新型コロナでも下がらない地方議員の報酬を全国815市区ランキング。最高額は横浜市の1,658万円

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新型コロナウィルス経済対策の10万円の給付金、議員は受け取るべきか

5月14日、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が39県で解除となったが、一方で、東京や大阪など8つの都道府県では引き続き緊急事態宣言が解除されていない。

一方で、解除となった39県も含め、経済的な損失は大きく、多くの方が生活に窮しながらギリギリのところで日々を過ごされているのではないかと思う。

こうした中で、全国で政府が緊急経済対策の1つとして行う1人あたり10万円の給付がようやく始まろうとしている。

この10万円の給付は、一律の給付であり、当然、公務員や政治家にも給付されることになる。

公務員や政治家は、元々税金から給与や報酬が支給されている上、基本的には今回の一連の新型コロナウィルス対策で所得が減ることもない。

個人的には、少なくとも10万円分は、給与や報酬を削減してもいいのではないかと思うが、皆さんは、どう思うだろうか。

閣僚は全員が辞退の方針を表明している他、自民党所属の国会議員も全議員が申請をしない方向だとされている。

一方で、立憲民主党、共産党、国民民主党など野党は議員個人の判断とするなど対応が分かれると報道されている。

こうした中で、この給付金を「受け取らない」と表明する政治家が出てくる一方で、わざわざ「受け取る」ことを公言する政治家も出てきている。

筆者が頭にきているのは、「受け取る」ことを表明し、その理由を「申請しないと国庫に戻ってしまうため、全額地元で使います」などと言っている地方議員や首長などの地方政治家だ。

あたかも地元のためかのように聞こえるように言っているが、自らの消費を地元で行うと言っているだけで、そんなに地元のために使いたいのであれば、消費でなく全額地元のために使えばいい。

この事に対し、政治家は寄付をすると利益供与になる可能性があるので、できない…、という方々がいるので、であれば、地元のために10万円の給付をしてもらって、議員、首長の報酬を減額すればいいのではないかと提案するところだ。

すでに議員報酬の削減や、職員給与の削減を臨時議会などで行っている自治体もある。

一方で、多くの自治体では、議員報酬の削減などが行われている気配がない。

そこで、今回、多くの国民の皆さんに考えてもらう参考に、全国の地方議員の報酬についてランキングを作ってみることにしました。

報酬年額の最高は、横浜市の1,658万円、次いで神戸市、福岡市・・・

今回は、全国815自治体(市・区)の2018年現在の最新データから報酬月額を12倍したものに、ボーナスにあたる期末手当を支給割合と加算率から導き出し、報酬年額を推計し、ランキングにしてみた。

今回あらためて報酬年額を試算して分かったが、日頃、議員報酬の議論になると、公開されている報酬月額でさえ「高い」と指摘されるが、議員報酬の場合、報酬年額の1/3弱が期末手当で加算されているため、年額で試算した方が、国民感情的にはさらに「高い」という印象になること、しかもこの報酬年額が公開されていないどころか、素人が試算しにくいように、支給割合や加算率という形で明記されているところにも悪意を感じた。

今回試算した815自治体の市区の平均報酬年額は、698万円となった。

対象とした市や23区と言っても規模も地域性も様々である。

今回調査した自治体の議員報酬をランキングにして見ていくことにしよう。

最も報酬年額が高かったのは、横浜市の1,658万円だった。

次いで、神戸市の1,601万円、福岡市の1,483万円となった。

4位 北九州市、5位 京都市、6位 札幌市、7位 広島市、8位 仙台市、9位 川崎市、10位 名古屋市、11位 さいたま市、12位 堺市、 13位 千葉市、14位 大阪市、15位 岡山市と、15位までは政令指定都市ばかりが並ぶ。

