メルカリより簡単?話題の新アプリ「CASH」をFPが最速で弄ってみた~危ない使い方と賢い活用法は?

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メルカリより簡単? スマホですぐモノが売れるアプリ「CASH」

昨日からネットで話題になっているアプリがあります。「CASH」です。友人が「なんだこれ?」とSNSで話題にしていたり、SNS画面に広告が出たので気がついたという人もいることでしょう。

アプリの解説をみたところ、「手元の不要品を撮影すると査定される」「査定金額を先にもらって、後からアイテムを送ればいい」「アイテムを送りたくないと思ったら、現金を返せばいい(ただし手数料が生じる)」というのが基本的な仕組みのようです。

詳しくはオフィシャルWEBを →https://cash.jp/

ファイナンシャルプランナーとしては「これは現代版質屋」を志向したアプリだなと感じました。一方で、あやしさや効率的な使い方はどうするべきかなど疑問に思うところも多々あります。

今回は「お金の知恵」を主張するファイナンシャルプランナーとして、アプリ「CASH」の注意点や活用の余地を考えてみます。

買い取りまでの手順はこんな感じ~いくつかの利用制限もある

買い取りまでの簡単な手順はこんな感じです。

(簡単な手順)

・アプリをインストールし、SMS認証する

・買い取ってほしいアイテムのブランドやメーカー名、汚れ具合等を入力後、写真撮影する

・データが送信後、基本的には即時査定が提示され買い取りが成立する

・買い取りしてもらった金額はプールされ、出金指示を行う(出金金額は銀行振込の場合で1000円以上、コンビニ受取の場合は10000円未満。出金手数料250円がかかる)

・出金は日中なら即時反映、SMSで通知が届く

・買い取ってもらったアイテムは後日、アプリから集荷依頼をし、無料で宅配便が回収する

このとき、アイテムの買い取りについてはいくつかのルールがあります。

(買い取りのルール)

・最大20000円が1アイテムの買い取り金額の上限である

・買い取りそのものをキャンセルする場合は当日中で未出金であれば可能である

・買い取りをやめたい場合、2カ月以内に15%の上乗せ金を乗せて返金すればよい(銀行振込かコンビニ払い)

ファイナンシャルプランナーの筆者がいろいろ試用してみた

さて基本的なルールが分かったところで、いろいろ弄ってみることにしました。まずは何かを売ってキャッシュを作ってみました(ブログ等では「質入れ」と表現している人がいますが、実態は古物商なので「売る」が正解でしょう)。

ところが何でも売れるわけではありません。たとえば「無印良品」「ユニクロ」「GAP」のようなブランドカテゴリーはありません。また「ソニー」といっても最新のXperia以外は対象外なので、型落ちの旧機種を売ってみることもできませんでした。

ざっとカテゴリーを見た限り、家電品はあまりなく(例えばCASIOとかRICOHはない)、キャッシュ化するには服や装飾品のほうがいいようです。ファッションブランドはかなり網羅されているようです。

査定は即時表示される
査定は即時表示される

そこで、今や日本販売は撤退してしまった「J.CREW」の半袖シャツをようやくみつけて撮影してみたところ、写真が送信されてすぐ「1000円」の査定がつきました。レスポンスの早さは驚きです。

(査定の段階でキャンセルしたい場合、下部に表示される「今回はキャッシュにしない」を押す)

金額としては「古着として売りに行ったらこんな感じ」というやつでしょうか。写真撮影して送信したあとのレスポンスが早すぎるので、写真画像から査定しているのではなく、初期入力したブランド名やカテゴリー(シャツ)、痛み具合の自己申告(コンディションを5段階評価する)で金額が決まっているものと思われます。

(注意)テスト日は6月28日。29日午前の段階ではアクセスが殺到しているのか利用制限がかかっており、追加の買い取り申請ができない状態です。

ウォレット画面
ウォレット画面

ウォレット、のアイコンをクリックすると先ほどの査定された「1000円」がプールされています。

キャッシュを引き出す 画面
キャッシュを引き出す 画面

ここで、「キャッシュを引き出す」をクリックし、銀行口座を指定すると、手数料250円を引いた残高が振り込まれるという仕組みです。こちらも振り込み完了後SMSが届きますが、数分もかからなかったと思います。

