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渡邊雄太「3P成功ゼロは今の僕には許されない」|スパーズ戦後一問一答(現地11月1日)

杉浦大介スポーツライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 フェニックス・サンズの渡邊雄太が11月2日(現地11月1日)、本拠地フットプリント・センター(アリゾナ州フェニックス)で行われたサンアントニオ・スパーズ戦後にメディアの取材に応じた。

 この試合で渡邊は26分1秒間のプレイで3Pショット4本試投を含むフィールドゴール5本中1本成功、フリースロー2本中1本成功の3得点。そのほか、4リバウンド、1アシストをマークした。ターンオーバーはなく、ファウルは1、出場時のチームの得失点差を示すプラスマイナスは±0だった。試合はサンズが前半に最大27点差をつけられ、後半の猛追も及ばず、121-132で敗れている。

 以下、渡邊の試合後の一問一答(すべて日本語での質疑応答。質問は要約)。

しっかりと修正し、切り替えて

――2日前の逆転負けと反対の流れだったが、結果的には敗れてスパーズに2連敗になった

渡邊 : 正直、前半がすべてかなという感じでした。相手のシュートが当たっていたというのもありますけど、もっといいディフェンスができたと思いますし、今日の負けに関しては自分たちのせい。僕個人としても今日は反省点は多いです。しっかりと反省し、次またすぐアウェイの試合が始まるんで、必要以上に一喜一憂はせずにやっていけたらなとは思います。

――ディフェンスの緊張感のなさが前戦の後半から続いてしまっていたのか

渡邊 : そうですね。もうちょっとフィジカルにディフェンスをやっていこうと話し合ってはいたんですけど、前半は特に外からかなり決められ、ウチとしてもあたふたした展開になっていました。長いシーズンが続きますし、さっきも言ったように、反省するところはもちろんしっかりしなければいけないですけど、82試合の中の1試合。この2試合の負け方はよくはないんで、しっかりと修正するところは修正し、切り替えるところは切り替えてやっていけたらと思います。

――第3、4クォーター開始から起用されたのは守備力を買われたのか

渡邊 : 僕が出ている時間帯、(ビクター・)ウェンバンヤマが僕のところについている時間が多かったので、彼がペイント近くにいるとドライブもしにくいですし、僕を入れることによってスペーシングを広げるという意図がありました。それで実際、スペースは開けられたと思います。ただ、今日の自分の3P0/4に関しては、シュートが入らない日があるにしても、今の自分だったら(成功)ゼロはちょっと許されないという感じです。

ウェンバンヤマは「何年も相手にしていかなければいけない選手」

――ウェンバンヤマのすごさは改めてどこに感じたか

渡邊 : あれだけの身長があり、あれだけ動けたら、ウチとしても守り方は相当苦労しました。ウチがオフェンスで彼がディフェンスの時も、あの高さがリング下にいられるとやっぱりなかなかシュートにいけないですね。僕もワイドオープンであっても、彼がシュートチェックに来てると、今日のコーナーだったりとか、前回の試合もそうですけど、あの高さは正直気になったところがあります。それは自分がまた成長しなければいけない部分ですし、これから自分がNBAでもっともっと長くやっていくとなったときに、何年も相手にしていかなければいけない選手です。あの高さだったり、あの長さは彼くらいしかいないんですけど、早く対応しなければいけないと思います。

――ウェンバンヤマのことを生き生きと語っているようにも聞こえるが、ああいうすごい素材との対戦は喜びでもあるのか

渡邊 : 誰もあまり見たことがないタイプ。ボル・ボルがいたりだとかはしますけど、また身長も一段と高いですし、本当にこれからの選手。個人的にどういう成長をしていくのかっていうのは楽しみではあります。ただ、相手チームなんでそんな呑気なことは言っていられないです。今日も特に途中、ちょっと打つ手がなくなっていました。リング近くにボールを放られて、そこにリングがあるという感じ。本当にすごくいい選手だと思いますし、あの若さでチームを引っ張っていました。自分自身としても、チームとしても対策はしっかりしつつ、この先も対戦することは何回もあるので、あの高さだったり、長さっていうところに対応できるだけのシュート力を自分もつけていきたいと思っています。

――明日からNBAにとって初めての試みであるインシーズン・トーナメントが始まるが、選手の受け取り方は

渡邊 : 決勝以外は82試合の中に含まれているわけですし、それがあってもなくても自分たちのやることは変わりません。ただ、優勝を目指すっていうところでちょっと気は引き締まる部分はあると思います。優勝という1つのゴールがあることは、自分たちのモチベーションにはなりますよね。NBAの長い歴史の中でも初めての試みに自分がいられるのはありがたいこと。しっかりそこで優勝できるようにしていきたいと思います。

――インシーズン・トーナメントはカレッジでは普通に行われ、ジョージ・ワシントン時代に優勝経験もある。実際にやってみたら、気持ち的に変わってくる部分もあるのでは

渡邊 : (優勝したのは)ハワイでの大会で、1年の時です。そうですね、特に決勝に進んだら何か感じるところはあると思います。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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