BerkeleyでGoogleの自動運転の自動車を発見

黄色信号でピタリと止まるGoogleの自動運転自動車。

駅から自宅まで帰宅している途中で、高速に回転する妙な物体が取り付けてあるレクサスを発見しました。車体をみると、Googleの文字。そう、Googleが開発中の自動運転自動車が黄色信号でぴたっと止まったのです。そして信号待ちを当たり前のようにやり過ごし、青信号になったら一呼吸置いて発進。

その間、運転席と助手席には2人の男性が乗っていましたが、ハンドルに手を置いている様子には見えませんでした。あまりにも自然に道路の車線をきっちりとキープしながら、適度な速度で走行していくレクサスRXは、外から見る限り、何の違和感もありません。違和感がなさ過ぎることに、驚かされるくらいでした。

2012年9月24日にGoogle本社で、カリフォルニア州知事のエドモンド・ブラウン氏が、2013年1月1日から発行する自動運転自動車の公道走行許可法案に署名をしました。この法案では、運転免許を所持している人が、一定の基準をクリアした自動運転車両を行動で運転してよいというもの。「運転してよい」という文言は適当じゃなかったかも知れませんね。

Googleは5年以内に一般の人でも利用可能にするとしていますが、Googleが自動車そのものを作る計画はないと、Google共同創業者のセルゲイ・ブリン氏は語ります。テスト車両の初号車はトヨタ・プリウス、僕がみたのは二代目のレクサスRXと、いずれもトヨタ車両を利用していますが、広く自動車メーカーと交渉をするとのことです。

またこの自動運転車両の走行を許可するカリフォルニア州は、自動運転技術開発と実用化で中心的な役割になろうという目論見があり、Googleのプラットホーム提供と、技術供与などの新しい産業振興を狙うことになるでしょう。

ドコモが描いていた自動運転、実現させたのはネット企業

日本のモバイル企業でトップを走るNTTドコモは、未来予想のビデオを作成しています。全ての技術をドコモの研究所が開発しているわけではないそうですが、モバイルライフがどのような未来を描くのか、という1つのベンチマークになるので、筆者は毎回楽しみにみています。上に紹介した動画は、2002年に制作された映像で、4分以降のシーンで自動運転が行われているシーンが出てきます。

もちろんドコモが自動車を作るつもりはなかったと思いますし、それはGoogleも同様ですが、プロトタイプを早期に実現させ、それを行動で走行させる許可まで取り付けてしまうスピード感は、ドコモも描ききれなかったのではないでしょうか。

Googleのプリン氏は、視覚障害者などこれまで自動車の恩恵を得られなかった人たちの生活を改善できると同時に、交通事故の防止や交通渋滞の緩和にも効果があると指摘しています。

いざ、運転しようと思うと…。

自動運転といっても、ドコモの映像でみられたように、運転中に完全に別のことをする、気にはなれなさそうです。というのも、運転したことがある人なら分かると思いますが、いくら自動運転で安全だといわれても、やはりいざというときにブレーキをかけられるよう、「待機」しておかなければまだ怖い、と思ってしまうからです。

人間より計算能力が早かったり、センサーなどは優秀かも知れないコンピュータ。しかし万が一事故が起きたときコンピュータに責任を取らせるというわけにはいかないのも事実でしょう。人が対処していたら避けられる可能性があるならそうすべきですし、回避行動を取らなかったことに対して責任が問われることもあるかも知れません。技術面以上に、どのように人が責任を持ち、扱うべきかの議論は避けては通れないでしょう。

しかしそれでも、軽やかなエンジン音で発進していく自動運転のレクサスRXを家の近所の行動で目の当たりにすると、映像の中のイメージ以上に、目の前で動いている事実の強さを感じずにはいられませんでした。

そして、スマートフォンの地図問題を思い起こします。技術は全く別とはいえ、Googleは自動運転にも耐えうるクオリティで地図を仕上げて消えている点は特筆すべきだと感じました。周りの交通や道路状況への対処と、目的地へ向けてのナビゲーションを高度に融合させた結果が目の前のレクサスだとすれば、Appleの地図で自動運転をしようものなら…。

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。テクノロジーを活用した新しい学びを研究・ビジネス化するキャスタリア株式会社取締役。

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米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

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