当日中ならキャンセルできる
当日中ならキャンセルできる

なお、当日中で現金をまだ受け取っていないなら、買い取りをキャンセルすることができます。冷やかしで査定したり、金額に納得がいかない場合などは慌てずキャンセルしておきましょう(左下「アクテビティ」から当該商品をタップするとキャンセルを受け付ける画面に移動できる)

「中古品を売る」と考えた場合、お店にも行かず査定ができますし、即時に査定が行われるのは待ち時間もなく便利です。また、納得いかない場合の拒否も簡単です。持って帰るのが面倒だから仕方なく売る、という決断もせずにすみます。お金の振り込みがすぐ、というのもとても便利だと感じました。メルカリのように出品の手間もなければ、ネットオークションのように発送の手間や個人情報の問題も生じません。

しかし、気をつけるべき注意点もいくつかありそうです。

ファイナンシャルプランナーとして、こんな使い方にはご注意を

まず、大原則として「キャッシュを返す」は選択してはいけません。樋口一葉が質屋に通うとき、冬の着物を質草にお金を借り、夏の生活の足しにし、冬になると利息を乗せて着物を受け取るような生活をしていたといわれます。まさに窮乏生活です。「CASH」でお金をもらって、でもモノは手放したくないので銀行振り込みをしてお金だけ返す、というのは15%の上乗せコストがとられるので、利息を払っているようなものです(厳密にはこれは手数料とされている)。これは絶対にやめておきましょう。

ネットではiPhoneを2万円で査定してもらった例が紹介されています。しかもカメラにはiPhoneを写していない(品目としてはiPhoneを登録)ケースを笑いのネタにしているものもあります。これは即日キャンセルしないと大損です。

新しいiPhoneならソフマップにでも送れば2万円以上で買い取りしてもらえますからそもそも買い取りとしては損です。しかも現金払いでキャンセルしようとすれば23000円かかることになってしまい、これまた馬鹿らしいことです(さらに20000円をおろすとき250円も手数料で引かれている)。「冷やかし」で遊んでいた場合は落ち着いてキャンセル画面に移動してください。

一方で、「もうあまり使わないもの」で、それこそ次のゴミ捨て日にでも出してしまおうかと思っているようなもの、古着屋や中古買い取り店に出かけて売ろうかと思っていたものなら、これは自宅で簡単買い取りができるようなものですから利用価値があります

先ほどの私の古着の例などは「もう少し使えば捨てるし、ほとんど着ていないものだから」と考えれば、捨ててゼロ円のものが実質750円(手数料差し引き後)でお金になった、ということになります。

今なら「衣替えで冬服をしまおうかと思っていたけれど、いまいちだったものを、クローゼットの肥やしにするくらいなら、手放してしまおう」というようなやり方がこのアプリには向いているように思います

また出金についても一工夫しておくといいでしょう。1点買い取ってもらうごとに銀行振り込みしてもらうのではなく、まとめて出金しないと振込手数料分の250円がムダです。1000円ごとではなく5000円や10000円分くらいで出金し、250円の手数料をできるだけ少なく払うようにしましょう。

今後の拡大の可能性としていくつか注文を

29日の段階で、「CASH」は想定外のアクセスがあったとして、買い取りを一時停止しています。今後順次再開されていくと思われますが、軌道に乗ったところで期待したいのは、取扱商品の拡大です。

個人的には服をたくさん持っているタイプではないので、「売れるモノ」があまりないなと感じました。

たとえば、もしもバーコード読み取りをして書籍やコミックスの買い取りにも対応してくれれば、ブックオフを脅かす巨大買い取りシステムになりえます。家電品や雑貨等も扱ってくれるとなおうれしいところです。

あと、「当日ならキャンセル可能」というのは「買い取りから24時間」にすべきだと思います。今回はテストできなかったのですが、「23時50分に買い取り」をした場合、キャンセルできる時間が10分しかないことになってしまうからです。これはおかしいシステムだと思います。

それでもこのアプリの試みは面白いところです。「古着屋など買い取り店までモノを持って行く」という負担がなくなること、待たされず「即時に査定金額が分かること」はとても素晴らしい仕組みですし、まさにフィンテック的だと思います。うまい形でビジネスが拡大し、利用者にとっても便利なものになってくれるといいなと思います。

最後にもう一度、一番大切なことを

でも、何度も言いますがお金を受け取ったあとに「キャッシュを返す」で15%上乗せでお金を返すようなことはしちゃいけませんよ! ここを回避することが「賢く」このアプリを使う最大のポイントといってもいいでしょう。