Yahoo!ニュース

ドーミーインは何が凄いのか? “印象に残った”朝食メニューベスト3

瀧澤信秋ホテル評論家
(筆者撮影)

ビジホ天然温泉大浴場への飽くなき探求

改めて説明の必要はないかもしれませんが、ビジネスホテルチェーンのドーミーインといえば天然温泉大浴場への飽くなき探求で知られます。ドーミーインの運営会社は「株式会社共立メンテナンス」(東京都千代田区)。1979年の設立以来、学生寮や社員寮、ビジネスホテルなどさまざまな事業を展開しています。

ビジネスホテル事業は1993年にスタート、いまでは全国各地でドーミーインを運営しています。学生寮や社員寮の運営もしている企業と書きましたが、当初、社員寮の入居者から「出張先でも寮みたいなホテルがあったら」という要望があったことから、当時としては珍しかった大浴場付きのビジネスホテルを展開していくようになりました。

各店舗均一感あるクオリティの大浴場(筆者撮影)
各店舗均一感あるクオリティの大浴場(筆者撮影)

共立メンテナンスは、ドーミーインに限らずリゾートホテルや旅館の運営(共立リゾート)でも知られてまいすが、共立リゾートもドーミーインも公式サイトのURLは【http://www.hotespa/○○○】となっており、まさにspaというコンセプトをあらわしているといえます。最近ではサウナブームでホテルのサウナも注目されていますが、ドーミーインでは従前よりサウナや水風呂の重要性を認識し設備を充実させてきました。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

全国チェーンブランドとしてここまで一貫した天然温泉大浴場やサウナ施設を揃えているのは他に類を見ません。聞くところによると、開発部門と事業部門で綿密な打ち合わせがなされ、たとえば施設によってビジネス客と観光客の割合などを鑑み、レイアウトプランなどが作成されたり、都市部にあっては非日常空間を演出することも重視されるともいいます。

チェーンが拡大していくとクオリティの担保は課題になっていきますが、全国チェーンにして統一感も堅持されているのはドーミーインの凄いところといえます。また、シャワーの水圧やサウナや水風呂の温度なども徹底管理しているそうで、天然温泉大浴場のさらなる進化は今後のドーミーインにとってテーマといえるでしょう。ドーミーインで全国同一といえば“夜鳴きそば”も有名です。宿泊者へ無料で提供される夜食ラーメンです。

1人で5杯お代わり?グループで18杯!?…人気ビジネスホテル“ドーミーイン”【夜鳴きそば】のリアル Yahoo!ニュース(個人)

朝食に感じるご当地愛

大浴場や夜鳴きそばをはじめとしてドーミーインの人気サービスは多く、スペース的に全て紹介しきれないのですが、中でも朝食はゲストからの評価が高いです。味めぐり小鉢横丁と銘打ち、一口分ずつ取り分けた見た目にも楽しい小鉢は、温かいものは温かく冷たいものは冷たく提供されており、海鮮なども含めて何種類でもいくつでもビックアップできます。トレーの隙間スペースへ気軽に載せられるサイズも秀逸です。

このような全国で統一された提供スタイルもある中で、ご当地メニューもドーミーイン朝食の魅力でしょう。競合極まるビジネスホテルの差別化という点で朝食の進化は際だってきましたが、地産食材やご当地メニューなど地域色が豊かになってきたこともホテル業界全体の特長として指摘できます。

ドーミーインでも同様で各地のドーミーインで特色あるメニューを提供しています。そこで今回は、最近出向いたドーミーインで印象に残ったメニューベスト3を筆者の独断で紹介したいと思います。

3位 天然温泉 幸鐘の湯 ドーミーイン東室蘭(北海道室蘭市)

【室蘭B級グルメ「豚焼き鳥」】

(筆者撮影)
(筆者撮影)

ご当地名物“室蘭やきとり”の実演調理が楽しいドーミーイン東室蘭の朝食。豚肉と玉ねぎを用いたやきとりで、たっぷりのたれがつけられて提供されます。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

