リファラー・知人紹介経由の転職・採用活動の可能性

社員の知人や友人を紹介・推薦してもらうことをリファーラル採用もしくはリファーラルリクルーティングと呼ばれており、NHKでも特集されるなど注目を浴びています。なぜ今注目を浴びているのか、中途採用のプロである転職エージェントの視点から、そのメリットや導入の注意点についてまとめました。

知人紹介転職サービスの登場

最近、知人紹介経由での転職を支援するサービスが上場企業など複数のベンチャーキャピタルファンドから資金調達をして、人材業界界隈では、注目と物議を醸しておりました。

私個人は、面白い取り組みだと感じておりますが、転職エージェントの方々からすれば、有料職業紹介免許にのっとって、重い固定費を抱えて、キャリアアドバイザー職種の人材を採用・教育してきたのに、紹介免許を持たない個人が友人・知人を紹介し、報酬を得るのは、免許の規定を違反しているのではないか、という議論のようです。

これは法律解釈次第で、色々と意見が分かれると思いますので、判断は、東京労働局需給調整局の担当の方々にお任せし、今回の本題ですが、最近注目されているリファーラル(知人紹介)採用について考察してみました。

リファーラル採用が注目を浴びている理由

売り手市場の現在、人材紹介や求人広告だけでは採用が困難なため、新しい採用手法としてリファラル採用が注目を集めるようになりました。日本では以前より縁故採用がありました。リファラル採用と縁故採用の違いですが、広義では区別していないことが多いですが、厳密にはリファラル採用は友人や知人、縁故採用は家族などの血縁関係として区別することができます。

リファーラル採用のメリット

リファラル採用のメリットはミスマッチが少ないことが挙げられます。会社の特徴や企業風土を理解している社員からの紹介であれば、紹介の段階で企業理解が進んでおり、ミスマッチを防ぐことができると言われています。

※実はそうとも限らないので、こちらについては別の機会にお話できればと思います。

二番目のメリットは採用コストの削減につながることです。求人広告や人材紹介であれば高額な掲載料金や成功報酬が発生します。中途採用の場合、年収の約30%~35%を人材紹介会社に支払うのが相場になり、年収500万円であれば採用成功費として約150万円の費用が発生します。社員からの紹介であれば入社しても無料ですので、大きなメリットと言えます。

リファーラル採用の制度設計

それでは、実際にリファーラル採用を立ち上げ、成功させるにはどうすれば良いでのでしょうか。

まず、一番最初に考えられるのは、積極的にリファーラル採用に取り組むなら就業規則や賃金規程の一部としてインセンティブ(紹介報酬)を導入することでしょうか。

ただ、こちらは、自社の社員に対してであっても、金銭的な対価を支払う事が、有料職業紹介の法律に触れる可能性があるため、実際の導入が難しい可能性もあります。

そのため、人事評価等でプラス評価できる事がよりベターかもしれません。

リファーラル採用のデメリットは手間がかかることです。

特に現場の社員にとって自分の業務範囲外に協力することはストレスです。

「この忙しい中で、なんでそんなことしなくちゃいけないの?」と思われながら嫌々やられるのは避けたいですよね。

そのために、評価等でしっかりと報いる制度を導入したり、社員採用に全社として取り組む理由や重要性を、経営者や幹部が社員に対してしっかり伝えなければなりません。

フランクな紹介のススメ

リファーラル採用にあたってインセンティブだけでなく、社員に友人を誘いやすくする仕組みが必要です。

社員にとっては「友人を紹介しても面接で落とされたら関係が悪くなるから紹介しづらい」と敬遠される場合があります。

そう思われないためにも最初は選考とは関係のない面談や懇親会から始めて、会社の雰囲気や同僚をさりげなく紹介しながら、お互いが納得すれば選考に進んでもらうという方法をとることをおススメします。

例えば会員制転職サイト「ビズリーチ」運営の株式会社ビズリーチでは毎月社内でピザパーティーを開催し、そこに社員の紹介であれば社外の人間も参加OKにしています。

面接だけでは伝わらない社風や社員の雰囲気を感じ取ることができるメリットがあり、2013年の採用は6割以上が社員紹介によるそうです。

友人を「会社にピザ食べに来ない?」と気軽に誘いやすいと好評とのことです。

自社の魅力をまとめたWebサイト・LPの必要性

また、自社の魅力をストーリー型式でまとめたWebサイト・採用ページを用意しておく事も、社員が友人に自社を勧める際の武器になりますね。

一般的な会社HPなどを送っても、よくわからないし、転職を考えていない人にとって訴求力もないと思います。

転職を考えていない人にとっても、思わず引き込まれ、その会社についてもっと知りたい!と思わせられるようなストーリー性のあるサイトやPRページを作成しておく事は、リファーラル採用においては重要だと思います。

まとめ

リファーラル採用の大前提は、何と言っても、自社が社員にとって魅力的な会社であることです。

いくら高額なインセンティブやボーナスをつけても、魅力的な会社でなければ社員は大事な友人・知人を紹介してくれません。

手法から入るのも1つではありますが、それをキッカケとして、働く社員が自主的に友人を誘いたくなる会社を目指す事を本格的に取り組んでみるのも良いのではないでしょうか。