Yahoo!ニュース

渡邊雄太「日本バスケをもっと盛り上げたいと僕も塁も思っている」|レイカーズ戦後一問一答(現地10日)

杉浦大介スポーツライター
写真はプレシーズン戦時のもの(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 フェニックス・サンズの渡邊雄太が11月11日(現地10日)、本拠地フットプリント・センター(アリゾナ州フェニックス)で行われたロサンジェルス・レイカーズ戦後にメディアの取材に応じた。

 この試合で渡邊は14分23秒間のプレーでFG1/4(3P1/3)の3得点。そのほか、1リバウンド、5ファウルだった。ディフェンスでは八村塁、レブロン・ジェームズらともマッチアップ。出場時のチームの得失点差を示すプラスマイナスは-13だった。試合はサンズが119-122で敗れている。

 以下、渡邊の試合後の一問一答(すべて日本語での質疑応答。質問は要約)

リズムに乗れなかった理由はファウルトラブル

 ――今日の試合を振り返って

渡邊 : チームとしてゲームプランを遂行できなかった部分があります。打たせていい選手、確率があまりよくない選手に決められ、そこからゲームプランが崩れていって、結果的に逆転につながりました。ちょっと悔しい負け方でした。

――自身としても前半からファウルが多く、苦しい展開になった

渡邊 : ゲームプランじゃないことをチームとしてやっていて、結果、僕が遅れてファウルになった場面が2、3回ありました。 本来、自分のローテーションじゃないところをカバーしにいったんで、どうしても遅れてしまいました。あれだけ遅れるともうハードファウルも難しいですし、エンドワンが一番よくないので、ああいうときは頭を使って2点やらすべきかもしれません。かといって簡単に目の前で2点やられるのはシャクなんで、一応ヘルプは頑張っていったんですけど、決められたという感じ。おかげで自分もリズムに乗れませんでした。

――ファウルが増えることでプレーの仕方は変わるか

渡邊 : やはりアグレッシブにディフェンスできなくなってしまいます。それがやはり一番、自分の中でリズムに乗っていけなかった部分。不要なファウルというか、どうせエンドワンやられるくらいなら、あの場面だったらもういかせてしまった方がよかったかもしれません。レブロンとの1対1でローポストから押し込まれたのは完全に僕が守りきれなかった部分。ただレブロンのベースラインドライブに僕がベースライン側からヘルプにいったやつとか、AD(アンソニー・デイビス)のダンクのやつとかは、本来、別の動きがあるはずが、チームとしてやれていなかったために僕がいったプレーでした。ああいう場面は(2点覚悟で)いかすっていうのもやらないといけないのかなと少し思いました。

――今さらながら、レブロンのすごさはどこに感じるか

渡邊 : トランジションでドライブ仕掛けられたら、ファウルする以外、正直やれることはないですね。僕だけに限らず、NBA全体でも、正直、彼のドライブに対する止め方、特にトランジションでの止め方はないと思っているので、本当に対戦相手としては嫌な選手です。

――八村との対戦はどうだったか

渡邊 : 彼も脳震盪から復帰してまたこれからリズムを掴んでいくところだと思います。彼の3P、スティールからのダンクとか、ウチとしては結構痛かったですね。こうやって同じコートに立ち、切磋琢磨できるのはいいことだなと思います。

レイカーズ戦後、日本メディアの質問に応えた渡邊雄太 撮影・杉浦大介
レイカーズ戦後、日本メディアの質問に応えた渡邊雄太 撮影・杉浦大介

 ――ここまで過去5シーズンと比べてプレータイムは長い

渡邊 : 正直、パフォーマンスは上がってきていません。他にもいい選手はベンチにもたくさんいますし、今のプレーを続けていたらミニッツも本当に危なくなると思っています。自分自身、ノリ切れてない部分があるんで、そこは修正しなければいけないですし、もう少しシュートの確率を上げていきたいと思っています。

――それだけコートに出ていることでのチームからの期待感を感じるか

渡邊 : 今の自分の役割はシュートを決めること。それがそこまで確率が上がっていないということは、自分の仕事ができていないということになります。こういう試合を続けてしまっていたら、コーチからの信頼もなくなってしまいます。自分自身も、チームとしてもそうなんですけど、何かノリきれない部分があります。何か1つ噛み合えば、チームとしても個人としてもリズムよくプレーできるようになると思うんですけど、今は自分の中で上手くハマっていないという感じはします。

――NBA初のインシーズン・トーナメントで気持ちの違いは

渡邊 : レギュラーシーズンの1試合としてもカウントしますし、今回初めての試みで、チームとしても目標は優勝することです。1敗から始まりましたけど、まだまだグループ内で勝っていけば可能性はあると思うので、あまり今日の負けに囚われ過ぎず、しっかり切り替えてやっていけたらと思います。

――こういう大舞台で八村選手とマッチアップすることを改めてどう思うか

渡邊 : もうたくさんやっているので、いい意味で慣れたというと変ですけど、彼は特に1年目からずっと試合に出ていて、僕も3年目くらいからちょっとずつ試合に出だして、コートで対戦することは結構あったので、今日特別とかそういうことは一切感じなかったです。実際、レイカーズともこないだ試合やったばかりですし。それでも日本のバスケットをもっと盛り上げていきたいというのは僕も塁も思っているところなので、僕自身ももっとパフォーマンスを上げて、今後もしっかりプレータイムをもらえるようにしていかなければと思っています。

 ――試合後、八村選手とコート上で少し話していた時はユニホームをもらう話をしていたのか

渡邊 : いえいえ、ユニホームはもうもらいました。前回、開幕2試合目にLAで試合をやった後にもらったんで、もうユニホームの件は完結しました(笑)

――サンズはケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールのビッグ3がなかなか揃わず、そろそろフラストレーションも感じているのでは

渡邊 : やはり負けると、どんな負け方でもフラストレーションはたまります。9試合を終わって4勝5敗ですか。こんな成績でいるようなチームではないと思うので、僕自身、パフォーマンスが上がってきていないことにフラストレーションがありますし、チームとしてもなかなか波に乗り切れていない部分でちょっとフラストレーションがあります。何か1つ噛み合えば、だと思うので、自分たちでそれを見つけるために、噛み合わせみたいなものをしっかりやっていくために、日頃の練習から取り組んでいけたらと思います。

 関連記事

 渡邊雄太「シューターは打つのをやめたら終わり」|76ers戦後一問一答(現地4日)

 渡邊雄太「3P成功ゼロは今の僕には許されない」|スパーズ戦後一問一答(現地11月1日)

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

杉浦大介の最近の記事