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ロマチェンコの挑戦者候補? トップランク期待のライト級プロスペクト、テオフィモ・ロペス(アメリカ)

杉浦大介スポーツライター
Photo By Mikey Williams/Top Rank

12月8日 マディソン・スクウェア・ガーデン・シアター

NABFライト級王座決定戦

メイソン・メナード(アメリカ/30歳/34勝(24KO)3敗)

テオフィモ・ロペス(アメリカ/21歳/10勝全勝(8KO))

”テオフィモ・テイクオーバー”継続中

ーーメナードとのNABF王座決定戦が間近に迫っていますが、手応えはいかがですか?

TL : すでに自分がチャンプであるように感じていますよ。(ESPN生中継を)多くの人が見てくれるはずで、とてもエキサイトしています。今回も”the takeover(奪取、獲得/ロペスと陣営が好んで使うキャッチコピー)“の心構えで臨みます。

ーーYahoo! スポーツが選定する去年の年間最高プロスペクトに選出されるなど、短期間にその名を知られるようになりました。ここまでのキャリアの推移には満足していますか?

TL : はい、とても満足しています。ESPNをプラットフォームに、僕個人のチームとトップランクが上手に僕を売り出してくれていると思います。視界は良好で、これほど早く今いる位置にまで辿り着けるとは思わなかったというのが正直なところ。今後、さらに上昇していきたいですね。

ーー人気急上昇の理由の1つはあなたはアグレッシブで、エキサイティングなファイトを見せることだと感じています。KOはいつも狙っているんですか?

TL : 必ずしも常にKO狙いというわけではありません。ただ、ファンに喜んでもらうことを念頭に、KOのチャンスがあったら詰めにはいきます。ボクシングを観に来るファンはみんなノックアウトを望んでいますからね。僕はリングに爆発力と楽しさをもたらすことができる。そのための努力はしているつもりです。

ーーブルックリン出身で、MSG登場はこれが4度目になります。この会場でのファイトはやはり特別ですか? 

TL : (MSGは)ボクシングのメッカ。マイク・タイソン(アメリカ)、ミゲール・コット(プエルトリコ)をはじめとする偉大な王者たちがここで戦って来ました。僕の家族もニューヨークに住んでいますし、そういった意味でもここでの試合は大切です。これまで僕はMSGでは3連続KO。今週末にその記録が4連続に伸びるはずです。

ーー幼少期のフェイバリット・ファイターは?今、名前が出たタイソンですか? 

TL : はい、僕はタイソンのファンでした。それからフロイド・メイウェザー、ロイ・ジョーンズ・ジュニア、モハメド・アリ(すべてアメリカ)。アリに関してはその振る舞い、自信、カリスマ性に魅了されてきました。そういった偉大な選手が僕の憧れだったんです。タイソンは日本でも試合をしたんですよね?

ーータイソンの初黒星は日本で喫したものです。 

TL : そう、負けたんでしたね。それでもタイソンは日本にも多くのファンがいるはず。僕もそういう風になっていきたいです。

ロマチェンコも恐れない

ーー練習時に参考にしているボクサーはいますか? 

TL : 特にいません。僕のスタイルはオリジナル。“ネクスト・メイウェザー”とか、“タイソンのようにアグレッシブ”なんて言われたりもして、素晴らしい賞賛ではありますが、誰かに例えられることは個人的に好きではありません。僕はテオフィオ・ロペス。僕らしく戦っていきたいんです。

ーーランキングも上昇し、「今すぐにでもワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に挑戦したい」という希望も聴きました。実際にロマチェンコと対戦するとしたら、どんな心構え、ファイトプランで臨むのでしょう? 

TL : 他の選手たちはロマチェンコをリスペクトしすぎていて、恐れてしまうのでしょう。僕は誰も恐れません。ロマチェンコだからといって、特別な相手とは考えません。彼の技術は高く評価されていて、実際にフットワークは凄いですが、それだけです。彼が得意のコンビネーションを繰り出すためにはインサイドに入り込まなければいけませんが、それを許さない手段はあります。その時が来たら、皆さんに示すことになるでしょう。

ーーロマチェンコ以外に戦いたい相手はいますか? 

TL : ライト級のすべての王者たちです。ホセ・ペドラザ(プエルトリコ)とも戦いたかったですが、ロマチェンコとの統一戦の後でもタイトルホルダーが一人減りますね。IBF王座は空位になり、僕がそのタイトルに挑めるようにトップランクに尽力してもらいたい。マイキー・ガルシア(アメリカ)が上の階級に残ればWBCタイトルも空位になるので、その王座も僕が争いたいです。来年初めにはレイ・ベルトラン(メキシコ)とも戦いたいですね。僕が元王者相手にどんな戦いをするか、ファンは興味を持つでしょう。とにかく、ビッグネームとビッグファイトがしたいんです。

ーー2019年の目標は世界タイトルの奪取ですか? 

TL : はい、来年の目標は世界王者になることです。

MSGからプレゼントされたカスタマイズのニックスジャージーを嬉しそうに筆者に見せるロペス。ビッグマウスの自信家だが、21歳らしいあどけなさも随所に見せる。 (杉浦大介)
MSGからプレゼントされたカスタマイズのニックスジャージーを嬉しそうに筆者に見せるロペス。ビッグマウスの自信家だが、21歳らしいあどけなさも随所に見せる。 (杉浦大介)

ーーボクサーとしての最終的な目標は? 

TL : 人々がボクシングについて語るとき、常に名前が挙がるような存在になることです。偉大な選手の1人になりたい。モハメド・アリ、シュガー・レイ・レナード(アメリカ)、タイソンのような選手たちが含まれるリストに入りたい。僕の名前を歴史に刻み、決して忘れられないようなボクサーになりたい。僕は3、4、5、8位ではなく、現代を代表するボクサーになりたい。そして、その過程で稼いだお金を周囲の人たちにも還元していきたいと思っています。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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