待ちに待った初任給が半月分!でもそれはブラックではない?そんな場合のマネーサバイバル戦術

新社会人の楽しみ初任給が半分だったら、どうする?(写真:アフロ)

1カ月へろへろになって働いた初任給が10万円もなかった! どうして?

本日、4月25日は多くの会社で給与振込日です。特に大卒新社会人にとっては、へろへろになってここまで働いてきた苦労がようやく報われる最初の日です。

日本経団連の調査(2015年3月卒新規学卒者決定初任給調査結果)によると大卒事務の初任給平均は211,562円、東京都産業労働局の調査(平成27年中小企業の賃金事情)によれば大学卒初任給の平均は204,143円だそうです。

だいたい20万円くらいかなー、というイメージで就職した人は多いと思います。

ところが、給与明細をみて驚いた人も多いと思います。話に聞いていた初任給の金額とあまりにも違っているからです。

「ヤバい!ここはブラック企業だったのか?」と焦る前にチェックするべきポイントが2つあります。

税金と社会保険料がまず引かれている

今まで親の扶養のもとで生きていた学生が、名実ともに社会人となった証は、社会の維持コストを負担する、ということです。具体的にいえば税金(所得税・住民税)と社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)を払うことになります。

(※住民税は今年の所得をベースに来年かかる仕組みなので新卒にはかからない)

細かい仕組みは省略しますが、給与からまず社会保険料の本人負担分を引き、残りの額から税金を引きます。

社会保険料は、健康保険料9.96%の半分(協会けんぽ東京の場合)、厚生年金保険料17.828%の半分、雇用保険料は本人負担0.4%なので、ざっと14.3%は引かれる、ということになります。

所得税は給与から社会保険料を引き、さらに各種控除を引いた後の金額から計算しますが、新卒社会人の場合、3000~4000円程度になります。

ということで、20万円の手取りも15%くらいは引かれてしまう、ということになります。ここまではまったくブラックでもない、というわけです。ここまでなら、驚くことではないのです。

初任給の計算を「1日から15日分」とした場合、半額になってしまう

ところが、「いや15%どころか、10万円も振り込まれていないよ!」とびっくりした人もいるかと思います。話に聞いていた初任給の半分以下、ということで「やっぱり、ブラックでは!」と焦っていて、今日は仕事にならないという人もいるでしょう。

この場合、「給与計算のルール」をよく確認する必要があります。というのは、給与、特に基本給の支払いについて、「日割り」の概念があるかどうかによるからです。

給与の支払いやそれ以外の交通費や諸手当の支払いルールはすべて「賃金規程」というものがあり、そこに書かれています。まず、「賃金計算期間」というような項目をみると、会社ごとの締め日と支払日が書かれています。例えば15日締めの25日払い、月末締めの翌15日払い、というような感じです。

次に、「中途入社または中途退職の賃金計算」というような項目があって、「所定労働日数と出勤日数で按分する」というような計算式が書かれていることがあります。あるいは、基本給は1日に在籍しているなら全額支払われる(あるいは末日に在籍しているなら全額支払われる)というような文言が書かれています。

要するに「1日から15日までしか働いていない場合、25日振込額は半月分」と書かれていれば、あなたの初任給は半月分ということになるわけです。中小企業の場合、これはよくあるルールであり、これはブラックではないのです(大企業でも結構あるという情報も)。

「初任給半月」の場合まず「親へのプレゼント」は先送りするか気持ちばかりにとどめること

「ブラック企業ではなかった、来月からは満額、ざっくりいえば今の2倍出る!」と分かってほっとする人も多いと思いますが、さりとて「半月分の初任給」というのは大きな問題です。

もともとそれほど多くない新社会人の給料が、さらに半分しか支払われてない、ということは、言い換えれば来月の25日までの間、かなりのサバイバルを求められている、ということだからです。

簡単にいって、本来の1日分予算で2日を過ごすわけですから、予算は半額と考えなければなりません。

まずは、「初任給が出たら、親にご馳走する」とか「初任給が出たら、親に何かプレゼントをしよう」は予算を抑えるか、ボーナス時期まで見送るべきです。

親も、半額の給与から5000円や1万円のお祝いをしてもらい、借金暮らしになることは望んでいないはずです。現実的には予算は数千円にしておくべきでしょう。

ここで5万円でも10万円でも借金した人は、今後何年も苦しむことになる

なお、この半月分をやりくりするためにお金を借りることは絶対に避けるべきです。

消費者金融、銀行系カードローン、クレジットカード会社のキャッシング機能などを使えば、簡単に数十万円を下ろすことができます。社会人は将来の稼ぎ見込みがあるため、金融機関はお金をサクッと貸してくれるからです。とりあえず10万円もおろせば、この半月を乗り越えることはできるでしょう。

しかし、こうした借金を次のボーナスできっぱり返せる人はまれです。毎月1万円の返済義務には従っているからと安心しているとどんどん利息がかさみます。年利14%の10万円の借金を毎月1万円ずつ返していくと10.7万円を返します。つまり11カ月かかり、返し終わるのは一年後です。

こういう人はずるずると追加の借金をしますので、追加で5万円、10万円と限度額まで刈り続けることになり、実際にはいつまでも利息を払い続ける人生を送ることになります。複数の金融機関からお金を借りてしまい、給料の半分が返済に回るようになったら、どんな高賃金でももう人生はブラックです。立て直すのに何年もかかります。

「テレビCMもやっているのだし、たかが初任給の不足でしょう」と軽く考えてはいけません。どうしても借金をするのなら、親に相談してみてください。次のボーナスで返すことを約束すれば、きっと利息を要求されることはないはずです。

来月の25日まで使える金額を早く逆算して「1日予算」を確認する

さて、来月の1カ月までがサバイバルだということがはっきりしたのであれば、できることはハッキリしています。その範囲でなんとかやりくりする方法を考えるのです。

家賃や公共料金、カードの支払いが終わった段階の残高を確認、次の給与振込日までの日数を逆算し「1日予算」を計算します。

その予算が1000円なら、1000円で食費も日用品もやりくりすることを強く意識していくのです。

当然ながら、「初任給が出たらアレを買いたい」のような計画は保留です。気楽に飲み会に行くのも控えるべきですし、旅行やデートの大盤振る舞いも見送りましょう。

ゴールデンウイークが休みであれば会社に行く日は少ないので、節約した日を過ごすチャンスはたくさんあります。実家に帰れるなら食費を浮かすべきです。

問題意識がはっきりすれば、サバイバルする方法はいくらでもみつかるはずです。私も最初の1カ月、苦しい思いをしたひとりなので、「初任給が半月分」の苦労はよく分かります(しかも私はそれでプレステを買ってしまい、完全に墓穴を掘ってしまったという苦い過去を持つ)。

「初任給が半月分」は、せっかく仕事にがんばったのに、とがっかりする気分にもなりますし、実際のやりくりもかなり厳しいと思います。しかし、諦めずにがんばってみてください。

ここでやりくりをした経験は、きっとこれからの家計管理の礎にもなるはずです。