また、練り辛子や温泉玉子をつけて食べるというのが室蘭流とのことできちんと用意されていました。期間限定で釜揚げしらすと桜エビ丼もありこちらも秀逸です。

2位 天然温泉 紺碧の湯 ドーミーイン高知(高知県高知市)

【かつお飯と薬味たっぷり「かつおのたたき」】

(筆者撮影)
(筆者撮影)

高知といえば鰹は全国区の人気ですが、まさか朝食ブッフェで出合えるとは感激です。定番メニューである“藁焼き鰹たたき”もドーミーイン高知でたっぷり楽しめます。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

とにかくズラッと並んだ鰹の光景は圧巻。馬路村ゆずポン酢の香りを感じつつサッパリそして味わい深く堪能できます。かつお飯と共に鰹尽くしの朝食には大満足間違いないでしょう。

1位 天然温泉 さんさの湯 ドーミーイン盛岡(岩手県盛岡市)

【コシの強さがクセになる「盛岡冷麺」】

(筆者撮影)
(筆者撮影)

岩手に出向いて体験したいグルメとして“わんこそば”は有名ですが、同じ麺類としては“冷麺”も外せません(じゃじゃ麺も)。そして、ドーミーイン盛岡では実演メニューとして冷麺を提供しています。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

つるりと食べられるコシのある麺は感動的。キムチやきゅうりなど付け合わせも用意されているのも嬉しい気遣いです。

-番外編-

天然温泉 甲斐路の湯 ドーミーイン甲府(山梨県甲府市)

【豚汁】

(筆者撮影)
(筆者撮影)

ドーミーインで時々見かける汁物が豚汁。野菜もたっぷりとれる嬉しい一品です。各地のドーミーインで豚汁体験しましたが、ドーミーイン甲府の豚汁は熱々度がズバ抜けて凄い!

(筆者撮影)
(筆者撮影)

聞いてみると温度管理を徹底しているそう。山梨の郷土料理“ほうとう”も秀逸。汁物はやっぱり熱いのが嬉しいですね。熱量高き!?ホテルサービスです。

天然温泉 花風の湯 御宿 野乃 なんば(大阪市中央区)

【中津からあげ&とり天】

(筆者撮影)
(筆者撮影)

最近赤丸急上昇のブランドが“御宿 野乃”。旅館をコンセプトにしたドーミーインの和風ビジネスホテル版です。大阪の御宿 野乃で感激だったのが、なぜか大阪にして中津のからあげ&とり天。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

ご当地メニューフェアで提供したところ大好評で続行中といいます。揚げたてが供される実演メニューは美味しさも格別。個人的に大分へはなかなか行く機会はありませんが、各地の人気メニューが楽しめるあたりに全国チェーンブランドのスケールメリットを感じます。

*     *     *

今後もドーミーインに限らず、印象に残ったサービスやメニューなど紹介できればと思います。みなさんの印象に残ったビジネスホテル朝食メニューなども教えていだたければ嬉しいです。

※本記事は取材時の内容であり、紹介したサービスが提供・中止されいる場合もありますので、実際の利用に際しては公式サイトなどでご確認いただけければ幸いです。また、新型コロナウイルス感染拡大が大きくニュースになっています。慎重を期したタイミングで旅行にも出向いていだたければと思います。

ホテル評論家

1971年生まれ。一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。ホテル評論の第一人者としてゲスト目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。人気バラエティ番組から報道番組のコメンテーター、新聞、雑誌など利用者目線のわかりやすい解説とメディアからの信頼も厚い。評論対象はラグジュアリー、ビジネス、カプセル、レジャー等の各ホテルから旅館、民泊など宿泊施設全般、多業態に渡る。著書に「ホテルに騙されるな」(光文社新書)「最強のホテル100」(イーストプレス)「辛口評論家 星野リゾートに泊まってみた」(光文社新書)など。

ホテル評論家の辛口取材裏現場

税込330円/月初月無料投稿頻度:月1回程度(不定期)

忌憚なきホテル批評で知られる筆者が、日々のホテル取材で出合ったリアルな現場から発信する辛口コラム。時にとっておきのホテル情報も織り交ぜながらホテルを斬っていく。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

瀧澤信秋の最近の記事