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今日は「投資(10・4)の日」! 実は会社員の20%、1000万人以上がもう投資をしています

山崎俊輔フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP
今日は投資の日なんです。(画像は日本証券業協会ホームページ)

10月4日は「投資(10・4)の日」です 知ってました?

世の中にはいろんな記念日があります。「いい夫婦の日」は11月22日です。なるほど「11・22」。よい夫婦として4月22日というのもあるのだとか。

10月4日も記念日です。「10・4」で「投資の日」なのだとか。日本証券業協会が、1996年に「証券投資の日」と定めたのだそうです。実は25年以上の歴史があったのですね。

少しずつ私たちの身近なものとなり始めている投資ですが、まだまだ敷居が高いもので他人事だと思っていないでしょうか。

例えば岸田内閣が「資産所得倍増計画」とぶちあげたとき、「投資するお金、ないから」という反応が返ってきます。実は投資は100円からスタートできるのに。

定期預金の金利が超低金利だろうと将来年2.0~4.0%もの利回りがつく時代になろうとも、投資は重要です。なぜなら定期預金が年2.0%増える社会では物価も同じくらい上昇するので、それを上回る資産価値上昇をしたければ投資をするしかないからです。

そして投資のハードルは金額だけではなく大きく下がりました。口座開設だけならスマホ一つで行えるほどです。だとしたら、今日を投資をスタートするきっかけにしてみてもいいかもしれません。

今回は「実は日本人、すでにたくさんの人が投資をしているよ」という話を数字を紹介しながら説明してみたいと思います。

確定拠出年金は自己責任の運用 合計1000万口座

会社員の20%は実はすでに投資口座を開設済み、といわれたら驚くでしょうか?

会社の退職金・企業年金制度の仕組みとして企業型確定拠出年金という仕組みがあります。これは会社がお金を出して運用の判断は自分で行うタイプの仕組みです。最近流行しているiDeCoは同じ確定拠出年金の個人型です。

企業型確定拠出年金の加入者数は今年の3月末で782万人となっています。会社員(厚生年金に加入している人の数)が4047万人(昨年3月末)なので、割合にして19.3%ということになり、おおむね5人に1人は確定拠出年金の口座を持っている、ということになります。

確定拠出年金の口座は、投資が必須ではないので、定期預金などに資産を預け入れることもできます。また数割を安全資産としてキープしつつ、残りを投資をするという組み合わせも可能です。

ちなみにiDeCoは260万口座があります(8月末)。合わせると1000万口座を超えていることになります。

5/31 生命保険協会 確定拠出年金(企業型)の統計概況(令和4年3月末現在) 

10/3 国民年金基金連合会 最新iDeCo加入者数等について(令和4年8月)

NISA口座は合計で1700万 うち現役世代で1000万

もうひとつ、人気のある投資口座としては少額投資非課税制度、つまりNISAがあります。こちらは純粋たる投資口座です。そして1人1口座しか開設できないしくみです。

こちらは2022年3月末のデータで1699万口座が開設されています。未成年が開設するジュニア口座がこれに80万加わりますが、人口でいえば、相当多くの人が投資口座を持っているということになります。

NISAは2種類あって、一般NISA(年120万円、最大5年の非課税投資。累計600万円)が1112万口座、つみたてNISA(年40万円、最大20年の非課税投資。累計800万円)が587万口座となっています。

20~50歳代の口座数合計が1049万となっており、こちらも1000万の現役世代が投資をしていることが分かります。

確定拠出年金制度も原則として現役世代しか口座を持てないので、どちらも1000万以上の利用がある、という実態が見えてきます。

8/8 金融庁 NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について

証券口座数は合計で3000万を突破

税制優遇のある口座ではなく、普通に証券口座(銀行口座のように、投資をしたい人が証券会社に開設する口座のこと)の数はどれくらいでしょうか。

証券業協会の調べでは個人の開設している証券口座数の合計は3100万口座になるそうです(6月末)。こちらのデータは年代別構成が含まれていないので、高齢者の利用も相当あるとみられますが、それでも大きな数字です。ざっくり人口の4人に1人ですからね。

下記の共同通信の記事では過去の口座数推移のグラフが掲載されていますが、2019年9月末の数字が2400万だったところから一気に伸びていることが分かります。

ひとりで複数口座開設をする傾向もありますが、ネット証券上位をみてみると、SBI証券882.9万、楽天証券805.0万となっており、それぞれ1000万口座獲得をめざしてしのぎを削っています。実は野村證券の残あり口座数として開示されている数字を上回っているほどです(取引金額ではまだかないませんが)。

8/22 証券業協会 会員の主要勘定及び顧客口座数等

1/5 共同通信 証券口座、22年に3千万突破へ ネットで裾野が拡大

Yahoo!ファイナンス 証券会社カタログ

裾野がさらに広がる投資の世界 まずは口座開設から

オンライン証券ならスマホから口座開設の一歩目が踏み出せます。少し余裕があればNISA口座の開設もあわせて手続きをしておきましょう。この手の作業は初回だけちょっと面倒ですが、乗り越えてしまえば後は楽です。

1つ上のリンク(Yahoo!ファイナンス)は上位証券会社を紹介している記事で、各社のページへのリンクもついているので、証券会社選びから口座開設まで一気に行えると思います。

投資金額は少額でもかまいません。いきなり100万円の入金なんか考えず、少額からスタートしてみましょう。悩んだら投資信託で世界中の株式で運用するものを選んでみてください。(Yahoo!ファイナンス内 投資信託(インデックス運用)のフィルタリングされたページはこちら )

もし、あなたが投資を始めてみたいと、少しでも思っているなら、その興味や関心を実行に移してみることをおすすめします。今日をその日にしてみませんか?

フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP

フィナンシャル・ウィズダム代表。お金と幸せについてまじめに考えるファイナンシャル・プランナー。「お金の知恵」を持つことが個人を守る力になると考え、投資教育家/年金教育家として執筆・講演を行っている。日経新聞電子版にて「人生を変えるマネーハック」を好評連載中のほかPRESIDENTオンライン、東洋経済オンラインなどWEB連載は14本。近著に「『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」「共働き夫婦お金の教科書」がある。Youtube「シャープなこんにゃくチャンネル」 https://www.youtube.com/@FPyam

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