57.7%の世帯が「生活が苦しい」。失敗している政府は変えるべきだとの小説家らの呼びかけを検証

財布はからっぽ。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

 小説家の平野啓一郎さんが、SNS『Twitter』で「57.7%の世帯が「生活が苦しい」と言ってる。政府は失敗してるから変えるべき」と呼びかけ、記事執筆時点で3,000件以上もリツイートされています。

 そのツイートを引用するかたちで同じく小説家の室井佑月さんも「年収が半分になった」とツイート。

 こちらも1,500件以上リツイートされており、政府への批判の声が挙がっています。

 しかし、本当にいまの政府は失敗しているのでしょうか?

 「生活が苦しい」という調査の推移を追ってみました。

「生活が苦しい」じつは減少中

 57.7%の世帯が「生活が苦しい」という調査結果は、厚生労働省が実施している『国民生活基礎調査』の2018年のデータです。

 そこで、『国民生活基礎調査』の“生活意識の状況”についての数字を2008年から抜き出してきました。

 それをグラフにしたのがこちらです。

国民生活基礎調査における生活意識の状況の推移。筆者作成
国民生活基礎調査における生活意識の状況の推移。筆者作成
国民生活基礎調査における生活意識の状況の推移(大変苦しい、苦しいを抜粋)。筆者作成
国民生活基礎調査における生活意識の状況の推移(大変苦しい、苦しいを抜粋)。筆者作成

 どうでしょう? 最近はようやく上向きになってきたように見えます。この状況でいまの政府は失敗していると言えるでしょうか?

 ちなみに2009年9月までは自民党政権、同9月から2012年12月までは民主党政権、同12月からは自民党政権でした。

 筆者には民主党政権は「生活が苦しい」を減らせなかったように思えます。

 さて、これがトレンドブログならこのあとに「いかがだったでしょうか?」と続けて民主党を批判しておわり。あとは野党支持者に筆者が「自民党からお金を貰ってるんだろう!」と批判されてちゃんちゃんなのですが、じつはもうちょっとだけ続きがあります。

右肩上がりの「生活が苦しい」

 続いて掲載するグラフは、厚生労働省のホームページから追えるかぎりの『国民生活基礎調査』のデータ、1986年からの“生活意識の状況”についての数字です。

国民生活基礎調査における生活意識の状況の推移。筆者作成
国民生活基礎調査における生活意識の状況の推移。筆者作成
国民生活基礎調査における生活意識の状況の推移(大変苦しい、苦しいを抜粋)。筆者作成
国民生活基礎調査における生活意識の状況の推移(大変苦しい、苦しいを抜粋)。筆者作成

 ビックリしますよね。「生活が苦しい」の右肩上がりが止まりません。年を追うごとにみんなの生活が苦しくなっています。

 グラフを見るに「普通」層がだんだんと減っていき、東日本大震災があった2011年に「生活が苦しい」層が急上昇。近年になってようやく落ち着いてきた、というのが筆者の正直な感想です。

 ちなみにデータのうち1993年8月から1995年8月までは日本新党・日本社会党・新生党・新党さきがけなどの連立政権が与党。それ以外は自民党が与党です(上記で紹介した2009年から2012年までの民主党政権時代を除く)。

 このデータをもって、右肩上がりを止められない自民党の首をすげ替えるべきか。すげ替えても「生活が苦しい」を上昇させた野党を支持するべきか。『Twitter』でリツイートするだけじゃなくて一緒に考えましょう。

 「生活にゆとりがある」を右肩上がりにしてくれそうな政党、あなたはどこだと思いますか?

7月16日2時22分修正

 読者の方に古いデータの場所を教えて頂いたため、3枚目、4枚目のグラフのデータを当初の1991年からではなく1986年からに修正しました。