いま再注目されているIT専門家・フリーランス活用の可能性とメリット

先日、従業員30名未満のシステム開発会社の経営者の方とお話をする機会がありました。

その会社は誰もが知っている大手上場企業とも取引があり、優秀なエンジニアやディレクターを何名も抱えています。

小規模ながら安定した業績を毎年残している隠れたホワイト企業です。

しかし、最近では開発エンジニアの採用で苦戦しているそうで、リソース不足のため仕事を断ることも出てきているそうです。

その経営者は「優秀なエンジニア採用が難しいから、フリーエンジニアの方に仕事を手伝ってもらっている」と悩んでいました。

社内にいるスタッフの半分は外注しているフリーエンジニアだそうです。

私は「フリーランスがたくさん社内にいるなんて素晴らしいですね!そのまま継続されたほうが良いと思いますよ!」と伝えました。

経営者の方は「えっ!?フリーランスが多いほうがいいの?中途採用が全然上手くいかないままで大丈夫なんですかね・・?」と疑問を持たれていました。

大手など一定規模の会社では既に当たり前な手法ですが、個人的に、より多くの中小企業経営者や採用担当者に知ってほしいのが『フリーランスの活用』です。

本来ならば転職エージェントとしては正社員の中途採用をオススメすべきなのかもしれませんが、採用に苦戦している企業は、そこで立ち止まらず、フリーランスを活用する道を模索する事をオススメします。

今回は、今更?と思われるかもしれませんが、ここ最近再度注目を集め始めているフリーランス活用をオススメする理由とメリットについてまとめてみました。

採用が決まらないときにどうするか?

労働人口の減少や、好況による売り手市場と言われる昨今、残念ながら、中小企業や知名度の低い企業が求人広告や人材紹介(転職エージェント)という手法を活用すれば簡単に採用が決まるという時代ではありません。

実際に、求人広告を出しても応募がない、人材紹介会社から魅力的な候補者が来ないという企業の課題を多く聞きます。

(もちろん弊社は知名度の低い会社様こそ尽力して採用サポートはしておりますが・・)

有名なサービスを展開しているわけでもない、待遇が高いわけでもない会社が採用に苦戦するのは仕方がないことです。

かといって簡単には待遇を上げることはできません。

人は増やさなければいけないけれど、採用はできていないという状況は多いと思います。

まだ余裕があるうちに採用を進めていれば良いですが、慢性的な人手不足の状態をいつまでも続けるのはよくありません。

そんな状況になってしまう前に、『フリーランスの活用』を選択肢として考えると良いと思います。

以下にフリーランスのメリットを3つご紹介させていただきます。

メリット1.スキルや経験のみ求められる

フリーランス契約は期間限定の業務委託契約になることも多く、スキルや経験のみをより重視して求めることができます。

一般的な中途社員採用では企業側は年齢・性格・価値観といったより人物面に関する項目が求められますが、フリーランス契約はスキルや経験のみ重視できます。(もちろん実際はある程度の人柄は重視するものですが)

過去、私が大手人材紹介会社在籍時に、営業として、浅草橋にある雑貨・玩具卸問屋の社長に、ECサイトの立ち上げを提案していました。

社長としても、百貨店への卸売の売上減少を補填するために、早めに異なる新規販路を開拓していきたい、直販ルートを確保する事で粗利率も高めたいという課題を強く持っており、ECサイト立ち上げに対しては前向きに検討してくれていたものの、いざECサイトの立ち上げや運用経験者を採用しようと思うと、なかなか応募は来ず、またご紹介してもカルチャーマッチしなかったり、辞退になってしまうケースが多くあり、ECサイトの立ち上げプロジェクトが頓挫してしまいました。

平均年齢40代以上の浅草橋にある老舗の卸問屋の風土と、20代・30代中心のIT・Web業界の風土とは大きく異なり、デジタルなスキルや経験や待遇などだけでマッチングする事が難しいという現実に直面したのです。

新規事業や新規サービスを始める際に、プロジェクトに適した専門スキルや知識を有しているメンバーを集められるメリットは大きいです。

期間限定で専門スキルのあるチームに入れるほうが短期間でサービスを立ち上げられます。

未経験のメンバーでトラン&エラーを繰り返すよりも、はるかに効率的です。

しかし、その際、社内に知見があり教育ができるメンバーもいない中での社員採用は難しく、前述したとおりカルチャーのミスマッチのリスクも大きい。

そこでフリーランスであれば、一定期間限定という点で、お互いに良い意味で割り切った付き合いができるのです。

メリット2.採用に繋がる可能性もある

また、業務委託のフリーランスとして付き合いが始まり、正社員になるというケースもあります。

本人のスキルは保障されているわけですから、企業から見れば魅力的な人材と言えます。

しかも、前述で触れた課題であるカルチャーマッチについても、入社時点で会社の文化やルールを事前に理解してくれています。

一緒に働きたいと思える人物がいたら、それとなく誘ってみてはいかがでしょうか。

ただし、断られることが高いことを理解しておきましょう。

優秀なフリーランスの方は収入も多く、本人が希望してフリーでの活動をしています。

また、複数の会社の業務委託の契約期間が残っている可能性もあります。

入社後も副業として一部認めるのか、会社側に働き方の多様性が求められる場合もあります。

メリット3.増えている優秀なフリーランスとの出会いの場

冒頭でお話ししたシステム開発会社は、経営者の知り合いや従業員の友達ネットワーク経由で優秀なフリーエンジニアを見つけていました。

経営者の方は気づいていませんでしたが、優秀なフリーエンジニアとのネットワークは貴重で、その意味では恵まれていると言えます。

こういったネットワークが全くない会社も多いと思いますが、最近ではレベルの高いIT系フリーランスとの出会いの場を創出してくれるマッチングサービスが増えてきています。

例えば、IT/Web系に強いフリーランスのマッチング支援サービス『ITPRO PARTNERS』や『サーキュレーション』、IT・Webフリーエンジニア(個人事業主)のための求人・案件情報サイト『レバテックフリーランス』といったサービスが普及してきています。

他にも、著者の古巣のリクルートキャリアの新規事業のサービスで、フリーランスではないのですが、大手企業在籍社員が仕事を辞めずに成長企業の経営に参画できる『サンカク』といったサービスで、大手企業在籍者の中から自社のニーズに合った専門アドバイザーを探す企業もいるようです。

フリーランス活用の注意点

フリーランスの方に活躍してもらえる環境づくりも必要です。

オフィス環境だけでなく、考え方が大切です。

いわゆる下請け業者のような扱いや、プロジェクトの丸投げをする行為はNGです。

常駐を依頼する場合は職場環境にも気にする必要があり、稼働日数が少ない場合は、対面もしくは非対面でもSkypeでのビデオチャット等で、定期的なコミュニケーションが大切になります。

なにより大切なビジネスパートナーとして一緒に頑張ろうとする気持ちが一番大切です。

まとめ

日本には、「うちは内製にこだわっており、外注はしない」というスタンスの経営者も多くいます。

雇用を生むという点で、自社雇用を大切にする考え方は素晴らしいですが、採用に苦戦して経営やプロジェクト進捗にも影響が出ているのであれば、違う方法にチャレンジすることも必要だと私は思います。

弊社も中途の転職支援サービスを提供している立場もありますし(苦笑)、決して中途採用を諦めてほしいということではありませんが、採用はゴール・目的ではなく、あくまで事業の進捗や成功が目的と考えれば、ときには違う視点から考えてみたり、発想を変えてみたりすることも必要かもしれません。

人手不足を補う方法としてフリーランスを活用してみてはいかがでしょうか。