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TWICE、個人インスタ開設やソロデビューに「不吉な予感」を感じてしまうワケ

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真:Splash/アフロ)

今やすっかりK-POPを代表するガールズグループとなったTWICE。ここ数日も日韓を問わず、連日メディアを騒がせている。

最初は王道とも言うべきグループとして話題を振りまいた。

5月14日~15日にアメリカのロサンゼルスでワールドツアーのアンコール公演を開催。これは、昨年12月にソウルから始まり、今年2月にアメリカ、4月23日~25日には東京ドームでも公演が行われたワールドツアー「TWICE 4TH WORLD TOUR 'III'」の締めくくりでもあるのだが、このワールドツアーは日本や韓国でチケットが即完売したのはもちろん、アメリカ5都市9回公演でも全席完売を記録。アメリカだけで約15万人も動員しており、まさにTWICEが世界的なガールズグループになった証明にもなった。

ただ、このワールドツアー後、グル―プよりも個々にフォーカスが集まる話題が増えている。

例えばこれまでグループのアカウントしかなかったインスタグラムで、個人アカウントを開設。

(参考記事:【写真】TWICEが個人インスタを開設、メンバー9人の記念すべき“初投稿”は?

さらに昨日5月19日には、“不動のセンター”であるナヨンが6月にミニアルバムでソロデビューすることも発表。矢継ぎ早に活動を知らせ、存在感を示している。

“魔の7年ジンクス”はTWICEにも忍び寄るのか

まさにファンも喜びそうな最新ニュースが連日続いているのだが、韓国ではそんな活発な活動を喜んでばかりいられないとの見方もあることをご存じだろうか。

2015年10月にデビューしたTWICEにとって、今年は結成7年を迎えるからこそ「不安」の影がちらつくというのだ。

この「7年」という数字は、韓国のガールズグループにとっては「ラッキーセブン」どころか不吉な数字も言えなくもない。過去、多くのガールズグループがこの節目の年を乗り越えられず、グループ解散やメンバー脱退を経験しており、“魔の7年ジンクス”と呼ばれているほどなのだ。

例えば第二次韓流ブームで沸いた2010年代前半に日本でも人気だった4minute、RAINBOW、2NE1、SISTAR、miss Aといった人気グループはデビュー7年を迎えて解散した。

先日、約5年ぶりの完全体(メンバー全員が揃うこと)カムバックを予告した少女時代も、デビューから7年を迎えた2014年にジェシカが脱退している。

最近でもTWICEと同年デビューのOH MY GIRLのジホが今年5月9日にグループを脱退。また昨年11月には同じくデビューから7年を迎えたLOVELYZ(ラブリーズ)が解散。TWICEと同じ2015年デビューのGFRIENDも昨年5月に突然解散している。

では、なぜ“魔の7年ジンクス”が過去も現在も続てしまうのか。

要因は複数あるだろうが、最も大きいのは、韓国公正取引委員会の「芸能人標準約款による専属契約用標準契約書」とされている。

それによると、芸能人と芸能事務所の専属契約期間は最大で「7年」。これにより再契約を必要とする結成7年の際に契約問題が発生し、グループ自体が解散したり、脱退するメンバーが生じたりしてしまうケースが多いというわけだ。

そんな“魔の7年ジンクス”を前提に最近のTWICEの活動を見ると、一抹の不安が忍び寄ってくるらしい。

突然の個人インスタグラムの開設は、メンバー各自の人気を知るバロメーターとなるだろうし、ナヨンのソロ活動も同じ文脈ではないかとの推論が成り立つ。まるで、何かしらの“変化”のカウントダウンに突入したように見えてしまうというのだ。

4月25日の東京ドーム公演最終日を見た知人のONCE(TWICEファンのこと)は、コンサートの最後にTWICEメンバーが全員で手を取って丸くなったシーンで、「メンバーのサナが号泣していた」と話していた。ツウィやジョンヨンも涙を見せていたそうだが、ただならぬ雰囲気を感じたという。

いずれにしても、TWICEがデビューから7年というK-POPガールズグループにとって“鬼門の年”を迎えているのは事実だ。もちろん、9人全員が再契約し、今後もTWICEとして活動してほしい。TWICEが7年のジンクス”を打ち破ってくれることを期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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