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6月まで延期説も浮上。新型コロナでツアー中止相次ぐ韓国ゴルフ界のいま

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
2015年KLPGAチャンピンシップを制したのはアン・シネ(写真=KLPGA)

プロゴルフが行われない週末が続いている今日この頃だ。

男子ツアーは、4月の東建ホームメイトカップ、中日クラウンズ、ダイヤモンドカップと3試合の中止が決まり、3月のダイキンオーキッドレディースから始まる予定だった女子ツアーはいまだ開幕できずにいる。

いつもなら今日もサンデー・バックナインの行方に注目が集まるはずだが、プロゴルフがない週末を迎えているのは韓国も同じだ。

男子は開幕戦のDB損害保険プロミ・オープン(4月23日〜26日)、GSカルテックス毎日オープン(4月30日〜5月3日)が早々と延期になった。

女子は済州(チェジュ)島で開催予定だった国内開幕戦のロッテレンタカー女子オープン(4月9日〜12日)、CELLTRIONクイーンズ・マスターズ(4月17日〜19日)、ネクセン-セイントナイン・マスターズ(4月24日〜26日)などが中止となっている。

韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)は毎年この時期になると、新年度のKLPGA広報モデルを発表してきたが、2月から開始したオンライン投票の状況も発表されていない状況だ。

(参考記事:イ・ボミやアン・シネも選ばれた「美女ゴルファー」の証!! KLPGA広報モデル10年分を大公開)

『スポーツソウル』ゴルフ担当者によると、大会の中止・延期を申し出ているのは、主にタイトルスポンサー側だという。

「無観客で開催したとしても、クラブハウスには選手はもちろん、中継陣や取材陣、大会関係者、選手関係者など1000人以上が行き交うことになる。不特定多数の人々と接触するので、当然、リスクも高い。冠スポンサーをした大会で新型コロナウイルス感染者を出したとなれば大事にもなりかねないので、多くの企業が大会に難色を示したようだ」

おそらく日本でも同じような理由もあって大会が中止になっていると思うが、韓国では今後も大会の中止・延期が続くという見方が強い。

事実、KLPGAは4月30日から開幕予定だった今季初のメジャー大会であるクリス・F&C KLPGAチャンピオンシップ」を新型コロナウイルス感染症の影響で中止することを発表した。

KLPGAチャンピオンシップはKLPGAが発足した1978年から行われた大会で、過去には全美貞(2002年)、申ジエ(2008年)ら現在は日本ツアーを主戦場とする選手たちも優勝したビッグタイトルである。2015年大会では今や韓国はもちろん、日本でも“セクシークイーン”の名で知られるアン・シネも優勝している。

このKLPGAチャンピオンシップと合わせてキョチョンハニー・レディースオープン(5月8日〜10日)も中止が発表されており、一部の関係者によるとNH投資証券レディース(5月15〜17日)、斗山マッチプレー・チャンピオンシップ(5月20日〜24日)も開催が難しいのではないかと囁かれているらしい。

男子ツアーもすでにSKテレコム・オープン(5月14〜17日)とKB金融リブ・チャンピオンシップ(5月21日〜24日)が中止が決まっており、優勝者には6月の全英オープン出場権が与えられるコーロン韓国オープンも8月以降の延期を検討しているという。

4月や5月はもちろん、6月になってもプロゴルフツアーが開催されない可能性も囁かれている韓国。日本も今後はどうなるのか。現状ではプロゴルフがない週末はまだまだ続きそうだが……。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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