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”ネクスト・ロイ・ジョーンズ Jr”は本物か 米最大級のウェルター級プロスペクト、ジャロン・エニス

杉浦大介スポーツライター
Photo By Stephanie Trapp/SHOWTIME

1月20日 アトランティックシティ オーシャン・カジノ・リゾート

ウェルター級10回戦

ジャロン・”ブーツ”・エニス(アメリカ/22歳/24戦全勝(22KO))

バクティアル・ユーボフ(カザフスタン/33歳/14勝(12KO)1敗1分)

生粋のスイッチヒッター

ーー2020年最初のリング登場はShowtimeで全米中継される舞台ですが、どんなファイトを見せたいですか?

JE : 僕の持っている能力をすべて見せてアピールしたいです。スピード、パワー、馬力、巧さ、ディフェンス、そしてKOする力。そのすべてです。 

ーーオールラウンドなあなたの能力も徐々に知られ、今では米最大級のプロスペクトと認識されるようになりました。自身の長所の中で最も誇りに思っている部分は?

JE : スイッチの上手さですね。オーソドックス、サウスポーの両方を使いこなそうとする選手は多いですが、僕のようにスムーズにスイッチするボクサーはなかなかいないと思っています。

ーー確かにあなたは非常にナチュラルにスイッチしますが、そのスタイルはどうやって身に付けたのでしょうか?

JE : もともとサウスポーだったんです。その後、(トレーナーの)父親にオーソドックスでの戦い方を教え込まれました。その両方で練習を続けるうちに、自然とスイッチでの戦いが身についていったというわけです。

ーー一方、自身でもっと向上させなければいけないと考えている部分は?

JE : もっとリラックスして戦えるようにならなければいけないと思っています。より落ち着いて戦えるように、というのが今の目標です。

ーーダニー・ガルシア、ジュリアン・ウィリアムズといった選手たちを先頭に、最近はフィラデルフィアに多くの好選手が集まり始めています。自分もフィリー新時代を代表する一人になるという気持ちはありますか?

JE : それは間違いないですよ。僕もフィラデルフィアを代表するボクサーになっていくつもりです。まだ僕は他の一部の選手たちほど派手に露出しているわけではありません。ただ、最近ではShowtimeで毎試合のように僕のファイトが放送されるようになって、今後、知名度も上げていけると思っています。

2020年中にタイトル挑戦が果たせるか

ーー仰る通り、20戦前後をこなすまで実力ほどに知名度が上がってこなかった理由の1つとして、メジャーなプロモーターと契約していないことが挙げられると思います。今後、他のプロモーターとの契約も考えますか?

JE : 僕は父親と現在のプロモーター(キャメロン・ダンキン)にビジネス面を取り仕切ってもらうことで、より快適に戦えるんですよ。とにかく今はボクシングだけに集中したいんです。

ーー今回の試合前、メインイベントに登場するクラレッサ・シールズがあなたを”ネクスト・ロイ・ジョーンズ Jr.”と呼んだことが話題になりました。そんな呼称は気に入っていますか?

JE : そうですね(嬉しそうに笑う)。今回に限らず、これまでも言われてきたことです。ロイ・ジョーンズは僕のフェイバリット・ファイターの一人だったので、そんな風に呼ばれることは嬉しいですよ。彼のスタイルを真似したことはありませんが、影響を受けているとは思います。

ーーロイ・ジョーンズ以外で好きだった選手は?

JE : 父親と2人の兄もプロボクサーだったので、彼らに憧れていました。あとはロイ、フロイド(・メイウェザー・ジュニア)、パーネル(・ウィテカー)です。

ーー2020年は重要な年になると思いますが、今年中に何を成し遂げたいですか?

JE : 今年が終わるまでに世界タイトルに挑戦するか、少なくともエリミネーターまでは辿り着きたいですね。戦う相手は誰でも構いません。最近は世界ランクも上がってきたので、早くチャンピオンと戦いたいです。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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