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ガザ戦争の拡大のシナリオ/レバノンとイエメン

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

ガザでの戦争が拡大するのではないかとの懸念がある。ガザにイスラエル陸軍が侵攻してパレスチナ人の犠牲者が増えれば、それに対応してイスラエルに対して戦端を開く国家ないしは非政府組織が出るのではと危惧されるからだ。そうした拡大のシナリオの中で、もっとも心配されていたのは、レバノン南部のシーア派組織ヘズボッラーとイスラエルの間の戦争である。そして現在、両者の間では実際に衝突が起こっている。ガザが爆発した2023年10月以来のヘズボッラー側の戦死者は、2023年末の段階で既に百名を超えている。だが、それでも衝突は、低レベルに止まっている。ヘズボッラー側は対戦車ミサイルなどの射程の短い兵器しか使っていないし、基本的には軍事拠点以外は狙っていない。もちろん射程の長いロケットを使ったり、民間施設を狙ったりした例はある。しかし現段階では、稀である。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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