方向じゃないか、と思っています(都市の家の場合は、ですが)。

一方で、そこに息づく存在は増やしていく方向に転じると思っています。核家族や独身世帯が増えていく中で、特に日本は、今限りなく家の中の存在が低下し聞いている状態じゃないか、と思うのです。

増えていくとき、もちろんパートナーやこどもを授かるという存在の増加もあるかもしれませんが、テクノロジーが存在化して家に棲み着くという局面もあっても良いのではないか、と感じました。

もちろん、家や家族に関して意外なほどコンサバティブな米国においては、日本のマンガやアニメのカルチャーに触れている人たち以外に、家に住む存在としてのアシスタント(嫁)という文脈をすんなり受け入れられるとも考えにくいのですが。

1980年東京生まれ。現在、米国カリフォルニア州バークレー在住。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。テクノロジーを活用した新しい学びを研究・ビジネス化するキャスタリア株式会社取締役。

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