政令指定都市は、全国に20市あるが、上記以外も静岡市(24位)、相模原市(26位)、熊本市(37位)、浜松市(42位)、新潟市(74位)となっており、最も低い新潟市でも1,030万円と、そのすべてが報酬年額1,000万円を超える。

図表: 市議・区議 報酬年額ランキング トップ50(2018)

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出典: 公開されている自治体情報から筆者作成

中核市で議員報酬が最も高いのは、1,191万円の西宮市、次いで姫路市、金沢市・・・

16位からは、政令指定都市に次いで人口規模の大きい中核市が並ぶ。

中核市で最も議員報酬年額が高いのは、1,191万円の西宮市(16位)、次いで1,188万円の姫路市(17位)、1,168万円の金沢市(18位)と続き、以下、東大阪市(19位)、宇都宮市(20位)、倉敷市(21位)と並ぶ。

中核市は、全国に60市あるが、報酬年額のトップ50の中に中核市は21市が入っており、政令指定都市の19市よりも多くなった。

こうして報酬年額の高い自治体を並べてみていくと、上位は、人口規模の大きい自治体が並んでいることも分かってくる。

ちなみに中核市の報酬年額下位3市は、千葉県の旭市が582万円(547位)、山口市が717万円(285位)、島根県の県庁所在地である松江市が793万円(202位)となっている。

23区で報酬が最も高いのは、大田区の1,090万円、次いで渋谷区、荒川区・・・

上位50自治体の中に、政令指定都市や中核市以外に入っている自治体を見ると、東京23区が8区入っている。

報酬年額が最も高かったのは、大田区の1,090万円(33位)、次いで渋谷区の1,083万円(35位)、荒川区の1083万円(36位)と続く。

逆に23区で最も報酬年額が低かったのは、文京区の992万円(93位)、次いで目黒区の1,014万円(81位)、新宿区の1,018万円と、23区中22区が1,000万円以上となっている。

人口規模で他の自治体と比較して考えると、むしろ世田谷区の1,078万円などは安いと考えられるかもしれない。

また、23区の特徴として、報酬月額では上位50の中に3区しか入らないのに対して、期末手当で見てみると上位50位に13区が入る。

さらに言えば、期末手当についても他自治体と比較して、支給割合ではなく加算率で上げている自治体が多かった。

うがった目かもしれないが、有権者の目が厳しい都市部において、実際の報酬年額より低く見えるように、報酬月額ではなく、期末手当で、それも加算率で調整して、一見安く見えるようにしているように感じる部分もあった。

図表: 区議 報酬年額ランキング(2018)

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出典: 公開されている自治体情報から筆者作成

一般市の最高額は茨木市の1,147万円、トップ10のうち9市が大阪、市川市が6位

こうして議員報酬が高い自治体を見ていくと、どうしても人口が多い自治体ばかりしか出てこないので、政令指定都市、中核市、県庁所在地、23区などを除いた市をいわゆる一般市として見ていきたい。

最も報酬年額が高かったのは、1,147万円の茨木市(22位)、 次いで1,075万円の松原市(43位)と上位50位に入ったのは2市だけだった。

一般市の中での3位は守口市(56位)、箕面市(58位)、富田林市(61位)、市川市(62位)、和泉市(67位)、池田市(72位)、羽曳野市(73位)、門真市(75位)と並んだ。

注目は、一般市のトップ10のうち9市が大阪の自治体だったことだ。

大阪に人口規模が大きい自治体が多いということもあるが、ここまで大阪ばかりが入ると、大阪の自治体は議員報酬が高い傾向にあるのではないかとも思ってくる。

業界の中では、議員報酬については、「西高東低」と言われるが、こうしたこともしっかりデータでも出てきたようにも感じる。

ちなみに大阪以外に唯一トップ10に入ったのは、筆者の地元、市川市が1,047万円で6位(全体では62位)だったのも印象的だった。

一般市のトップ50を都道府県別に見ると、大阪が19市、東京が12市、千葉と兵庫が5市、愛知が2市、三重と埼玉、岐阜、神奈川、奈良、静岡、富山が1市となっており、23区以外も東京は報酬が高い傾向も見えてきた。

