19歳の現役競走馬ヒカルアヤノヒメが与えてくれた幸せのかたち #専門家のまとめ
15日、19歳という高齢ながら現役競走馬である愛知のヒカルアヤノヒメ号がこの世を去った。
ヒカルアヤノヒメは2022年9月27日、名古屋競馬4レースでこれまでの国内最高齢出走記録(18歳164日)を更新し、18歳170日という新記録を樹立。現在もその記録を更新し続けていた名物競走馬だった。
ヒカルアヤノヒメは最初は中央競馬で走っており、2006年秋に東京競馬でデビューしている。美浦・加藤和宏厩舎に所属していたが、中央は3着が最高。6戦未勝利で2007年夏に愛知の井上哲厩舎に転入した。初勝利は同年9月で、そのあともう1勝した後、馬主が変わり南関東に転籍した。同年12月に大井であげた3勝目のパートナーは今は中央競馬所属の内田博幸騎手だった。南関東の中で別厩舎に転厩した後、2009年夏に再び愛知に戻り、名古屋や笠松で走り続けてきた。
馬主は何度か変わっているが、ある時点から現オーナーの両親が受け継いで所有しているそうだ。
馬の幸せは馬自身の表現に限界があるため、本当のところはわからない。
ただ、その馬が人に対してどれだけ幸せを与えられたか、についてはその人たちの表現によって伝達ができる。
19歳のサラブレッドは明らかに高齢であり、人間で例えるなら還暦は過ぎていると表現してもおかしくないほどだ。
同世代で日本ダービーを勝ったウオッカはとうに競走馬を引退し、母になり、その後、蹄を悪くして15歳でこの世を去った。同じく同世代のダイワスカーレットは2021年の出産のあとは不受胎、死産と子供には恵まれていない。それほど高齢なわけだが、かといってヒカルアヤノヒメが競走馬を引退した後にどのように過ごせるかはわからないので、競走馬として最後まで手厚くケアをして貰えるのもひとつの幸せのかたちだ、と感じた。
ヒカルアヤノヒメが人々に幸せを与え続けたのは紛れもない真実で、今、その感情は悲しみを伴いながらもさらに広がりを増し、より多くの人々の心を打っている。
ヒカルアヤノヒメ号のご冥福をお祈り申し上げます。