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ZOZOTOWN前澤友作社長「月旅行キャンセル」報道を否定。東スポは見出し訂正

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
月旅行計画の会見をしたときの前澤友作社長(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZOの前澤友作社長が、月旅行をキャンセルしたとの報道に対して「事実無根だ」と否定する発表を5月20日の夜遅く『Twitter』に投稿しました。

 また、翌21日には「東スポさんには記事見出しの訂正依頼をお願いしておきました」とも発表。

 抗議を受けた東スポは、該当記事のタイトルを「ZOZO前澤社長 所有絵画売却の次は『月旅行キャンセル』」から「ZOZO前澤社長 所有絵画売却で囁かれる“資金繰り”」へと修正しました。

タイトルのネタ元は市場関係者による憶測

 前澤社長が事実無根だと否定したタイトルの元になっている情報源は、ツイートのとおり記事の内容を読めばわかりますが市場関係者による憶測でした。

いよいよ危ういのが昨年9月にブチ上げた月旅行計画だ。一部報道では費用は100億円に上るとされるが、市場関係者は「前払いしている費用もあると思いますが、月に行っている余裕なんてありませんよ。株主も納得しないのでは。(月旅行は)キャンセルするしかないと思います」と推察する。

出典:ZOZO前澤社長 所有絵画売却で囁かれる“資金繰り” | 東スポのニュースに関するニュースを掲載

 つまり前澤社長や月旅行計画の関係者による発言などではありませんでした。

 なのに「月旅行キャンセル」と書いてはデマになってしまいます。

「?」をつければセーフだったかも?

 筆者としては、おそらく今回のタイトルに「?」をつけていればセーフだったのかなと思います。

 「ZOZO前澤社長 所有絵画売却の次は『月旅行キャンセル』」では確定情報になってしまいますが、「ZOZO前澤社長 所有絵画売却の次は『月旅行キャンセル』?」では事実と断定していません。

 まあネタ元が市場関係者による憶測ですから「?」をつけたところで怪しい報道であることには変わりないのですが、その少しの配慮が「推測による報道」と「デマ」との違いになるのではないでしょうか。

 問題はすでに広まってしまった「月旅行キャンセル」報道について、今後どのように訂正報道を伝えていくかだと思います。筆者のこの記事もその一助になれば、と。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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