今や、中国に次いで新型コロナウイルス感染者が多い国となったイタリア。なぜイタリアで新型コロナウイルス感染者が急増しているのか。

理由として挙げられるのは、イタリアの高齢化率が高いことや、医療の体制の不備、中国経済との密接な関係などがある。

確かに、イタリアの病院にあるベッド数(病床数)は多くない。OECD(経済協力開発機構)が医療関係のデータを国際比較可能な形で集計している"Health at a Glance 2019"によると、人口千人当たりのベッド数は、イタリアは3.2床と、OECD平均の4.7床よりも少ない。ただ、この数は、アメリカは2.8床、イギリスとカナダは2.5床、スウェーデンは2.2床よりは多い。日本は13.1床とOECD加盟国の中で最も多く、OECD平均からもかけ離れて突出してベッド数が多い。

もちろん、このベッド数だけみても医療体制は十分に測れない。どれだけ空きがあるかもみる必要がある。ベッドの占有率(患者が入院している)は、イタリアは78.9%で、OECD平均の75.2%より高い。日本は75.5%とほぼ同じだから、日本とイタリアを比べるなら、ベッド数の差異がそのまま受け入れ態勢の差異とみてよいだそう(もちろん、感染症患者には感染症に対応できる病床でなければならないが)。

ベッドの数だけでなく、医療従事者の数も対応能力をみる上で重要である。

医師数を人口千人当たりでみると、イタリアは4.0人で、OECD平均の3.5人より多い。日本は2.4人である。しかし、看護師数を人口千人当たりでみると、イタリアは5.8人で、OECD平均の8.8人より少ない。日本は11.3人である。

医療従事者は、医師と看護師だけではないものの、医師と看護師を合わせた人口千人当たりの数でみると、イタリアは9.8人で、OECD平均の12.3人より少ない。日本は13.7人である。こうみると、医療従事者の数の面でも、イタリアの対応能力に限りがあるところが浮かび上がる。

加えて、医師の年齢構成を国際比較すると、医師のうち55歳以上の人が占める割合が、イタリアは55%と断トツに高い。OECD加盟国の中で最も高い。OECD平均は34%、日本は37%である。イタリアの医師の「高齢化」も、新型コロナウイルスの感染拡大防止という状況では不利に作用しているのかもしれない。