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「弊社の意思ではない」CBCテレビ、自民党の和田政宗氏への不適切書き込みを否定

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
CBCテレビが否定した不適切な書き込み。筆者キャプチャ

 参院選に立候補している自民党の和田政宗氏への暴行事件に対し、CBCテレビ報道部(JNN系列)の公式Twitterアカウントが不適切な書き込みをした件で、CBCテレビ報道部は否定するコメントを7月14日に発表しました。

暴行事件に「大げさで売名行為」とツイート

 不適切な書き込みは、暴行被害を訴える自民党の和田政宗氏のツイートに対し、CBCテレビ報道部の公式Twitterアカウントが「大げさで売名行為」と返信したものです。

 この返信はすぐに削除されましたが、記録は残っており、和田政宗氏が内容を確認しています。

「弊社報道部の意思に基づくものではありません」

 これを受けてCBCテレビ報道部は「現在、詳細を調査中です」と調査を行っていることを7月13日に発表。

 翌14日に調査の途中経過として「弊社報道部の意思に基づくものではありません」と、書き込みはCBCテレビ報道部によるものではないと否定するコメントを出しました。

アカウントの乗っ取り?

 不適切な書き込みが「弊社報道部の意思に基づくものではありません」とするのであれば、疑うべきはアカウントの乗っ取りです。

 CBCテレビ報道部は内部調査にくわえて、Twitter社の協力も経て調査を進めていくとのことです。

 このようなアカウントの乗っ取りは許されるものではないため(そのうえ選挙期間中に候補者への暴行を肯定する内容です)、CBCテレビ報道部には一体なにが原因で不適切な書き込みが行なわれてしまったのかを突き止めて欲しいところです。

個人アカウントとの混同疑惑は消えない

 一方、個人アカウントと混同してツイートしてしまった疑惑も消えません。

 「ない証拠を出せ」という悪魔の証明のためこの疑惑はどうしても消せません。とくにアカウントを乗っ取ったのであればなぜ不適切書き込みをしたあとにすぐ削除したのか? これが最大の疑問です。

CBCテレビ報道部がいいねしたツイートの例。筆者キャプチャ
CBCテレビ報道部がいいねしたツイートの例。筆者キャプチャ

 また、この件とは別にCBCテレビ報道部と関係のないいくつかの反原発ツイートにいいねしている例が見つかるなど、個人アカウントと企業アカウントを混同して利用している人間が内部にいるのではないかという指摘も出てきています。

 はたして本当に乗っ取りなのか、個人アカウントと間違えただけなのか。今回の事件は、Twitter乗っ取り疑惑事件のひとつとしてネットの歴史に刻まれることになるでしょう。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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