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兵役を終えたBIGBANG再始動はいつか。グループの命運を握るのは…

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
兵役を終えた4人でBIGBANG再始動か(写真:ロイター/アフロ)

韓国はもちろん、日本でも絶大な人気を誇ったスーパーグループBIGBANGの今後に注目が集まっている。

2017年12月末に韓国・高尺(コチョク)スカイドームで開催されたコンサートを最後に、一時的な活動休止状態にあったが、ここにきてふたたび注目を集めているのはメンバーたちが兵役を終えて次々と除隊しているからだろう。

まず、龍山(ヨンサン)区庁所属の社会服務要員として兵役を務めていたT.O.Pが今年7月に除隊。10月には陸軍第3師団(白骨部隊)で服務していたG-DRAGONが除隊し、昨日11月10日にはSOLとD-LITEが地上作戦司令部で退役式を行った。

メンバーの兵役問題が解決できずに活動休止に追い込まれるグループや諸事情で兵役免除になった芸能人もいる中で、ほとんどのメンバーが兵役を務め終えたのだ。

(参考記事:「えっ、そんな理由で?」兵役を免除された20人の韓国芸能人を一挙紹介)

本来ならば「再始動」や「待望復活」といった見出しとともに、大掛かりでスケールの大きい今後のスケジュールなどが発表されてもおかしくはないものだが、そんなビッグニュースも聞こえてこない。

それは彼らを取り巻く環境が入隊時とガラリと変わってしまったからだろう。

入隊前まではそれこそ絶大な人気を誇ったが、T.O.Pは大麻使用容疑、G-DRAGONは特別待遇疑惑、D-LITEは所有するビルに違法営業疑惑が浮上するなど、兵役中もトラブルが絶えなかった。

しかも、今年3月にはメンバー最年少だったV.Iが韓国芸能界を揺るがした「バーニングサン事件」に関与していたとしてBIGBANGから脱退するだけではなく、メンバー全員の所属元だったYGエンターテインメントとの契約も解除となり、芸能界から引退した。

そればかりか、V.I.スキャンダルの火の粉はYGエンターテインメントの創始者でBIGBANGの生みの親的存在とも言えるヤン・ヒョンソク代表にも飛び火し、さまざまな疑惑で何度も警察に召喚されたヤン氏はその責任をとって代表の座からも退いた。

兵役で活動休止状態だったBIGBANGだが、彼らも彼らの所属会社もそのイメージに大きな傷を負ってしまったことで、「再始動」にも慎重にならざるを得ないのだろう。事実、兵役中に大麻使用容疑で物議を醸したT.O.Pは除隊から3か月が過ぎても芸能活動を再開するか否かについて言及していない。

こうした中でBIGBANGの今後のカギを握るのは、「G-DRAGON、SOL、D-LITEの3人がYGエンターテインメントと再契約をかわすかどうかにかかっている」と複数の韓国メディアが報じている。

2006年にデビューしたBIGBANGは、2011年と2015年にYGエンターテインメントと再契約を結んでいるが、その再契約がなされるかどうかにBIGBANGの今後の命運がかかっているというわけだ。

ちなみにYGエンターテインメントは最近、BIGBANGと並ぶ会社の顔だった2NE1(2016年11月に解散)のメンバーだったCLとの専属契約を終了している。2NE1解散後、ソロとして活動していたCLだが、デビューから約10年間身を置いていたYGエンターテインメントを離れることになった。

このニュースを知るとBIGBANGの今後が心配にもなってくるが、YGエンターテインメントの株価予想をしたハナ金融投資のイ・ギフン研究員は「G-DRAGON、D-LITE、SOLの場合、YGとの再契約可否が除隊後の初のイベントとなる。SM、YG、エイベックスの関係および東方神起の前例などを考えると(再契約の)可能性は高いと思われる」とした。

「BIGBANGの活動再開が現実化されれば、韓国国内の企画社(芸能プロダクション)の中でも潜在力は高い。YGの実績も改善させるだろう」と、証券アナリストの視点でBIGBANGの再始動に期待を寄せているが、はたして。

かつては日本で5年連続ドームツアーを行い(海外アーティスト初)、2013年からの5年間で累計420万5500人の観客動員にも成功したBIGBANG。兵役中にさまざまな問題が起きてもブレることなく活動再開の日を待ち続けたファンたちのためにも、ふたたび結集して再始動してもらいたいものだが……。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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