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新型コロナ感染ならスターでも「丸裸」、番組休止も…韓国芸能界が警戒を強める理由

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
SUPERNOVAのユナク(写真:アフロ)

日本の芸能界で新型コロナウイルス感染の報告ラッシが続いている。

4月9日時点で、脚本家で俳優の宮藤官九郎、お笑いタレントの森三中・黒沢かずこ、たんぽぽ・白鳥久美子、ゴリけん、歌手で声優の速水けんたろうなどが新型コロナウイルスに感染したことを公表しているが、その事実は韓国でも報じられている。

芸能人発の感染で女性ホステスなど濃厚接触者100人強も

もっとも、韓国芸能界でも新型コロナウイルスの脅威を無視できない状況だ。

4月3日には韓国はもちろん、日本でも精力的に活動してその名を轟かせていた人気ボーイズグループSUPERNOVA(旧・超新星)のリーダーであるユナクが、韓国芸能界初の陽性感染者であることが発表された。

同じ日、多国籍ガールズグループEVERGROW(エバーグロー)のスタッフが新型コロナウイルス陽性と診断されたことにより、EVERGROWのメンバー6人も濃厚接触者として検査を受け、いずれも陰性ながら2週間の自主隔離に入ったことも発表された。

人気のスターやアイドルとその関係者が新型コロナウイルスに感染したということだけでも大きなニュースだが、韓国では感染発表だけでは終わらない。

例えばユナクの場合、韓国政府が感染者の移動経路を公表していることもあって、感染発覚前後の行動履歴が公になっている。

3月24日に日本から帰国、3月26日にコンビニに行ったりソウルの高級クラブに勤務する女性ホステスA氏と会い、3月27日には新型コロナの症状が現れ、3月31日にはソウル市内の保健所で検査を受けたことが公開されたのだ(A氏は3月29日に症状が見られ、4月2日には陽性判定を受けていることも公表されている)。

ユナクはA氏と会ったことは認めるも、ただの知り合いとしているが、A氏が疫学調査で虚偽の陳述をしたたことで大ごとになっているほどだ。

(参考記事:SUPERNOVAユナクからの感染者が虚偽の陳述で…116人濃厚接触の驚愕の中身とは?)

こうした感染経路の追跡だけではなく、感染者との濃厚接触が疑われる周辺も徹底的に調査される。

番組の収録・放送が中止になってしまうケースも

EVERGROWの場合、メンバー全員だけではなく、彼女たちが出演していた音楽番組の収録が行われたスタジオとその建物が閉鎖されて防疫処置が施された。

それだけではなく、番組スタッフはもちろん彼女たちと接触した番組MC(司会者)、彼女たちと同じ控室を使っていた女性ラッパーも検査を受けることになり、いずれも陰性ながら2週間の自宅隔離に。結局、音楽番組の収録は中止となり、今後の放送スケジュールも未定になっている状況だ。

韓国では3月にもアメリカ渡航歴のあった番組プロデューサーが新型コロナウイルスの陽性判定を受けて、プロデューサーが勤務していた社屋が閉鎖され緊急防疫対象に。番組出演者全員が検査・自宅隔離となってしまって2週間以上も制作が休止されたバラエティ番組があったが、韓国では感染者が一人出るとその周辺にもさまざまな影響が出る状況なのだ。

それだけに、芸能人やその関係者、番組スタッフたちも新型コロナウイルスへの警戒心を一層強めずにはいられない。

陽性判定となれば、その行動履歴はもちろんプライバシーまで丸裸にされ、日常をともにする家族、知人、仕事仲間も検査対象となり、番組収録や撮影にも支障を来すことになる。極端な言い方をすれば、感染者が相次げば韓国芸能界全体がオールストップになりかねないからだ。

そめため、韓国では観客も見守る公開収録を中断して無観客録画にしたり、公演やライブ活動を中止・延期するなどの“次善の策”で新型コロナウイルス感染防止に努めているが…‥。テレワークでは番組収録も撮影もできない芸能界だけに、これからも不安は尽きそうにない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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