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不登校30万人「不登校は私がわがままで悪いの?」そんなことないよ、誰かと話してみよう#専門家のまとめ

末冨芳日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員
川崎市子ども夢パークのように不登校の子もどの子も遊び学べる居場所が増えますように

文部科学省調査では昨年度の全国の小中学校における不登校の児童生徒数は、約30万人(29万9048人)でした。滋賀県の東近江市長の心ない発言で「不登校は私がわがままで悪いの?」と悲しくなっておられる方もいると思います。

心配しないでください。不登校はあなたが悪いのでも、親が悪いのでもありません。

実は、私も一時的にですが、不登校の子のママになったことがあります。

誰でも不登校になる時代です。

でも、いざ不登校になると、親子ともどうしていいかわからない。私も子どももそうでした。

だからこそ、同じ思いをされているみなさんのために、不登校とどう向き合うか、相談先は?、主な情報をまとめました。

▼「不登校は親の責任」ではありません、「休んでいいよ」で子どもの命を守ろう(不登校新聞)

「不登校は親の責任」ではありません【全文公開】不登校新聞

※日本で唯一の不登校専門紙「不登校新聞」による記事。

 東近江市長の心ない発言を受け「保護者のみなさん、大丈夫です」「不登校は親の責任」ではありません、と数多くの不登校の親子に向き合ってきた経験から発信してくださっています。

▼学校休んだほうがいいよチェックリスト(精神科医監修の無料のLINEチェック)

▼チャイルドライン(18歳までの子ども若者が電話・チャット・つぶやくなど、無料で相談できる)

18歳までの子どもがつながるチャイルドライン(特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター)

※チャイルドラインの約束(安心して話してもらうために)

あなたが子どもでも、無料で相談できます。名前や連絡先や学校名は、言わなくてかまいません。話の内容や、チャイルドラインに相談したということが、あなたの許可なく、家族や学校の先生、周りの人に知られることはありません。

▼文部科学省・子供(こども)のSOSの相談窓口

子供(こども)のSOSの相談窓口(文部科学省)

※SNS相談、電話相談、地元の相談窓口が探せます。

 いじめで困ったり、友達や先生のことで不安や悩みがあったりしたら、一人で悩まず、いつでもすぐ相談してください。

(ご協力くださった文部科学省のみなさんに感謝申し上げます。)

▼フリースクール通いたいなという方は『フリースクール白書』をチェック!

最後にもう一度、伝えますね。

不登校はあなたが悪いのでもわがままでもないのです。

もちろん親の責任でもありません。

いじめや教員からの不適切指導などの理由があっても、明確な理由がなくても、不登校、不安なのは子どもも親も同じです。

学校いきづらくなっちゃった、どうしよう。

相談じゃなくても良いので、ちょっとだけ不安を伝えたり、ただのおしゃべりでも大丈夫、とにかく誰かと話してみること。

SNSや電話、チャットなど、あなたにあったやり方で大丈夫ですよ。

信頼できる家族や友達、学校の先生、かかりつけのお医者さん、私も親として不安を受け止めてもらいました。

学校に行く人生がすべてではありません。

まず、しっかり休むこと。

休んだあとに、自分のこれからのこと考えてもいいなと思ったら、次にどうしようと、誰かと話をしてみること。

日本には、多様な生き方、学びの選択肢があります。

だから、心配しないでください。

あなたは一人じゃない、私もあなたの友達です。

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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