Yahoo!ニュース

元日本代表に「サッカー人生の敗者」発言の人気者まで。韓国で戦う日本人Kリーガーたち

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
左から石田、天野、邦本、小林(写真提供=韓国プロサッカー連盟)

Jリーグ30年目のシーズンとなる2022年シーズンがスタートしたが、韓国でも昨日2月19日にKリーグが開幕した。

現在、Kリーグは14チーム構成の1部リーグである『Kリーグ1』と、今季からプロに転身した金浦(キムポ)FCを含め11チーム構成となった2部リーグの『Kリーグ2』がある。

ともに2月19日に開幕。ワールドカップ・カタール大会が始まる11月前までに、Kリーグ1は全38節、Kリーグ2は全40節を行なってタイトルを競う。

Kリーグ1最下位(12位)とKリーグ2の1位は自動的に入れ替わり、Kリーグ1の11位と10位は、Kリーグ2の3位~5位によるプレーオフ勝者と対戦しなければならない。

つまり、今季Kリーグは最大3チームの昇格・降格の可能性があるわけだが、昨季はその昇格・降格争いの終盤に日本人Kリーガーが大きな話題になった。

登録名は“マサ”。Kリーグ2の大田(テジョンハナチシズンに所属する石田雅俊だ。

日本では京都サンガF.C、SC相模原、ザスパクサツ群馬、アスルクラロ沼津に在籍したが、これといった活躍はできず契約解除になってKリーグにやってきた“マサ”だが、昨季は大ブレイク。

「僕はサッカー人生の敗者ですが、昇格のために人生を懸けます」という韓国語によるヒーローインタビューの様子が反響を呼び、そのインタビュー映像は韓国で100万回再生を突破したほどだ。

(参考記事:【動画】韓国全土が“マサ”に衝撃!日本人Kリーガー、石田雅俊が決めた圧巻ハットトリックがコレだ)

残念ながら大田ハナシチズンはKリーグ1昇格を逃したが、石田はKリーグ2の年間ベストイレブンにも輝いた。2部リーグとはいえ日本人選手がKリーグで年間ベストイレブンに輝いたのは石田が初めてだった。

今季はこの石田に続けと言わんばかりに、新たな日本人選手がKリーグでプレーする。

ひとりは丸岡翔。セレッソ・ユース出身でかつてボルシア・ドルトムントに在籍して“第2の香川真司”とも期待された26歳が、前出した金浦FCの一員になった。

ちなみに金浦FCを率いるのは1997年から1999年にセレッソ大阪に所属したコ・ジョンウン(高正云)だ。

また、Kリーグ2ながら昨季のFAカップを制した全南(チョンナム)ドラゴンズには、佐藤優平が加入。日本では横浜F・マリノス、アルビレックス新潟、モンテディオ山形、東京ヴェルディと渡り歩いた佐藤の入団に際して、全南は「攻守でキープレーヤーとなれる選手。若く経験の足りない全南の選手の助けになる」と即戦力としての活躍を期待している。

全南はFAカップ王者として今季ACLに出場するが、蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)や大邱(テグ)FCといったACLプレーオフ出場組も今季は日本人選手を補強している。

まずは大邱FC。もともとこのチームには登録名を日本人MF西翼がいたが、彼は昨季限りで大邱を退団。西翼は今季、Kリーグ2のソウルイーランドFCに移籍した。

大邱FCが西翼に代わって獲得したのが、鈴木圭太。高校卒業後の2016年にモンテネグロへ渡り、2021年まで6年間プレー。昨年7月にはUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)1次予選ラウンドにも出場した24歳だ。

背番号は18。Kリーグでの登録名は「ケイタ」だが、大邱サポーターの間では「圭太」を韓国語読みである「ギュテ」と呼ばれているらしい。

元Jリーガーのホン・ミョンボ監督が率いる蔚山現代も日本人選手を補強した。

蔚山は今季、2012年ロンドン五輪や2014年ブラジルW杯でホン・ミョンボ監督と息を合わせた池田誠剛氏を首席コーチとして迎え入れているが、その池田コーチの強い推薦もあって天野純を横浜F・マリノスからレンタル移籍で獲得している。

蔚山にはホン・ミョンボ監督や池田コーチだけでなく、昨季までガンバ大阪に所属したキム・ヨングォンや、2018年に横浜FMで共闘した元韓国代表FWユン・イルロクもいるので、天野のKリーグ適応にはあまり時間を要さないかもしれない。

天野も「蔚山現代で活躍したい確固たるモチベーションがある」と活躍を誓っているだけに、1年目からブレイクが期待される。

このほか、Kリーグ6連覇を目指す全北現代(チョンプク・ヒョンデ)には邦本宜裕、元Jリーガーのチェ・ヨンス監督が率いる江原(カンウォン)FCには小林祐希がおり、Kリーグ2には磐瀬剛(安山グリナース)、西翼(ソウルイーランドFC)、そして大田ハナシチズンに完全移籍した石田など、今季Kリーグでは1部と2部合わせて計8名の日本人選手たちが開幕を迎えることになった。

昨日の開幕日はkリーグ1で3試合、kリーグ2は2試合が行われたが、全北の邦本が先発出場。大邱の鈴木は79分から、金浦の丸岡は46分から、全南の佐藤は61分から途中出場している。

振り返れば2001年に海本幸治郎が城南一和(現・城南FC)に加入して以来、数多くの日本人選手がプレーしてきたが、今年はその数がいつになく多い。

(参考記事:元日本代表から欧州組、有名タレントもそうだった!! 歴代の日本人Kリーガー通信簿)

そのすべての日本人Kリーガーたちが韓国のピッチで躍動することを期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

慎武宏の最近の記事