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【オークス】ガッキー誕生日馬券か?!6枠11番純白ソダシが逃げる可能性 役に立つ乙女の祭典のポイント

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
2021年、第81回桜花賞(GI)を制したソダシ 写真:日刊スポーツ/アフロ

ルックス、実力ともにナンバーワンのソダシが中心

 23日、東京競馬場でオークス(GI)が行われる。注目は桜花賞等GI2勝のソダシ。これといった逃げ馬不在のメンバーの中、押し出される形で逃げる可能性は大きい。そんな今年の乙女の祭典・オークスについてのポイントを解説する。

 ソダシは前日オッズで1番人気に支持されている。白毛という毛色についてデビュー前から注目されてきたが、今やその実力だけで十二分にトップスターと言える存在となっている。阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞などGI2勝、重賞4勝を含めた5戦5勝。2歳時からその完成度の高さは評判になっていたが、他馬が成長を重ねた現在もソダシの完成度はリードしているようにみえる。

 しかも、ソダシは2着馬への着差は僅かなレースが多いがいずれも勝っており、その勝負強さは特筆すべきものがある。レース中、毛色が目立つために目標にされやすいにも関わらず、戦績が崩れない。距離延長へどこまで対応できるかは課題だが、デビュー戦、2戦目の札幌2歳S(GIII)で芝1800m戦を勝っているし、折り合いもつく。さほど心配はいらないのではないか。

 そんなソダシに対して、桜花賞組のファインルージュ(3着)やアカイトリノムスメ(4着)らがどれだけ成長し追いつけるか、フローラSを勝ったクールキャット、忘れな草賞を勝ったステラリアらソダシと未対決のメンバーらとの力比べがポイントになるだろう。

■2021年桜花賞(GI) 優勝馬ソダシ

■2020年 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI) 優勝馬ソダシ

逃げ馬不在で前残りの可能性も先行するソダシに有利

 さらにもうひとつ、大事なポイントがある。今年のオークスは、これといった逃げ馬がいない。レースのペースをつくる逃げ馬が不在であれば、先行馬が牽制しあい押し出されたかたちで誰かが逃げるかたちになる。そうなると、自発的に逃げるケースよりペースが落ちてスローになる。

 桜花賞では好スタートのソダシをすぐにストゥーティがかわし、続いてジネストラらに囲まれ、ソダシは3番手の内でレースを進めた。道中は緩みのない流れ。直線を向き一旦後続を突き放す勢いだったが、ゴール手前で鋭く伸びたサトノレイナスの追撃にあう。結果、クビ差ふり切ってソダシが1着でゴールを決めた。勝ちタイムの1分31秒1はレコードで従来の時計を0秒8も縮めている。

 では、オークスはどうだろう。前日の土曜、東京競馬場は雨は降ったが芝は良馬場をキープしていた。展開は先週に続いて差しが届かない前残りの競馬が多く、この点でもオークスで前に行きそうな馬をおさえたくなる。

 過去のソダシのレースを見ると、どんなペースになろうが先行馬群の中にいる。やはり、その観点からもソダシを狙いたくなる。

 相手筆頭に選びたいのは、桜花賞3着のアカイトリノムスメ。東京コースは得意で3戦3勝の実績があるし、完成が早かった三冠牝馬の母・アパパネと比べると、その成長は緩やかだ。陣営もそういった"伸びしろ"を考慮しながら調整を進めているし、母以上に距離が延びてよくなりそうな体形をしている。父、母、母の父がみな東京芝2400mの3歳春のGIを勝っているという点も侮れない。

■2021年 クイーンカップ(GIII) アカイトリノムスメ

オークスに狙いを絞った馬やキャリアの浅い馬に注目

 血統的な魅力という点では武豊騎手騎乗のクールキャットも引けを取らない。母系はいわゆるメジロ血統、母の父はダンスインザダークと距離延長は大いに歓迎のクチだ。

 キャリアが浅いところでは、3月デビューでキャリア3戦のタガノパッションと、2月デビューで2戦2勝のニーナドレスに注意したい。

 タガノパッションはダービー馬・キングカメハメハの産駒。折り合いがつけば、前走のスイートピーSでみせた終いの切れる脚を披露してくれるはず。

 ニーナドレスは大物食いのハーツクライ産駒。東京への複数回の輸送を嫌い体力温存を狙ってこのローテーションとなった。大型馬ながらキレのある脚を使うので東京コースは合うはずだ。

 今年は中京での開催であったが若駒Sを勝っているウインアグライアも気になる。忙しいマイル戦での実績はないが距離が延びて結果を出しており、早くからオークスに照準を絞ってきた。

 同じく余裕をもったローテーションで挑むステラリアも距離延長は歓迎材料だ。

■2021年 フローラステークス(GII) 優勝馬クールキャット

サイン馬券とリアル取材の結論が同じに

 そして、今回のオークスに限って特に気になることがある。

 わたしはトレセンという出走前の競走馬たちが調教を行っている現場で日々取材をし、データを参考にして予想を組み立てている"リアル派"である。しかし、競馬は結果として当たればよいのだ。現場の知識は皆無で、直観でもゴロ合わせでも全くかまわない。とにかく、当てたものが勝者である。

 競馬予想の手法の中でも、古くはタカモト式と呼ばれたサイン馬券には根強いファンがいる。時事ネタやゴロ合わせから"サイン"を裏読み(リアル派からみたら屁理屈)し、馬券を推理するという方法である。

 実はこれ、筆者は嫌いではない。むしろ、いい思い出が多くて案外好きなのだが…、所詮は屁理屈(笑)。まして、たくさんの人たちが心血注いで競走馬を鍛え上げているトレセンという現場でサイン馬券を紐解くのは如何せん失礼である。仮にそういった話をトレセンで展開しても、当然だが白い目で見られるのがオチである。よって、サイン馬券もいいよね、という考えは封印してきた。

 が、しかし。今週はサイン馬券好きにはめちゃくちゃ美味しいニュースが飛び込んできた。 星野源さんと新垣結衣さんがご結婚、である。

 これにはさすがに、封印が解かれてしまった。しかも、このオークスに限っては"逃げ"馬探しは"恥"をかいても"役に立つ"はずだ。と、実際に陣営に取材をしたが…。やはり、これといった逃げ馬がいなかった。

 近年の傾向として、昔なら少なからずにいた「クラシックレースに何としても出走し、玉砕してもいいから目立って一発を狙いたい」という陣営がとても少なくなったように思う。

 出走メンバーの過去のレースぶりから考察すると君子蘭賞で先行したニーナドレスあたり逃げても良さそうだが、陣営は「折り合い重視して前をとらえたい」としていたので、無理な逃げはなさそうだ。

 クールキャットは武豊騎手が鞍上。名手の判断で先手を奪うシーンがみられるかも。血統的にスタミナはじゅうぶんありそうで2400mは歓迎材料。しかも、父はスクリーンヒーローで、その名の由来といえる祖母はダイナアクトレス。今週のビッグニュースとの関連性はかなり深いといえるのではないか。

 そして、ソダシは6枠11番に入った。新垣結衣さんの誕生日は6月11日とのこと。純白のソダシと"アクトレス"の血を引くスクリーンヒーローの娘・クールキャットらが逃げたまま前残りでの決着、というのは純粋に馬たちを取材した上でも十二分にあり得る組み合わせと推理できることからも、今年のオークスはこの"逃げ恥馬券"を狙って楽しむつもりだ。

2021年オークス枠順(筆者作成)
2021年オークス枠順(筆者作成)

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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