東京五輪の女子バレー・アジア代表が確定。韓国の世代融合とチーム変革

昨年のワールドカップでの韓国女子バレー。(写真:松尾/アフロスポーツ)

東京五輪の女子バレーボール・アジア代表が決まった。1月8日からタイで行われていたアジア予選を勝ち上がって出場権を勝ち取ったのは、韓国だ。

韓国はグループリーグでインドネシア、イラン、カザフスタン相手に3戦全勝を飾り、準決勝ではチャイニーズ・タイペイにセットカンウト3-1で勝利して決勝に進出。

決勝では直近10試合で3勝7敗と負け越している開催国・タイと対戦したが、そのタイ相手にもセットカウント3-0で圧勝して東京五輪への出場切符を手にした。

美人双子姉妹ら若手が台頭

5戦全勝、落としたセットはチャイニーズ・タイペイ戦での1セットだけという結果もさることながら、内容面でも最高の形での五輪切符獲得だった。

というのも韓国女子バレーはこれまで、良くも悪くもスーパーエースであるキム・ヨンギョン次第であったが、今回のアジア予選ではキム・ヨンギョンが大会中に腹筋を負傷。準決勝のチャイニーズ・タイペイ戦は欠場し、決勝のタイ戦でも試合前まで出場の可否が不透明な状態だった。

そんな中で活躍したのが若手たちだ。

昨季の韓国VリーグMVPのイ・ジェヨンは大会通算2位の71点を叩き出し、イ・ジェヨンの双子の妹でもあるイ・ダヨンは安定的なトスで攻撃をリードした。1996年生まれのイ・ジェヨン&イ・ダヨン姉妹が活躍したのだ。

(参考記事:“Vリーグ女神”に“美人姉妹”、日本との因縁も。韓国美女バレー選手ベスト6を一挙紹介【PHOTO】)

これに1997年生まれで今回の予選で13本のサービスエースを決めたカン・ソヒの活躍などは、若手の台頭を待望してきた韓国女子バレー界にとっては朗報だろう。

今回の予選に先立って韓国は5年ぶりにハン・ソンイも復帰させているが、エースのキム・ヨンギョンやヤン・ヒョジンら30代のベテランと、キム・フィジン、パク・ジョンアら20代後半の中堅、そして20代のイ・ジェヨン、イ・ダヨン、カン・ソヒらも素晴らしい働きを見せたことで、「3世代が融合、女子バレーは黄金時代だ」(『スポーツ京郷』)と報じるメディアもあるほどだ。

初の外国人監督の取り組み

また、イタリア人指揮官ステファーノ・ラバリニ監督への賛辞も惜しまない。

振り返れば、ラバリニ監督が韓国女子バレー史上初の外国人監督として招聘されたのが2019年2月。

就任時からキム・ヨンギョン依存への脱却、リベロとセッターを除いた全員が攻撃参加する“スピードバレー”をテーマに掲げ、昨年5月からは多くの実戦経験を重ねてきた。

ネーションズリーグ、東京五輪・大陸間予選、アジア選手権、FIVBワールドカップ、そして今回のアジア予選と、6か月間で36試合以上。そうした中でときに選手を試し、ときにはキム・ヨンギョン不在でも結果を残しながら迎えたのが今回のアジア予選だった。

世代融合と外国人監督のチーム改革。サッカー韓国代表初の外国人監督だったフース・ヒディンクも同じような変革を韓国サッカーにもたらしたが、現在の女子バレー韓国代表もそれに近い雰囲気を感じる。

東京五輪で目指すはメダル獲得

ただ、女子バレー韓国代表はまだ、東京五輪の出場権を手にしたに過ぎない。アジア予選では圧勝続きだったが、いずれももともと世界ランキングでは格下の相手。

世界ランキングで韓国(9位)より上位の国々がすでに大陸間予選で出場権を獲得しているだけに、ラバリニ韓国はようやくスタートラインに立ったに過ぎない。真価が問われるのは、今年7月の東京五輪だろう。

前々回のロンドン五輪では4位、前回リオデジャネイロ五輪では5位に終わった韓国女子バレー。東京五輪で目指すのは、1976年モントリオール五輪以来となるメダル獲得だ。

東京五輪はスーパーエースのキム・ヨンギョンを擁して戦える最後のオリンピックということでメダル獲得への期待も高く、すでにKOVOは東京五輪でメダル獲得した暁には選手たちに褒賞金を与えることも発表している。

金メダルなら5億ウォン(約5000万円)、銀メダルなら3億ウォン(約3000万円)、銅メダルなら2億ウォン(約2000万円)。これがチームと選手のモチベーションにどう作用するかはわからないが、いずれにしても韓国でも東京五輪に名乗りを上げる競技が出てきた。

今後も東京五輪への出場を決めた韓国の種目やアスリートたちを都度紹介していきたい。