手書きの番組表…JRA、東西各馬の出走機会の確保緊急等、様々な緊急の対応策を講じる
東京で予定された3勝クラスのレースはなくなり、福島で同条件のレースが新設
JRAは急きょ、4月25日の東京競馬で予定されていた4歳以上3勝クラスの府中ステークス(芝2000m)を取りやめ、同日の福島競馬に4歳以上3勝クラスのエールステークス(芝2000m)を、翌4月26日に同じく4歳以上3勝クラスのやまびこステークス(ダート1150m)を新設した。
この変更の理由についてJRAは「他ブロックへの出走制限措置を行うなか、特に4歳以上3勝クラスにおいて東西所属馬の出走機会をそれぞれ確保する必要があるため」とした。
先日、新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環で、4月18日より5月3日までオープンと障害以外の関西馬の東京遠征、関東馬の京都遠征を制限したことから生じる臨時措置だ。
競走馬はそれぞれ適性にあった番組に出走しなければ力を発揮できない。東京競馬へ出走を予定していた関西馬の出走機会がなくなるため、似たような条件のレースを急ぎ、ブロックの制限のない福島競馬に新設した、というわけだ。
※4歳以上3勝クラスの関東馬と関西馬の数を比較すると関西馬の馬数が1.5倍を超えているという客観的な事実がある(4月12日追記)。
これらの変更に伴い、他の条件戦についても編成を変更している。発表された番組表は手書きで、急ぎ対応した様子がつぶさに感じられる。
騎手は単独で移動、調教師ら関係者との接触も慎重に
また、騎手が自宅やホテルなどJRAが認めた「認定調整ルーム」から競馬場へ移動することが認められた。そして、競馬場への移動も複数の騎手が同時に移動するのではなく、単独で行動するようにし、少しでも騎手が新型コロナウイルス感染するリスクを軽減するように努めている。
馬を連れて出張する担当者たちについては、弁当が支給されて原則、外出は禁じられている。
そして、マスコミもフリーの取材者は本日11日より美浦、栗東の両トレーニングセンター、および各競馬場への入場を制限されている。少しでもJRA施設内へ入場する人数を減らすためだ。
筆者も入場を制限されたうちのひとりである。私個人としてはひじょうに悔しい思いもあるが、一方で自分が一番最初に新型コロナウイルスをJRA施設に持ち込む可能性がなくなり、心のどこかで安堵する気持ちもある、というのが正直なところだ。
今週はクラシック第一弾の桜花賞が無観客競馬で行われる。一日も早く、大歓声の沸く競馬場が蘇り、自分もトレセンで取材が出来るようになる日が戻ることを願う。