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【有馬記念】エフフォーリアの取捨は!?前売1番人気イクイノックスは万全?有馬記念の見どころとポイント

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
2022年天皇賞(秋)を制したイクイノックスのウイニングラン(提供:青山一俊)

前売単勝1番人気は断然イクイノックス

 25日、中山競馬場で第67回有馬記念(GI)が行われる。出走はフルゲート16頭。

 単勝の1番人気は前日、当日正午頃の時点で変わらずイクイノックスが2.7倍(前日2.9倍)となっている。単勝10倍以下は前日から当日正午頃にかけても変わらず他に4頭おり、2番人気がタイトルホルダーで3.4倍(前日3.5倍)、3番人気がジェラルディーナで7.3倍(前日7.0倍)、4番人気がヴェラアズールで9.6倍(前日8.8倍)、5番人気がエフフォーリアで9.8倍(前日9.4倍)となっている。

 この上位5頭は近走の実績面でも他の11頭と比べると差があり、順当だろう。

 続く20倍以下の6番人気ボルドグフーシュ(11.7倍)とジャスティンパレス(18.8倍)はともに菊花賞上位馬(2着、3着)で、かつ、ボルドグフーシュについては鞍上の福永祐一騎手が来年2月末をもって騎手を引退するため、これが最後の有馬記念ということも手伝って人気を押し上げていると察する。

 1番人気のイクイノックスは状態は申し分ない。春はクラシックで上位に健闘し、秋は天皇賞(秋)で古馬を倒す、というのは昨年のエフフォーリアと似た流れだ。夏を越しての成長は実績に表れているし、この中間も順調。1番人気に支持されるのは当然、という印象だ。

 イクイノックスを絶賛するクリストフ・ルメール騎手だが、実はこの方にはいいジンクスもある。ちなみに過去の有馬記念で12月25日のクリスマスに開催されたのは過去8回ある。そのうち、3戦2勝2着1回という好成績を残しているのがルメール騎手なのだ。ルメール騎手が初めて有馬記念を制したのは2005年、ハーツクライで断然人気に支持されたディープインパクトに完勝した。続く2勝目は2016年でディープインパクト産駒のサトノダイヤモンドを勝利に導いている。2011年はエイシンフラッシュに騎乗し2着と連対はパーフェクト。

 筆者も有馬記念で筆頭にあげたいのはこのイクイノックスだ。

■2022年 天皇賞(秋) 優勝馬 イクイノックス

エフフォーリアを見極めるタイミングは?

 難しいのは昨年の覇者・エフフォーリアの取捨。天皇賞(秋)を回避して有馬記念に大目標を絞っての参戦。昨年はこの中山での皐月賞を制し、日本ダービーは2着とクラシックで輝かしい成績を残し、さらに天皇賞(秋)と有馬記念を制して古馬との対決に見事勝ち切った。しかし、今年は大阪杯、宝塚記念での期待にそぐわぬ走りをみせている。昨年の有馬記念は「天皇賞(秋)が120%の状態で、それに比べると落ちるかんじ」(横山武史騎手)という状態で勝ち切っているだけに、ある程度状態が戻れば十分勝ち負けになるとも感じるが、この中間の調教の評価は昨年と比較するとあまり芳しいものではない。昨年の躍動感や反応の素早さがまだ感じられず、良くなるにはまだ他にきっかけが必要なのでは、と推察してしまうのが現状だ。

■2021年 有馬記念(GI) 優勝馬 エフフォーリア

 とはいえ、馬がレース直前にすごく良くなるという可能性も大いにある。競馬の取材は通常、その週の水曜日、木曜日が多いものだが、その後に良くなることはある。過去に追い切りの時点ではイマイチだったが、その後の金曜や土曜にグンと馬が良いほうに変わった、という事例はいくつも見てきた。有馬記念でいえば、すごく昔になるがメジロマックイーンの兄であるメジロデュレンが勝った時がそうだった。前哨戦は良いところがなかったが、追い切りの後の金曜日にガラリと良いほうに馬が変わり、10番人気で有馬記念を制しているのだ。

 そういう意味でも、エフフォーリアの判断は、時間が許すならばパドックの時点まで待ちたいものだ。レースの10日前に撮影された姿を見る限り、全体的に体にポッテリ感があったが、パドックではシャープさを取り戻しているかもしれない。

単騎先頭が期待できそうなタイトルホルダー

 ファン投票1位のタイトルホルダーは外めの7枠13番に入った。内枠有利と言われる有馬記念で、逃げ馬がこの枠に入ったことは課題の一つではある。が、大外ではないし、極端なマイナス材料にはならないと見ている。強く先頭を主張する馬は他にいないことからも、比較的すんなり先頭に立ち、自分のペースでレースを進められるのではないか、とみている。

 課題があるとすれば、凱旋門帰りというローテーションではないだろうか。海外輸送をまったく苦にせずにパフォーマンスをみせる馬もいるが、どこまで疲労が残っているかは正直やってみないとわからないところがある。ただ、パンサラッサに先手を譲って2番手でレースを進めた昨年の有馬記念より今年のほうが自分のペースでレースを進めやすいと察する。

■2022年 宝塚記念 優勝馬 タイトルホルダー

ジェラルディーナは母と同じくグランプリを制するか

 エリザベス女王杯を制したジェラルディーナはこの秋に一気にその素質を開花させた。エリザベス女王杯で負かしたウインマリリンはその後、香港ヴァースを鮮やかに勝っている。母のジェンティルドンナは2014年の有馬記念優勝馬であり、血統的背景も頼もしい。

■2022年 エリザベス女王杯(GI) 優勝馬 ジェラルディーナ

筆者の推しはヴェラアズール

 筆者の推しはヴェラアズール。昨年のいまごろはダートの2勝クラスを勝ち切れなかったのに、まさか5歳にして王道の芝の中距離路線の頂点に立つとは。この型破りな出世ぶりには驚かされた。持ち味の切れる末脚を中山で発揮するのはコツがいるだろうが、そのあたりは鞍上がじゅうぶんに心得ているだろう。追い切りも実に躍動感のあるいい動きだった。ここ最近は実に安定した上がりの脚を発揮しているというのも安心材料だ。

■2022年 ジャパンカップ(GI) 優勝馬 ヴェラアズール

ディープボンドも忘れずに

 実績のわりに単勝オッズ31.4倍の8番人気(当日正午頃時点)と低評価のディープボンドは、"1着"の予想として避けられてはいるが、連下としてはおさえたいところ。凱旋門賞帰りからの有馬直行というローテーションは昨年と同じであり、昨年は2着に差した末脚は派手さはないが堅実でタフな伸びをみせる。大外枠は確かに歓迎できないが、長距離実績もあるし、逃げるタイトルホルダーを見ながら好位でレースを運べるのは好材料。ウインマイティー、ブレークアップらの2番手集団の中でどのポジションがとれるかがカギになるだろう。

2022年有馬記念の枠順(筆者作成)
2022年有馬記念の枠順(筆者作成)

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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