安倍首相「願っていません」と発言せず。読み間違いもない。首相官邸がTwitterで否定する発表

退位礼正殿の儀で文章を読み上げる安倍首相。内閣広報室より

 安倍晋三首相が4月30日に行われた「退位礼正殿(せいでん)の儀」で述べた「国民代表の辞」にて一部で読み間違いがあったと騒がれている件で、首相官邸公式Twitterが否定する発表を行いました。

「願って已(や)みません」が「いません」に聞こえた?

 この騒ぎは「天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願ってやみません」の一文が、「願っていません」に聞こえたとの指摘から始まりました。

 なぜ「願っていません」なのか? それでは逆の意味になってしまう。じつは安倍首相は「已(や)みません」が読めず、「いません」と誤読したのではないか?

 というのが、騒がれている内容です。

一部で「動画が削除された」とのデマも

 騒ぎが大きくなるにつれて、SNSなどの一部では「首相官邸のウェブサイトから国民代表の辞の動画が削除された」とのデマも広がりました。

 しかし首相官邸のウェブサイトには現在も動画が埋め込まれており、『YouTube』での公開も続いています。

動画は現在も表示されている。首相官邸のウェブサイトより
動画は現在も表示されている。首相官邸のウェブサイトより

 J-CASTニュースの取材に対して内閣広報室の担当者は「動画を削除した事実はない」とも回答しており、この件についてはデマだと言えます。

首相官邸公式Twitterは否定

 一連の騒ぎに対して、首相官邸公式Twitterは5月24日になって騒がれている内容を否定する発表を行いました。

実際はどう発言したのか?

 それでは、実際はどのように発言したのでしょうか? 以下の動画(10分52秒あたりから)から確認してみます。

 安倍首相のセリフを書き起こすと「天皇皇后両陛下には、末永くお健やかで、あられ、ますことを、願って、あらせられますことを願ってやみません」となります。

 早口で聞き取りづらいですが、「やみません」と喋っています。

 「願って」から一度セリフを言い直していること、「やみません」が滑舌の問題で「いません」に聞こえることから、「いません」説が出たものだと思われます。

一度セリフを戻したのは「言い間違えた」から

 安倍首相が一度セリフを喋り直しているのは、「あらせられますことを」を「あられますことを」と言い間違えてしまったためです。

 そして――これは滑舌が悪い人にしかわからないと思いますが――言い間違えてしまったがために焦り、「やみません」が「いません」に聞こえるほど早口になったのだと同じく滑舌の悪い筆者としては思います。

「已むが読めないのでは?」派のおかしさ

 とは言え、早口や滑舌の悪い人に慣れていなければ「いません」と聞こえるのもしょうがないと思います。

 ただ、そうなると「已(や)みません」が読めず、「いません」と誤読したとの指摘には2つのおかしな点が生まれます。

 ひとつは当時、公開された全文では「天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って“や”みません」とひらがなになっている点です。

 ひらがなを言い間違えることはあっても、読み間違えることは考えにくいです。

 もうひとつは、仮に漢字で書かれていて読み間違えていたとする場合、騒がれているような「いません」ではなく「いみません」になる点です。

 「あらせられますことを」を「あられますことを」と言い間違えたことに気づいて喋り直した人が、「いみません」を「いません」と読んだ場合、同じことをすると思います。

 というわけで騒ぎについては滑舌が悪い人へのからかいにすぎません。滑舌が悪いことをからかっていいみたいな空気ができてしまうので正直やめて欲しいです。