図表: 市議(一般市)報酬年額ランキング トップ50(2018)

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出典: 公開されている自治体情報から筆者作成

全国815市区で最も議員報酬が安いのは夕張市で260万円、次いで室戸市、にかほ市・・・

さて、ここまで、「議員報酬が高い」というトーンで書いてきたが、一概に「議員報酬」と言っても、様々だ。

逆に全国815市区の中で、最も議員報酬年額が低かったのは、夕張市(北海道)の260万円(815位)だった。

次いで、室戸市(高知県)の390万円(814位)、にかほ市(秋田県)の392万円、以下、阿蘇市(熊本県)、行方市(茨城県)、西之表市(鹿児島県)、 潮来市(茨城県)、上野原市(山梨県)、垂水市(鹿児島県)、 阿久根市(鹿児島県)・・・と並ぶ。

今回は全国815の市区に限定してデータ調査したが、都道府県議会議員の議員報酬は、一般的にこうした基礎自治体の議員報酬より高く、逆に町村議会議員の報酬は、最後に示した下位自治体の報酬よりも少ない町村も数多くある。

図表: 市議・区議 報酬年額ランキング 下位50(2018)

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出典: 公開されている自治体情報から筆者作成

議員報酬は本当に「高い」のか、「安ければいい」のか

今回、冒頭に書いたように、10万円の給付については、日頃から税金から報酬を得ていて、しかも新型コロナウィルスによっても、報酬が減るということがまったくない政治家たちに対して、10万円もの給付金をまたまた税金から支払うということに対しては、大きな違和感がある。

これについては、是非、全国の地方議会において、良識を持って、自らの議員報酬を減額するよう求めたいと思う。

一方で、議員報酬の話をすると、多くの有権者が「議員の報酬なんて安ければ安いだけいい」と思っているのでは、と感じることが多い。

しかし、こうしたステレオタイプの印象は、いささか乱暴な気がする。

今回のコラムをきっかけに、議員報酬についていくつか考えてもらいたいことがある。

1つは、「民主主義のコスト」をどう考えるかだ。

「民主主義なんていらない」という方々からすればそのコストは「できるだけ少なく」して、逆に「直接市民に還元する福祉費用」の方に回して欲しいと思うのだろう。

この考え方についても一理あると思う。

日本においては、政治家についての情報があまりにも少ない。

議員についての報道といえば、不正や事件を犯したことばかり・・・

こうした状況から考えれば、「そんな議員なら報酬を安くするどころか、むしろ議員自体がいらないのでは」と思う人もいるかもしれない。

ただ一方で、「お上に任せておけば大丈夫」は本当だろうか。

筆者は、20代の頃に地方議員として、30代の頃には自治体の部長職として幹部職員の立場から、地方政治や行政の中で政策や事業を見てきたが、その結果が歪んでいる場面をいくつも見てきた。

こうした背景には様々な政治力や思惑などが含まれていることも多いのだが、一方で議員がいなくなればそういうものがなくなるかといえばそういうものでもない。

市民が役所や政策、政治を監視し、市民の想いや声を反映する仕組みが必要だからだ。

こうした民主主義の仕組みは必ずしも議会や議員だけが全てだとは思わないが、こうした民主主義の仕組みとしてどういう機能が必要なのか、その「民主主義のコスト」としてどれくらいの額が妥当なのかを考えていく必要がある。

筆者はこれまで18歳選挙権の実現や、主権者教育を始めとした政治教育の充実など、この国の民主主義の質の向上をと取り組んできた。

是非、このコラムから、皆さんの住む自治体の行政や政治にも関心を持ってもらい、できることなら、それぞれの地域において、政治と行政に対してチェック機能を有権者の皆さんに持ってもらいたい。