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「Dragon Ash」降谷建志さんとMEGUMIさんが離婚へ~離婚の目的・方法・問題点

竹内豊行政書士
降谷建志さんMEGUMIさんが離婚すると報じられました(写真:イメージマート)

ロックバンド「Dragon Ash」のボーカル降谷建志さんが27日タレントのMEGUMIさんとの別居と離婚について認めたと報じられました。

ロックバンド「Dragon Ash」のボーカル・Kjこと降谷建志(44)が27日、インスタグラムのストーリーズを更新。文春オンラインが報じた妻でタレントのMEGUMI(42)との別居と離婚について、「既に一緒に暮らしていない事も、離婚をする事も事実です」と認めた。

引用:「Dragon Ash」降谷建志、MEGUMIと離婚へ 別居などの報道認め「今年の頭に二人で話し合って決めました」

そこで、今回は「離婚」について民法の観点から考えてみたいと思います。

離婚の目的

結婚生活に不仲は起こりうるし、円満な夫婦生活に回復するように努力を強いることが不可能なことも当然あります。

破綻した、形式だけの婚姻は、婚姻外の性的関係(いわゆる「不倫」)を生むこともありうるなど婚姻の価値を否定することにもなりかねません。

破綻した婚姻から当事者を開放し、再婚や自立の自由を保障することが、民法が掲げる離婚の第一の目的です。

離婚の方法

そこで、民法は、夫婦の間に離婚の合意がまとまり、それを戸籍法の定めるところに従い届け出ることによって成立する協議離婚(民法763条)と民法の定める一定の離婚原因がある場合に離婚の訴えが認められ、判決によって成立する裁判離婚(同法770条)の二つの離婚を定めています。

民法763条(協議上の離婚)

夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。

民法770条(裁判上の離婚)

1夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

2裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

9割が「協議離婚」で離婚する

日本では、離婚の内、協議離婚は約90%を占めます。協議離婚は、離婚問題を当事者の自主的解決にゆだねます。離婚に対する国の介入を許さない点で、家族のプライバシーを守ることができる制度であるといえます。

協議離婚の前提条件

協議離婚は当事者同士の話合いで解決を模索するため、当事者の対等性や離婚後のことに関して話し合えるだけの理性が双方にあることが前提条件となります。

協議離婚の問題点

夫婦や親子関係の調整を十分につけず、特に財産分与、子の養育費や離婚後の親子の交流についての協議が不十分なまま、離婚届を届け出てしまうケースが多く見受けられます。そのため、離婚後の特に妻の生活と子の福祉が十分に守れない結果を多く生み出しています。

もし、お互いに十分な話し合いがなさない内に、相手側から一方的に離婚届が届出されてしまうおそれがある場合は、不受理申出制度の利用も検討してみてはいかがでしょうか。

日本は簡単に離婚できる?

西欧・アジアの諸国にも、日本の協議離婚のような当事者同士の合意による協議離婚制度はあります。しかし、離婚の真意確認の手続を有していたり、離婚後の財産や子についての取決めがなされていなければならないなど、国家による当事者の保護的側面が強い制度となっています。

一方、国家の介入を許さない日本の協議離婚は、簡単ですが、離婚後に養育費が約束通りに支払われなくとも保護的な手続が用意されていないといった日本の協議離婚は比較的特殊な制度ということができるでしょう。

協議離婚は役所に離婚届を届け出さえしてしまえば、簡単に成立してしまいます。しかし、協議離婚の「協議」とは、「話し合って決めること、またその話し合い」を意味します。

もし、協議離婚を検討しなければならない局面を迎えたら、「離婚する・しない」だけではなく、離婚後の生活も視野に入れた十分な協議を踏まえた上で、合意した内容を公正証書に残すなどしてから判断を下すことが大切ではないでしょうか。

行政書士

1965年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、西武百貨店入社。2001年行政書士登録。専門は遺言作成と相続手続。著書に『[穴埋め式]遺言書かんたん作成術』(日本実業出版社)『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』(税務経理協会)等。家族法は結婚、離婚、親子、相続、遺言など、個人と家族に係わる法律を対象としている。家族法を知れば人生の様々な場面で待ち受けている“落し穴”を回避できる。また、たとえ落ちてしまっても、深みにはまらずに這い上がることができる。この連載では実務経験や身近な話題を通して、“落し穴”に陥ることなく人生を乗り切る家族法の知識を、予防法務の観点に立って紹介する。

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