Yahoo!ニュース

<ガンバ大阪U-23>ホームでのギラヴァンツ北九州戦は3試合ぶりの白星を掴む。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ホームにギラヴァンツ北九州を迎えてのJ3リーグ33節。ここのところ先制を許す展開が続いていたことを踏まえ、守備意識高く入る中で前半をスコアレスで折り返す。勝負の後半、先手をとったのはガンバU-23。50分にFW一美和成の今季8得点目となるゴールで先制点を奪う。その後、一度は北九州に追いつかれたもののアディショナルタイムに途中出場のFW高木彰人が決勝点となるゴールを決めて勝利を引き寄せた。ちなみに、これでJ3リーグでのホーム戦は11戦負けなし。J3リーグの最終節となる次節もその圧巻の強さを示してきたホームでセレッソ大阪U-23との大阪ダービーを戦い、今シーズンを締めくくる。試合後のガンバU-23監督、選手のコメントをお届けする。

●實好礼忠監督

少しギクシャクしている場面もあったんですけど、立ち上がり、失点が多い試合が続いていた中、前半は集中してゼロで折り返しましたし、粘り強く我慢しながら戦えたと思います。

ー失点してしまう試合が続いていました。後半もそういう時間が長く見られましたが、守備についてはどの部分を強調されたのか、またその総体的な評価を聞かせてください。

とにかくいい準備をして、何が起こってもいいようにしていこうという話はしていて、ゲームの中ではラインが深くなりすぎて、相手を受ける場面があって、なかなかそこが修正できなかったんですけど、最後、粘り強く体を張ってどうにかシュートを体に当てるとか、ゴールに飛ばさないようにということは最後までしっかりやってくれたと思うので、そういう気持ちがうまく伝わったんじゃないかなって思います。

ー最後、投入した選手が得点に絡みました。どういうことを求めて投入されたのでしょうか。

特に何も言ってはないんですが、最後に出場した2人も含めて、今日サブにいた選手たちのギラギラ感というか、悔しさというのはヒシヒシと感じていたので、そのへんをうまくプレーとして出してくれたと思います。

●FW一美和成

(失点が多かった流れの中で0−0で折り返せたことも後半に繋がりましたか)そうですね。前半から決めにいく勢いでいこうって話していたので、ゴールを決められなかったのは悔しかったですけど、ボールは回せていたし流れも悪くなかったので継続していけば、と思っていました。後半は入りも良かったし…失点は悔やまれますけど、しっかり勝ちきれたので良かったです。(ゴールについては)攻守の切り替えからうまくボールを奪えて、あの距離だったからゴールを狙おうと思っていました。ファーを狙ったつもりで蹴って、いいところにいってポストに当たって入ったのでよかったです。(残り1試合)個人的にはJ1の試合にも出場できて、ルヴァンカップで初ゴールも決められて充実した一年でしたけど、リーグで点が取れていないし、自分が描いていたJ3での二桁得点まであと2点なので、次でしっかりまた結果を残せるようにしたいです。(トップとの行き来になっている中で、J3では出場のたびにゴールを決めています。そこは自分でも意識しているところですか?)そうですね。昨日はJ1リーグのV・ファーレン長崎戦で敬斗(中村敬斗)が決めて危機感もあったし、自分が出た時に点を決めないといけない、結果を残すしかないというのは毎回思っていることなので、J3でも決められていることはアピールになっていると思うし、FWのポジション争いも激しいですが、そこにしっかり残っていけるようにやっていきたいです。(トップチームで得ている刺激について)やっぱりトップの試合に出てトップチームのスピード感にも慣れてきたのでそういうところがJ3でプレーする上での余裕にも繋がってきていると思います。その中で出場できる機会が少ないからこそ、J3でも出た試合ではしっかりやってやるという気持ちでやっているし、それが結果にも繋がっているのかなと思います。(トップの練習で言われていることは?)受けるタイミングについてはよく指摘されるし、自主練習のところでもダイレクトシュートというのは言われていて、そこは意識しています。

●DF初瀬亮

ここのところ失点が続いていて、ゼロでいこうというのはみんな意識していたところで…ここ最近は先に点を取られてからスイッチ入って巻き返すっていう試合が多かっただけに、ゼロで折り返せたのは良かったです。その中でボールを握りながらも得点を奪うっていうことを一番に考えていたし、大量失点しないこと、最小失点で抑えきれたことはチームとして意識していたところだったので、この結果は悪くない結果だと思います。(後半少しラインが下がって押し込まれる時間も長かった)そうですね。ボールを奪ってから失う場面が多かったし、あそこでもう少し考えてサッカーをするというか、まだちょっと若さが出たというか、しっかり流れを切っちゃっていいところでも無理して繋ごうとして失ってしまっていたところもあったので、そういうところはもう少し全体で共通理解を持ってやっていければと思います。(終盤、食野選手に出したサイドチェンジもそうですが、自分の良さで勝負することは意識しながらやっていた部分ですか?)そうですね。その中でビルドアップのミスはゼロだったと思うし、崩しのところでも…彰人(高木彰人)の得点に繋がったのも、自分のパスが意図的に「麗央(高江麗央)から彰人に出せ」というメッセージを込めて出したものから始まったので、それが得点につながったのは良かったなと思います。

●FW高木彰人

久しぶりに先発から外れて…短い時間にはなりましたけどチャンスをもらったので、出た限りはそこでしっかり爪痕というか、結果を残そうと思ってピッチに立ったので、それがチームが勝つための得点につながったのは良かったです。ゴールシーンは、亮(初瀬亮)から麗央(高江麗央)にぶつけてっていうのは自分の中ではイメージしていた通りの崩しだったのでしっかり決められて良かった。(ここ3試合勝ちがなかった中で悪い流れを断ち切れたことについて)ここ最近、前半に失点が多かったので。しかも複数の失点をしてしまっていて自分たちで流れを苦しくする試合が続いていただけに、今日は前半、結構押されてはいましたが、しっかり耐えて0−0で折り返せたのは良かったんじゃないかなと思うしそれが後半の戦いにつながったんだと思います。ただホームでは今年はずっと結果を出せているので。問題はアウェイ戦でどういう結果を出せるかだと思うので。ピッチが悪くて、パスがつながらない時に、どうやってそのピッチに対応するのかが課題だと思うんです。でも、どうしても「つなぐ」意識が強くて、グラウンドが悪くても無理してつなごうとしてしまったり…そこをアウェイではもっと意識してやらないとなって思います…って言っても、アウェイ戦は今シーズンはもう終わってしまったんですけど(苦笑)。残り1試合、ホームだし、大阪ダービーでもあるので、しっかり勝って締めくくりたいと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

高村美砂の最近の記事