不買運動も一蹴する「どうぶつの森」はマスクより入手困難?韓国でも人気

韓国の広告(写真=Nintendo KOREA公式サイトより)

任天堂のNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』(以下、あつ森)が話題だ。発売から10日間で260万本を超えたらしく、品薄状態が続いているようだ。

実は『あつ森』はお隣の韓国でも熱い人気ぶりを見せている。韓国では新作ソフトのみならずNintendo Switch本体の需要も急増し、一時期は「マスクよりも手に入らない」と言われるほどだった。

昨日5月5日は韓国でも“こどもの日”だったが、社会的距離(ソーシャルディスタンス)制限が緩和されたこともあって、大手百貨店や大型マート店では『あつ森』を求めて保護者や子供たちが長蛇の列も作ったという。

気になって調べてみると、韓国の各種ネット通販サイトではNintendo Switch本体が定価の約2倍(約60万ウォン以上)、特別デザインの「あつ森 エディション」が約100万ウォン(約10万円)で取引されているではないか。

一方で、昨年夏頃にあった日本製品不買運動を展開していたとあるコミュニティサイトでは「購入を控えるべき」と強く主張する声もあるというのだから、韓国でも『あつ森』狂騒曲が起きていることは間違いない。

(参考記事:品切れ『あつ森』の高額取引事情。それでも「購入を控えるべき」と反対するのは誰か

では、なぜ今、韓国でも『あつ森』が人気を集めているのだろうか。

韓国紙『中央日報』は「コロナ19避けて無人島行き…完売した任天堂ゲーム“どうぶつの森”」(3月30日掲載)と題した記事の中で、「現実では難しいことを仮想世界で簡単に果たせることで安心感を得られ、他のユーザーと交流する過程で癒されるという、2つを満たすコンテンツ」という梨花(イファ)女子大学のユン・ホヨン教授のインタビューを紹介した。

また、韓国メディア『ゲーム東亜』は、人気の理由の一つとして「女性ユーザーの大量流入」を挙げていた。主に暴力や競争を強調する最近のゲームは女性の支持が集まりにくいが、『あつ森』は村作りという穏やかな楽しみを与えるため、女性の関心を集めることに成功したとの分析だった。

韓国のネットを見ただけでも、『あつ森』の人気は一目瞭然だ。人気YouTuberらが『あつ森』で遊ぶ様子を動画で配信しているし、インスタグラムやツイッターなどSNSにもプレイ画面の投稿が多く見受けられる。

有名どころでいえば、韓国の元新体操選手ソン・ヨンジェが4月27日、自身のインスタグラムにNintendo Switchを手に持ってしゃがんだまま夢中でプレイしている様子を公開して、ちょっとした話題になった。

他にもK-POPグループSUPER JUNIORのキム・ヒチョルや人気声優ソ・ユリが自身のインスタグラムにプレイ画面を投稿している。

女性ユーザーの増加や、有名人たちがこぞって『あつ森』にハマったことも後押しする韓国の『あつ森』人気。ただ、その人気のあまりトラブルも絶えないようだ。

例えば、『あつ森』の販売を装った偽サイトが登場している。韓国メディア『NEWSIS』によると、中古品取引サイトでは販売者が購入者を別のフィッシングサイトに誘導し、個人情報とお金を取得する詐欺が横行しているという。

また、4月23日にはソウルの某家電量販店で『あつ森』の抽選販売が行われて1500人以上が集まった。新型コロナのパンデミックにより社会的距離を保つことが呼びかけられる今、大勢の人が長蛇の行列を作ったことに対し、批判の声も上がった。

いずれにしても、世界中で老若男女問わず、幅広い層を魅了している『あつ森』。新型コロナウイルスの感染拡大によって「おうち時間」が増加する昨今、『あつ森』は新型コロナ時代の娯楽とコミュニケーションを物語るコンテンツなのかもしれない。