高畑充希主演・ドラマ「同期のサクラ」から見る自分ゴトで行動する秘訣

(写真:Motoo Naka/アフロ)

こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永です。

中途の人材採用支援をしつつ、月20万人以上の読者を持つ「すべらない転職」というメディアを運営している中で、Yahoo!ニュース上では2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。

11月に入り、秋ドラマも中盤に差し掛かっています。毎年「当たりが多い」と呼び声高い秋ドラマですが、今季、主に社会人に呼び声高い作品の一つに、高畑充希さん主演「同期のサクラ」があるのではないでしょうか。

大手ゼネコン会社で働く様子は華やかな仕事ばかりでない雑務や仕事上の大変さまで色濃く描かれ話題を呼んでいるほか、社会人に突き刺さる熱い台詞がSNS上を賑わせ、ツイッター上で毎回トレンド入りしています。

秋ドラマでもうひとつ注目ドラマがあります。それは高畑充希主演の“カホコ”チームが再集結したお仕事ドラマ『同期のサクラ』。第2話以降、ぐいぐい数字を伸ばしています。一桁台の8.1%でスタートするも、第2話から9.5%に一気に上昇、第4話では11.5%をマーク。遊川和彦脚本のざわざわさせるストーリー展開とメモしたくなる台詞がSNS上も賑わせ、ツイッター上でしっかりトレンド入りさせています。

出典:【秋ドラマの注目3本】圧勝は『ドクターX』見逃せないのは『同期のサクラ』で決まり!

中でも、「政治家に聞かせたい」「上司に聞かせたい」などと自分の所属する組織や社会に重ね合わせた共感ツイートが目立っています。

まるで、言いたかったことをサクラや周りの社員たちが代弁してくれているような台詞ですもんね。

「同期のサクラ」では、毎回異なる社員がクローズアップされ、彼ら彼女らの課題を高畑さん演じるサクラと共に解決していく話になっています。その中で私自身最大の見どころだな、と感じるのは、「おじいちゃん」の名言でもサクラの名言でもなく、周りの社員の変化していく姿です。サクラが「自分ごと」として仲間の問題を捉えるのと反対に、当事者の問題なのにもかかわらず投げやりになったり自分のせいではないとしてしまっていた周りの社員。そんな彼らがサクラのように自責に捉え行動できるように変化していく姿は、ある種「学生マインド」から「社会人マインド」に変化していく姿に似ているな、と感じます。

そんなことを思っている中で、先ほどの共感ツイートは、見方によってはある種「自分ではどうにもならない」と諦めをしてしまっているように感じます。これでは、変化する前の社員のように「他人ごと」として捉えてしまっていますよね。

私自身、日頃転職エージェントとして多くの転職者の方のご相談に乗っている中で、働く上での問題状況を「他人ごと」として捉えてしまい、逃げ出すために「転職したい」とおっしゃる社会人の方は非常に多いです。ネガティブな理由だけでの転職は成功しません。弊社のメディア「すべらない転職」で詳しく述べていますが、客観的に見て、「自分の力で変えられないことなのか」という点を面接官の方はチェックしているからですね。また、「転職する気はないが」と現職で文句を言ってばかりでも、現職での問題は何も解決せず、文句を言う生活が続くだけですよね。

不満や問題に対して、何らかの行動を取れば、不満や問題が解消することがあります。そのためにしっかり行動したのかどうかが、これにあたります。

例えば、何かしら制約条件があり不満や課題を感じていた場合、それを現状改善するために自分なりにこういうような努力やアクションをしました、というのが大事です。

具体的には、上司に掛け合ってみたとか、そのようなアクションをした上で、どうしてもそれが打破できなかったなど。

他にも、物理的な制約条件だったことを証明した上で、仕方なく最後の手段として転職という手段に移ったという伝え方ができるとベストですね。

出典:転職理由を面接で上手く伝える方法!面接官にハマる回答例付き!

「じゃあ、自分ごととして捉えてやってみよう」と思っても、なかなかできないのではないかと思いますし、ましてやサクラのように周りの空気を読まずに行動してしまったら様々なリスクが考えられます。ましてやドラマ内のように、日本型の組織では、左遷されてしまうことだってあります。

そのため、今回は、自分ごととして捉える時に有効な「アソシエイトとディソシエイト」についてお話ししたいと思います。

アソシエイトとディソシエイト

そもそもアソシエイト・ディソシエイトとはなんでしょうか?

アソシエイト・ディソシエイトとは、NLP(神経言語プログラミング)の手法の一つです。アソシエイトは自分自身の視点から、ディソシエイトは相手の視点や第三者の視点から物事を捉えることを指します。

アソシエイトとは、物事を主観的に見ている状態で反対にディソシエイトとは、物事を客観的に見ている状態を指します。

アソシエイトとディソシエイトの考え方は、NLP(神経言語プログラミング)のワークでよく使用される重要な観念です。

出典:アソシエイトとディソシエイト

「自分ごととして捉えましょう」と言われたら、「アソシエイト」の方かな、と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ところが、NLPでは、アソシエイトとディソシエイト両方の切り替えを行い続けることが重要であると言われています。自分視点に立ったり、相手の視点に立ったり、宙に浮いて全体を見る視点に立ったり、を繰り返すイメージですね。

アソシエイトとディソシエイトを繰り返す利点

では、アソシエイトとディソシエイトを繰り返す利点とは何でしょうか?

自分の巻き込まれている状況を客観視し、解決策を見出すことができるということです。

あくまで個人的な解釈ですが、「同期のサクラ」のサクラは、まるでディソシエイトの視点を周囲の社員に教えてくれる存在のようだと思います。

例えば、「同期のサクラ」の第5話でクローズアップされた新田真剣佑さん演じる葵の立場に立ったとしましょう。この話の中で葵は、国家官僚の家族と、「コネ入社で入ったんだから家族に説得しろ」と言う部署の人たちの板挟みになっていました。その時、彼は自分の身に起こった不幸に文句を言ってばかりでした。自分自身の感情に深入りしているので、アソシエイトの状態に偏った状況ですね。

そこでサクラは、葵の感情にも入り込みアソシエイト状態にありながら、客観的に国家官僚の家族の思いや会社の視点にも立ちディソシエイトの状態で、葵のそばにいました。

そのおかげで葵は自らの力で同僚の視点や同期の視点にまで視野を広げることができ、さらにそこからそれぞれの思いや行動に至った背景まで心を配ることができたのです。

これは、ディソシエイトして多数の視点を得ただけでなく、アソシエイトの状態で自分自身の思いに深く入り込む経験があったからこそ、周囲の人にも事情があるということを理解し、周囲の人の心に響く思いを伝えることができたのだと思います。

共感ではなく行動を

このように、自分の状況を客観視し、「アソシエイトに偏り過ぎているな」という気づいたらディソシエイトに切り替えてみるだけで、サクラや同期たちのように、何か前向きな行動ができるかもしれません。

個人的な意見にはなりますが、「同期のサクラ」チームが目指しているのは、「〇〇に聞かせたい」とツイートしたり、心の中で感じてもらうのではなく、観ている方にサクラたちのように前向きな行動をしてもらうことなのではないでしょうか?

ぜひ、「アソシエイトとディソシエイトの繰り返し」から行動を始め、あなたの社会人・一人の人間としての成長に繋げていきましょう。