Yahoo!ニュース

日本で復活した“ビリー隊長”。韓国では美女トレーナーたちが“ホムト族”に人気

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
美女トレーナーとして有名なレイヤン(写真:ロイター/アフロ)

新型コロナウイルスの防疫のために外出できない昨今、運動不足を解消するために自宅で汗する人が増えている中で、懐かしい名前をふたたび目にすることが多い。

かつて一世を風靡したエクササイズ『ビリーズブートキャンプ』がYoutubeで検索されことが多くなり、その発案者ビリー・ブランク氏がメディアで取り上げられことが多くなっているという。“ビリー隊長”は60代になったが、相変わらず元気ハツラツだ。

韓国ではタエ・ボ始祖として有名なビリー隊長

韓国で実はこの“ビリー隊長”。韓国でもかつてその名を轟かせたことがある。

日本では『ビリーズブートキャンプ』で一世を風靡した“ビリー隊長”だが、韓国では「タエ・ポの祖」として有名だ。

「タエ・ボ(Tae Bo)」とは、「テコンドー(Taekwondo)」と「ボクシング(Boxing)」を合わせた造語で、文字通り、テコンドーとボクシングの動きを取り入れたエアロビクス・エクササイズのこと。その発案者が“ビリー隊長”なのだ。

タエ・ボはダイエットだけではなく、護身術にも役立つとして韓国の女性たちの間でも人気だ。

韓国の文化観光部(日本の文部科学省に相当)が1月20日に発表した「2019年国民生活体育 参与実態調査」の中に、「受講しているレッスンは講習は?」という項目で、タエボはヨガ、ピラティスと並んで3位だった。

“ホムト族”に人気の女性トレーナーたち

ただ、ヨガやピラティスはもちろん、タエ・ボを教える講師はビリー隊長のようなタイプではなく、美しく優しい女性たちの場合が多い。

昨年あたりから日本の女性たちの間でも人気の『バニトレ』を展開するカン・ヒョンギョンも、韓国で有名なピラティスインストラクターだが、韓国にはそのほかイェ・ジョンファ、シム・ウトゥム、ヤン・ジョンウォンなど、美しいボディラインを作るトレーニングノウハウを持つトレーナーたちが数多くいる。

テレビや雑誌などで活躍するようになった彼女たちはタレント化して“スポテイナー(スポーツとエンターテイナーを組み合わせた造語)”と呼ばれるほどだ。

(参考記事:「上位1%の神ボディ」に「国宝級リンゴ尻」。韓国3大“美女スポテイナー”を一挙紹介!!【PHOTO】)

そして、そんなスポテイナーたちがSNSなどにアップする「自宅でできるエクササイズ」動画が韓国でも人気だ。

韓国では自宅でエクササイズやトレーニングをする人たちを「ホムト(ホーム・トレーニングの略語)族」と呼ぶのだが、新型コロナウイルスの影響で不必要な外出自粛やフィットネスジムの臨時休業や営業制限がある中、“ホムト族”が急激に増えている。

ヨガ、ピラティス、ストレッチなど250篇以上のエクササイズ&トレーニングコンテンツでなる“スマート・ホムト”を展開しているカカオVXによると、4月の“スマート・ホムト”利用者数は1月比で38%も増加しているらしい。

日本でも『ビリーブートキャンプ』をはじめ多くのエクササイズ・コンテンツが人気だが、韓国でも同じような現象が起きていることは間違いない。

ちなみに日韓両国でその名を轟かせたトレーナーと言えば、『ビリーザブートキャンプ』と同じ頃に日本で話題になった“モムチャン(ナイスボディの造語)・アジュンマ(=おばさん)”ことチョン・ダヨンだろう。

韓国の一般主婦でありながら、独自のフィットネスプログラム&ダイエットメニューで、DVDはもちろん、家庭用テレビゲーム『Wii』のソフトも発売されたので覚えている人もいるのではないだろうか。

ビリー隊長の次は、もしかしたら“モムチャン・アジュンマ”の復活もあるかもしれない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

慎武宏の最近の記事