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衝撃!馬が女性を頭突きした瞬間/愛すべき馬が併せ持つ"馬力"の強さ

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
馬の頭突きの瞬間の衝撃映像/田中久実さんのTwitterより

馬の些細な驚きが人に与える影響の大きさ

 馬は可愛く、愛すべき動物だが、その体は種類によっては数百キロから1トンにも及ぶ。となれば、当然ながら、人とは比べ物にならない大きな"馬力"を併せ持つ。

 6月中旬、馬が驚き、顔を上げ、女性の顔に直撃し、走り去るという衝撃的な動画がSNSにアップロードされた。

 今回、このハプニングに遭遇したのは北海道・雄武町の町議会議員をされている田中久実さん。何度か乗って楽しんだパートナーのどさんこの牝馬・秋悠(しゅうゆう)ちゃんに会いにいった時のことだ。

「スマートフォンで動画を撮影しながら馬の横に立っていたら、馬の耳のそばに虫が寄ってきて驚いてしまったようです。ほんの一瞬の出来事で、わたしの目の下に馬の顔がぶつかり、倒れてしまいまいました。意識はあったもののの、頭は真っ白…。」

と、恐怖体験を話す田中さん。撮影中だった動画を見るのも正直怖かったそうだ。

「痛くてしばらくうずくまっていましたが、馬が去っていった方向を見たら、『あ…やってしまった』みたいな顔でこちらを見ていて。心配そうにしていて。すぐに倒れた私を心配するように戻ってきたんです。」

 馬は賢い動物だ。競馬でも、キーストンやシゲルスダチのように落馬した騎手を心配する馬たちがいたのは記憶に強く残っている。秋悠ちゃんも同じく、田中さんを気にかけて戻ってきたのだろう。

「秋悠は、もともとすごく大人しくて優しい。普段はわたしの乗っている車の音を聞き分けて、わたしが近くに来たことをわかってくれているそうです。ハプニングはありましたが今でも私はそんな秋悠が大好きです。」

 トレセンでも担当の厩務員さんがバイクで出勤したことをエンジン音を聞き分けて把握するという話はよく聞く。

 今回は幸い、怪我は軽傷で済んだので田中さんもこの件を笑って話せるし、その後も秋悠ちゃんとコミュニケーションをとり続けている。

 しかし、少しでも打ち所が悪かったら大事故に繋がってもおかしくはない。

 そういった注意喚起の意味の込めて、田中さんはこの件の記事化に協力してくれた。

 昨今、馬を愛玩動物として扱うケースが増えたが、実際に近くで接する際はくれぐれも馬が持つパワーと繊細さを理解した上で近づいて欲しい。

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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