世界最大級のゲーム大会『Intel Extreme Masters』で体験したeスポーツの世界の凄さ

試合開始前のほぼ満席状態の会場。筆者撮影

 現地時間の3月2日から4日にかけて行われる世界最大級のゲーム大会『Intel Extreme Masters Katowice(以下:IEM)』を観戦するため、ポーランドのカトヴィツェを訪れています。

 IEM Katowiceは半導体メーカーの『Intel』と、世界最大のeスポーツリーグ大会サイト『ESL(エレクトロニック・スポーツ・リーグ)』が主催するeスポーツイベントです。本イベントの賞金総額は50万ドル(約5,300万円)というから驚きです。

 筆者はこれまでに何度かインターネット中継でゲームの大会を観戦したことはありますが、実際に現地で観戦するのはこれが初。そして、生で体験してさまざまな発見があったため紹介します。

大人も子供も、家族みんなで楽しむのがeスポーツ

IEMの開場前の行列。外気温はマイナス10度を下回る寒さ。バスの中から撮影
IEMの開場前の行列。外気温はマイナス10度を下回る寒さ。バスの中から撮影

 まず、現地の会場にきて驚いたのはその人の数です。開場時間のかなり前から人が並んでおり、入り口には長蛇の列ができていました。

 「これくらいの行列なら東京ゲームショウでもよくある」と思われる人もいるでしょうが、撮影時の外の気温はマイナス15度。現地の人のやる気とアツさを感じるには十分すぎるほどの環境でした。

 また、会場内で気づいたのは子供連れの多さです。もちろん全体的に見れば若者が多いのですが、子供を連れたお父さん、お母さん、はたまたご家族など、みんなでゲームのチームを応援している姿には驚かされました。ヨーロッパでは「eスポーツ」という文化が社会に広く浸透しているようです。

ほぼ満員の会場。リアルタイムで応援するファンたち

会場内の大きなモニターに対戦中のゲーム画面が映し出される。筆者撮影
会場内の大きなモニターに対戦中のゲーム画面が映し出される。筆者撮影

 観戦当日に行われていた試合は、テロリストとカウンターテロリストのチームに分かれて戦うFPSゲーム『Counter-Strike: Global Offensive(カウンターストライク:グローバルオフェンシブ。以下:CSGO)』のセミファイナルでした。

 戦うのはデンマークのチーム『Astralis(アストラリス。2017年の本大会で優勝)』と、アメリカのチーム『FaZe Clan(フェイズクラン。2017年の本大会で準優勝)』。どちらも人気のチームですが、会場内ではFaZe Clanのファンが優勢のように感じました。

 Astralisの選手が全員デンマーク国籍なのに対して、FaZe Clanの選手はノルウェー、デンマーク、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、スロバキア、スウェーデンとバラバラかつ、そのなかに東欧出身の選手がいるためかもしれません。

 もしくはFaZe Clanがポーランドで人気のサッカークラブ『Legia Warsaw(レギア・ワルシャワ)』と提携しているため、その関係も考えられます。個人的にはこのeスポーツチームと実際のスポーツチームがコラボしている点も興味深く、日本でも同様の提携が当たり前のように行われるようになればいいなと思いました。

 そして肝心の試合内容ですが、16本先取のゲームで序盤は「Astralis 2- FaZe Clan 9」とFaZe Clanが圧倒的な強さを見せたかと思うと、そこからAstralisが「10- 10」まで巻き返したりとかなり白熱した試合展開となりました。選手がスーパープレイを魅せるたびに、応援するチームに関係なく客席から大きな歓声があがります。

 このネット中継では味わえなかった観客の声援が、強く印象に残りました。上記のようにFaZe Clanは人気が高く、「10- 15」のマッチポイント時には観客が一丸となって「FaZe Clan! FaZe Clan!」と掛け声をあげながらスマホのフラッシュライトを点灯させて応援する姿を見られました。

スマホのフラッシュで応援するファンたち

 日本であればサイリウムやペンライトを振っているようなものですが、そういった応援用のグッズを買うのではなく今あるもので応援するという発想と、客席の一体感に驚きました。

 なお、試合は「10- 16」でFaZe Clanが勝利しました。

併設の会場ではゲームの体験も

 IEM Katowiceではアリーナの隣に各ゲームメーカーがブースで展示を行う会場も併設されており、こちらも大人気でした。

各ブースをめぐる来場者たち。筆者撮影
各ブースをめぐる来場者たち。筆者撮影

 ハイスペックのPCで最新のゲームをプレイできたり、VRを体験できたりするブースには行列ができており、とくにVRでレースをプレイできるゲームには1時間以上並んでようやく、といった具合です。

 面白いのはブースで開催されている小規模の大会で1位になった人には、メーカーから自社製品をプレゼントするというユーザー参加型のイベントが多かったことです。これはモノがかかっているだけにユーザーも熱くなっており、各所で大きな盛り上がりを見せていました。

 今回初めて経験したeスポーツの世界でしたが、東京ゲームショウとは異なる世界が広がっており、この文化が日本にもやってくればいちゲーマーとしてよりゲームの世界を楽しめるように思います。

 日本では今年2月にeスポーツ産業の普及と発展を目的とした新団体「一般社団法人 日本eスポーツ連合(JeSU)」が設立されました。しかし、現時点でも賞金スキームに対する適法性の議論が続いている状態です。

 そのあたりは専門ではないため筆者は論じませんが、うまいところに収まって日本でもeスポーツが文化として大きくなればいいなと思っています――というところで今から2日目の観戦に行って、あの興奮を味わってきます。今日は現地時間の夜11時まで決勝戦が行われる予定です。絶対寒い。